アンギオ検査(血管造影法)の手順や合併症・副作用への理解(2015/08/12)
アンギオグラフィーは、さまざまな疾病の特定に非常に有効な検査であるものの、副作用や合併症のリスクが常につきまといます。リスクを回避するためには、アンギオグラフィーに関する深い知識が必要不可欠です。
また、検査前、検査中、検査後、すべての過程において、患者さんのバイタルサインや健康状態を注意深く観察し、異常時には迅速かつ適切に対処しなければいけません。
当ページでは、アンギオグラフィーに関して参考になる、さまざまな情報を記載していますので、アンギオグラフィーの検査や看護に不安のある方は、しっかりとお読みいただき、知識を深めてください。
目次
1、アンギオグラフィーとは
アンギオグラフィーとは、血管造影検査のことで、「アンジオ」または「アンギオ」とも呼ばれています。
一般的に、手首や大腿鼠径部などの血管からカテーテルと呼ばれる管を挿入して、肝臓や腎臓、腸管、脳や心臓まで、カテーテルを血管の走行に沿って進めていき、目的の位置に達したところで、血管の内部を高精度に撮影するために必要な造影剤を流し、目的部位をX線透視撮影することで、血管の形状や走行などを視覚的に検査することができます。
X線撮影による検査は1895年にドイツのレントゲン博士に考案され、骨折や肺の病気など、さまざまな分野で大きな貢献を果たしたものの、X線撮影のみでは血管の状態をみることはできませんでした。
1929年になり、ドイツのフォルスマン医師によって、現アンギオグラフィーの元となるカテーテル法が考案され、さらに1953年にはセルジンガー博士によって当初のカテーテル法を改良したセルジンガー法が考案されました。セルシンガー法の登場で、従来の課題であった合併症のリスクが大幅に減り、さらにカテーテルやガイドワイヤーの品質が向上したことで、血管の検査だけでなく、治療も行えるようになりました。
現在では、クモ膜下出血や脳梗塞などの脳血管障害のほか、動脈瘤などの脳血管の病変、脳腫瘍、冠動脈・下肢動脈の閉塞・狭窄など、さまざまな疾病の検査・治療に用いられ、最近では、さらに容易かつ安全な三次元血管撮影法、「CT血管撮影法(CTアンジオグラフィ;CTA)」と「MR血管撮像法(MRアンジオグラフィ;MRA)」の2つが考案され、カテーテル法に変わり、この三次元血管撮影法が主流になりつつあります。
2、アンギオグラフィーの種類
上記で軽く紹介したように、アンギオグラフィーには大きく分けて「カテーテル血管造影法」と「三次元血管撮影法(CTA・MRA)」があります。それぞれ、検査法が異なるため、しっかりと理解しておきましょう。
■カテーテル血管造影法
血管の状態や流れを調べるために、腕や鼠径部などの動脈からカテーテルを挿入し、目的の血管まで通した後、造影剤を流し込んで撮影する技法です。適応部位は、脳、心臓、腹部、下肢と、ほぼ身体全体を網羅しており、血管の狭窄部位や腫瘍を栄養している血管を調べるのに用いられます。また、腫瘍を栄養している血管を塞栓したり、狭窄している血管を広げる治療も同時に行うことができます。
なお、目的部位ごとに「脳血管造影検査」、「冠動脈造影検査」、「腹部血管造影検査」、「下肢動脈造影検査」の4つがあり、適応疾患や穿刺部位などの違いによって区別されます。ただし、根本的な検査法はどれも大きな違いはありません。
①脳血管造影検査
