外科の看護|外科の看護師が絶対に読んでおきたい21記事(2022/11/28)
外科では基本的にオペ後の看護が主な看護師の仕事になります。ただ、「オペ後の看護」と言っても、どの部位のどんな術式のオペかによって注意点や観察ポイントは異なりますし、オペ後の看護以外にも、様々な業務があります。
外科で働く看護師のために、必要な知識・技術を学べる記事をまとめました。現在、外科で働いている人も、これから外科で働きたいと思っている人も参考にして下さい。
1、外科全般の看護で必要な知識
まずは、外科全般で必要なことについてです。外科の患者は、基本的に手術目的で入院します。手術をすれば、すぐに病気が治り、数日のうちに退院できるケースも少なくありません。
ただ、早期退院できるのは、手術後の合併症が起こらなかった場合です。どんな簡単な手術でも、合併症が起こるリスクはあります。外科の看護師は、術後合併症について正しい知識を持ち、合併症を予防し、異常の早期発見につながる看護をしなければいけません。術後の合併症で多いのは、術後出血です。術後に出血が起こると、出血量によっては出血性ショックを起こし、死に至ることがあります。術後出血による出血性ショックの兆候はないかをしっかり観察して、早期発見に努めましょう。出血性ショックの看護のポイントは、出血性ショックの看護|観察のポイントと症状発現時の対処法を参考にしてください。
術後の合併症は、縫合不全もあります。縫合不全は消化器疾患の手術で起こることが多いですが、子宮筋腫など婦人科疾患の手術でも起こることがあります。縫合不全が起こると、感染を起こして敗血症を起こし、敗血症性ショックや多臓器不全に至るリスクがあります。
また、発見が遅れると、ドレーンを挿入したり、再手術をしなければいけないこともありますので、外科の看護師は縫合不全が起こるリスクを考慮して、観察する必要があります。縫合不全の看護は、縫合不全の看護|原因、予防、症状と看護計画(OP・TP・EP)、観察項目で詳しく説明しています。
開腹手術を行うと、癒着による術後イレウスが起こりやすくなりますので、注意が必要です。
術後イレウスは通常は開腹手術で起こる術後合併症ですが、開腹手術以外でも術後に麻痺性イレウスが起こることがありますので、消化器外科の看護師以外もイレウスについては学んでおきましょう。術後イレウスは、術後イレウス(腸閉塞)の看護|早期診断のための観察と発症患者への看護ケアを参考にしてください。
最近は、医療技術の発達で内視鏡手術が増えてきていますが、内視鏡手術後は皮下気腫の合併症が起こることがあります。呼吸器の手術ではなく、食道がんや大腸ポリープの内視鏡手術で皮下気腫が起こることがあるのです。皮下気腫については、皮下気腫の看護計画|皮下気腫を起こす原因・症状とその観察項目で原因や看護のポイントなどを詳しく解説しています。
また、外科の看護をするなら、麻酔についても勉強しなければいけません。手術の麻酔は、全身麻酔のほかに腰椎麻酔、硬膜外麻酔、局所麻酔があります。それぞれの特徴や副作用、術後の観察ポイントなどを押さえておきましょう。
硬膜外麻酔は手術時の麻酔としてだけでなく、術後のペインコントロールとして使われることもあります。硬膜外麻酔は、硬膜外麻酔(エピドラ)の看護|副作用・合併症における観察でまとめています。
2、消化器外科の看護で必要な知識
消化器外科では、がんの手術が多くなります。消化器外科で扱うがんには、胃がんや肝臓がん、大腸がん、直腸がんなどがあります。胃がんの看護は、胃がん患者への苦痛緩和・合併症対策における看護計画と終末期ケアで詳しく説明しています。
肝臓がんの看護は、肝臓癌を有する患者への看護計画と、術前・術後における管理・ケアや肝臓癌と共に考える膵臓癌患者への看護計画と看護ケアのポイント、黄疸症状を呈する成人および新生児患者の看護とケアにおける注意点を参考にしてください。
大腸がんの看護をするなら、大腸がんの看護計画|症状やステージとその看護過程・看護問題と一緒に、ストーマの看護のポイントを説明したストーマの看護計画|ストマの種類と看護目標・観察項目、看護ケアも読んでおきましょう。
直腸がんの看護は、直腸癌の看護|ステージ分類と術式、起こりやすい合併症や看護ケアと一緒に、最近の直腸がんの術式の主流である低位前方切除術について、低位前方切除術の看護|術後合併症や看護観察、看護計画で学んでおくと安心です。
消化器外科では、がん疾患のほかにも、胆管炎でのドレナージや胆嚢炎でのオペ、鼠経ヘルニアのオペなども頻繁に行われます。
胆管炎については胆管炎の看護|症状からみる治療法と胆管炎患者に対する看護計画で、胆嚢炎は胆嚢炎の看護|治療方針別にみる胆嚢炎患者への看護目標とケアで、鼠経ヘルニアは鼠経ヘルニアの看護計画|原因と症状、手術内容や看護観察項目で詳しくまとめています。
また、消化器外科の看護師は中心静脈栄養についても、正しい知識を持っておかないといけません。消化器外科では、術後は長期間NPOになる患者が多いので、中心静脈栄養で栄養管理をすることが多いのです。
また、在宅へ戻る予定の患者や抗がん剤等目的で、CVポートを増設することも多いので、中心静脈による栄養投与「IVH・CV・TPN」の管理と観察と合わせて、ポートの看護|造設手順や管理(穿刺)方法、看護計画も読んでおきましょう。
3、乳腺外科の看護で必要な知識
乳腺外科の看護師は、乳がんの看護の正しい知識を持っておかなくてはいけません。日本人女性が最も多く発症するがんが、乳がんなのです。乳がんは女性のシンボルとも言うべき乳房を切除しなければならないこともありますので、看護師は「がんを治す」というだけでなく、患者のボディイメージ変化や不安などを考慮して看護をおこなう必要があります。
乳がんの看護のポイントや看護計画は、乳がんの看護|術前・術後・終末期における乳がん患者への看護計画で詳しく説明しています。
4、呼吸器外科の看護で必要な知識
呼吸器外科の疾患で多いものは、やはりは肺がんです。肺がんは死亡率が高いがんであり、手術を行った後も、化学療法や放射線療法を行っていきます。肺がんの看護は、肺がん患者への看護計画(OP・TP・EP)と終末期におけるケアを確認しましょう。
また、呼吸器外科では気胸のオペをすることもあります。気胸の治療は胸腔ドレナージで行うことが多いですが、内視鏡や開胸手術で治療を行うことも珍しくありません。特に、内視鏡での手術は、体への侵襲が少ないので、広く行われています。気胸の看護は、気胸の看護|重症度に合わせた対処法と術後・入院生活のフォローを参考にしてください。
まとめ
外科の看護をする時に役立つ知識をまとめた記事21個をご紹介しました。
外科の看護は、オペ後に適切な看護をすることが最も重要ですが、オペ後の看護だけではなく、精神的なケアやターミナルケアが必要になることも多いので、適切な看護ができるように、幅広い知識・技術を身につけておきましょう。
愛知県名古屋市在住、看護師歴5年。愛知県内の総合病院(消化器外科)で日勤常勤として勤務する傍ら、ライター・ブロガーとしても活動中。写真を撮ることが趣味で、その腕前からアマチュア写真家としても活躍している。
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