肘動脈または股の付け根の大腿動脈からカテーテルを挿入し、頸動脈あたりで造影剤を流し込んでX線撮影を行い、血管の状態や流れを検査します。くも膜下出血、脳腫瘍、脳梗塞、脳出血、脳動脈瘤、脳動静脈奇形などさまざまな疾患の検査・治療を目的として行われます。 ②冠動脈造影検査 冠動脈にカテーテルを挿入し、造影剤を流し込んで狭心症や心筋梗塞など心疾患の原因となる血管の閉塞・狭窄を検査します。閉塞・狭窄している場所があれば、バルーンカテーテルを用いて膨らませたり、ステントと呼ばれる網目状の金属の筒を該当箇所に留置して血管を広げるといった治療も行われます。 ③腹部血管造影検査 主に足の付け根にある動脈にカテーテルを挿入し、肝臓や腎臓、胆嚢、腸などの臓器の血管の状態と流れを検査します。腹部大動脈瘤、腎動脈瘤、肝臓がん、腎臓がん、膵臓がん、など、さまざまな疾病の検査に用いられ、大動脈瘤に対してはステントの留意・コイルによる止血、がんに対しては抗がん剤の投与といった治療も行われます。 ④下肢動脈造影検査 下肢動脈造影検査では主に、閉塞性動脈硬化症が適応疾患であり、下肢動脈の閉塞・狭窄の有無を検査します。閉塞・狭窄がみつかった場合には、バルーンカテーテルやステントを用いて治療を行います。 |
■CT血管撮影法(CTA)
CTとは、身体の検査部位に対し、さまざまな角度からスリット状態にX線を照射し、それで得たデータをコンピュータで処理して、体のX線輪切り像を作る検査法です。従来は血管の詳細な情報を得ることができなかったものの、医療技術の発展に伴い、カテーテル法と同質の情報を持つ血管の画像を得ることができるCT血管撮影法(CTA)が登場しました。
CTAはカテーテルを用いることなく、静脈注射によって造影剤(ヨード)を流しこむことで検査ができるため、侵襲性が低く、合併症のリスクが大幅に減ったことで、医療設備が整っている病院では、カテーテル法ではなく、CTAが主流となっています。しかしながら、CTAでは治療を行うことができないため、治療が必要な際はカテーテル法が用いられます。
■MR血管撮像法(MRA)
MRIとアンギオグラフィーが組み合わさった検査法をMR血管撮像法(MRA)と言います。従来、MRIは脳や脊椎、膝、肩、子宮、卵巣などにおける、さまざまな疾病の早期発見を目的として行われていましたが、CTと同様、医療技術の発展に伴い、詳細な血管情報を得ることができるようになりました。
MRAにはガドリニウム造影剤が用いられ、CTAのヨード造影剤よりも取得画像のコントラストが強いため、より鮮明に血管情報を得ることができます。
2-1、カテーテル法と三次元血管撮影法の違い
上記でカテーテル法と三次元血管撮影法の特徴を記載しましたが、それぞれには「侵襲性」、「診断域」、「検査部位」「治療の実施」の4つの大きな違いがあります。
■侵襲性
カテーテル法は、カテーテルを動脈から挿入することで、血管を傷つける・破る、出血する、血栓が飛ぶなどの合併症のリスクが常につきまといます。それに対して、三次元血管撮影法(CTA・MRA)は動脈注射により、直接的に造影剤を血管内に流し込むため、血管を損傷させる危険性がありません。
■診断域
カテーテルによる造影法は、上部からのみの血管情報しか取得できません。それに対し、三次元血管撮影法は、①血管を様々な角度から見ることができる、②周囲の組織・臓器の位置関係の把握・評価が容易にできる、③血管壁の様子がわかる、など、3D撮影により色々な見方ができるため、病気の治療・手術のアプローチがしやすいという特徴があります。その反面、特にMRAは検査時間が長いなどの欠点も存在します。
■検査部位
カテーテル法は「脳」「心臓」「腹部」「下肢」と身体全体に適応されるのに対し、三次元血管撮影法は脳血管の検査を主とします。ただし、場合によっては心臓や腹部、下肢にも適応となるため、明確な相違点ではありませんが、カテーテル法は全身、三次元血管撮影法は脳と覚えておいても良いでしょう。
■治療の実施
カテーテル法は、バルーンカテーテルやステントを用いた治療が可能であるのに対し、三次元血管撮影法は検査のみしか行うことが出来ません。それゆえ、血管の閉塞・狭窄の検査とともに治療を行う際は、カテーテル法が用いられます。この点が、カテーテル法と三次元血管撮影法の大きな違いと言えるでしょう。
3、アンギオグラフィーの適応疾患
アンギオグラフィーは主に血管の閉塞・狭窄による疾病の判別のための検査であり、脳・心臓・腹部・下肢において、閉塞・狭窄が招くさまざまな疾病が検査・治療の適応となります。
脳 | 脳腫瘍、脳動脈瘤、くも膜下出血、脳出血、血管腫、血管閉塞、動脈硬化、脳動静脈奇形、硬膜内・外血腫など |
心臓 | 心筋梗塞、狭心症、冠動脈狭窄、先天性心疾患、心臓弁膜症、大動脈バイパス術後の評価など |
腹部 | がん(肝臓・胆嚢・胆管・膵臓・腎臓など)、肺梗塞、気管支疾患、縦隔腫瘍、肝腫瘍、肝硬変、門脈圧亢進症、膵腫瘍、腎臓・泌尿器系腫瘍、骨腫瘍、腹部大動脈瘤、消化管出血など |
下肢 | 閉塞性動脈硬化症、四肢血管狭窄など |
4、アンギオグラフィーの禁忌
アンギオグラフィーを行う際の禁忌は数多く存在し、その多くは造影剤との相性が大きく関係しています。副作用や合併症を未然に防ぐために、各検査における禁忌事項をしっかりと覚えておきましょう。
■絶対禁忌となる患者
カテーテル | CTA | MRA | |
ヨード過敏症の既往歴のある患者 | ○ | ○ | |
ガドリニウム過敏症の既往歴のある患者 | ○ | ||
重篤な甲状腺疾患のある患者 | ○ | ○ | |
ビグアナイド系経口血糖降下剤を服用している患者 | ○ | ○ | |
金属・電子機器を体内に留置している患者 | ○ |
※禁忌は○、禁忌でないものは空白で示しています。
■原則禁忌となる患者
カテーテル | CTA | MRA | |
一般状態が極度に悪い患者 | ○ | ○ | ○ |
気管支喘息のある患者 | ○ | ○ | ○ |
重篤な肝障害のある患者 | ○ | ○ | ○ |
重篤な腎障害(無尿など)のある患者 | ○ | ○ | ○ |
重篤な心障害のある患者 | ○ | ○ | ○ |
急性膵炎の患者 | ○ | ○ | ○ |
褐色細胞腫のある、または疑いのある患者 | ○ | ○ | ○ |
多発性骨髄腫のある患者 | ○ | ○ | ○ |
マクログロブミン血症の患者 | ○ | ○ | ○ |
テタニーのある患者 | ○ | ○ | ○ |
※禁忌は○、禁忌でないものは空白で示しています。
■慎重になるべき患者
カテーテル | CTA | MRA | |
薬物過敏症の既往歴のある患者 | ○ | ○ | ○ |
高血圧症の患者 | ○ | ○ | ○ |
動脈硬化のある患者 | ○ | ○ | ○ |
糖尿病の患者 | ○ | ○ | ○ |
脱水症状のある患者 | ○ | ○ | ○ |
甲状腺疾患のある患者 | ○ | ○ | ○ |
腎機能が低下している患者 | ○ | ○ | ○ |
肝機能が低下している患者 | ○ | ○ | ○ |
痙攣、てんかん、及びその素質のある患者 | ○ | ||
小児、妊産婦、高齢者 | ○ | ○ | ○ |
※禁忌は○、禁忌でないものは空白で示しています。
≪主な禁忌の解説≫
造影剤過敏症 | ヨード・ガドリニウムの造影剤アレルギーにより、副作用を起こすため |
重篤な甲状腺疾患 | 甲状腺機能に悪影響を与える可能性があるため |
気管支喘息 | 副作用の発生頻度が高いため |
重篤な腎障害 | 急性腎不全など、症状が悪化する恐れがあるため |
重篤な心障害 | 頻脈、不整脈、血圧低下など、症状が悪化する恐れがあるため |
重篤な肝障害 | 症状が悪化する恐れがあるため |
マクログロブミン血症 | 静脈性胆嚢造影剤で血液のゼラチン様変化をきたし、稀に死に至るケースがあるため |
多発性骨髄腫 | 脱水症状のある方は特に、腎不全を起こす恐れがあるため |
テタニー | 血液中のカルシウム濃度が低下することにより、症状が悪化する恐れがあるため |
褐色細胞腫 | 脈、不整脈、血圧上昇などの発作が起こる恐れがあるため |
5、アンギオグラフィーの主な合併症
医療技術の発展に伴い、現代のアンギオグラフィーは比較的安全ですが、特にカテーテル法においては血管にカテーテルを挿入することにより、血管損傷などの合併症の発症リスクが高い傾向にあります。また、侵襲を伴う検査であるため、発疹や吐き気、めまい、悪寒、咳など、さまざまな副作用も存在します。
■血管穿刺部からの出血
カテーテル法のみ、穿刺部から出血が起こることがあります。通常は少量の出血が短期間で収まりますが、場合によっては大量出血により、輸血が必要となることもあります。
■血管損傷
カテーテル法のみ、カテーテルを血管に沿って移動させる際に、血管を傷つける・破る、出血する、血栓が飛ぶなどの合併症が起こる場合があります。
■脳梗塞
カテーテル法のみ、脳血管造影検査において、カテーテル移動時に血管内部に血の塊が形成され、それが脳の血管に飛ぶことで、脳梗塞を発症する可能性があります。その結果、感覚障害や失語症、手足の痺れなど、さまざまな症状が発現し、場合によっては命に関わることもあります。
■腎機能障害
造影剤の使用により、腎機能の悪化を引き起こす場合があり、ヨード造影剤においては造影剤腎症、ガドリニウム造影剤においては腎性全身性硬化症などの発症リスクがあります。
■薬剤などによるショック
ヨードやガドリニウム造影剤にアレルギー反応を起こすことで、呼吸困難や血圧低下、蕁麻疹、潮紅など、さまざまな症状が出現することがあります。また、麻酔や抗生物質などの薬物ショックなど、各薬剤には合併症のリスクがあるため、既往歴がない場合には、投与以降、患者さんの状態を注意深く観察してください。
■感染症
穿刺時に細菌が侵入し、感染症を引き起こすことがあります。医療機関では、無菌操作によって検査を行いますが、現在の医療水準からは100%の無菌操作を行うのは不可能であるため、非常に稀ではあるものの、感染症の発症リスクも伴います。
■循環障害
カテーテル法は特に、検査後に穿刺部位を圧迫する必要があるため、これにより圧迫部位の抹消血液の流れが悪くなることで、循環障害を起こすことがあります。
■その他
他にもコレステロール塞栓症や肺塞栓症、神経麻痺、各種副作用など、さまざまな合併症が起こる可能性があり、軽度なものから重篤なものまで多岐に渡ります。それゆえ、検査時・検査後は特に、患者さんの状態を注意深く観察する必要があります。
■副作用
軽度 | 発疹、かゆみ、じんましん、発赤、吐き気、嘔吐、血圧低下、めまい、しびれ、咽頭浮腫、喉の違和感、舌の違和感、悪寒、熱感、咳、充血など |
重度 | 呼吸困難、意識障害、血圧低下(ショック)、痙攣、神経麻痺、血小板減少など |
6、アンギオグラフィーの検査手順
アンギオグラフィー(カテーテル法)を行う際の一般的な準備・手順は以下の通りです。なお、治療に際する手順は疾病によって異なるため、検査の準備・手順のみ記載します。
6-1、検査前の準備
|
6-2、検査の手順
①点滴による水分投与を行う
造影剤には利尿作用があり、それにより脱水の可能性があるため、脱水予防のために点滴による水分補給を行います。
②検査室(アンギオ室)へ移動する
アンギオ室へ移動する際は、安静保持のため車椅子もしくはストレッチャー(搬送用ベッド)を使用します。
③心電図・血圧計を装着する
アンギオ室に入ると、まず心電図と血圧計を装着し、5分ごとに測定します。検査中の異常に速やかに対処できるよう、患者の全身状態のチェックも怠ってはいけません。
④穿刺部位を消毒する
感染症の予防のために、脳・心臓・腹部・下肢における検査部位に応じて穿刺部位を決定し、消毒します。
⑤穿刺部位に局所麻酔を行う
カテーテル挿入による痛みが伴わないよう、穿刺部位に局所麻酔を行います。検査中、痛みがある場合には、都度、局所麻酔を行い、苦痛の排除に努めます。
⑥カテーテルを挿入する
まず、カテーテルより一回り大きいシースと呼ばれる管を挿入し、カテーテルを挿入します。脳、心臓、腹部、下肢など、ガイドワイヤーを用いて目的の位置までカテーテルを誘導していきます。
⑦体位を固定する
レントゲン撮影の準備として、撮影時の乱れを防ぐために体位の固定を行います。特に頭部の場合は、額をバンドなどで固定するなど、不動の状態を維持させます。
⑧レントゲン撮影を行う
体位固定の後、レントゲン撮影を行いますが、特に腹部の場合は呼吸により画像に乱れが生じてしまうため、撮影時には息を止めてもらいます。
⑨カテーテルを抜き取る
レントゲン撮影が終了したら、カテーテル、シースの順番に抜き取ります。この際、止血のために医師が10分~15分間、手で穿刺部分を圧迫します。
7、検査後の注意点
アンギオグラフィーを行った後、注意すべき点は副作用や合併症です。それゆえ、確実な止血、安静保持、移動制限、水分補給など、さまざまな事項に留意しなければいけません。
■穿刺部位を圧迫する
カテーテルの抜去直後に医師が穿刺部位を圧迫しますが、完全に止血するために、帰室した後、さらに4時間程度、穿刺部位を圧迫します。
■ベッド上で安静にする
大腿動脈穿刺の場合は特に、合併症・副作用の発症を防ぐために、検査後の安静保持が不可欠です。立ったり座ったりせず、4時間程度、仰臥位で安静状態を保持します。
■関節の屈折を控える
さらに、穿刺した腕や足の屈折にも注意が必要です。4時間程度、曲げないように、または動かなさないように安静状態を保持します。
■十分に水分補給を行う
造影剤の排出を促すために、十分に水分を摂るようにします。
8、検査後の看護のポイント
アンギオグラフィーは比較的安全な検査ですが、カテーテル法は特に副作用や合併症のリスクが高いため、バイタルサインなど患者さんの状態を注意深く観察し、異常時には迅速に対処できるよう準備しておく必要があります。
■バイタルサインの確認
血圧、脈拍、体温、呼吸状態など、バイタルサインを確認し検査前と比較。異常がある場合には注意しておき、継続するようであれば対処してください。
■副作用の有無の確認
発疹、かゆみ、吐き気、めまい、喉・舌の違和感、悪寒、咳など、副作用の有無を注意深く確認・観察します。多くは一過性であるものの、呼吸困難や意識障害など、重度の副作用出現時には、すぐに医師に報告し、処置を講じてください。
■合併症の有無の確認
副作用と共に、合併症の有無もしっかりと確認・観察してください。特に、穿刺部位の出血や血腫、皮膚状態を注意深く観察してください。
まとめ
アンギオグラフィー自体は、カテーテル法、三次元血管撮影法ともに、簡単に行える検査法であるものの、副作用や合併症のリスクは常につきまといます。それゆえ、看護師は患者さんの体調の変化や症状の発現に注意し、医師との連携のもと、速やかに対処できる体制を整えておかなければいけません。
アンギオグラフィーに関する深い知識・理解をもつことで、副作用・合併症の予防や苦痛の緩和など、患者さんの安楽を支援することができます。患者さんの負担を少しでも軽減できるよう、確かな知識・理解をもとに、看護を行っていきましょう。
1965年生まれ、静岡県静岡市在住。スタッフナース歴11年、看護師長歴2年。静岡県内の大学で教育を学び、卒業後は小学校教諭として勤務。後に看護師の道に目覚め、看護学校へ入学し、同県内の総合病院(循環器科)へ就職。現在はイベントナースやツアーナース、被災地へのボランティアなど、幅広い分野で活躍している。
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