内科の看護|内科で働くなら押さえておきたい疾患別の看護25記事(2022/11/22)
内科の看護は、とても幅広い知識や技術を要求されます。また、「内科」と言っても、消化器内科や腎臓内科、血液内科などの診療科があり、一般的な内科の幅広い知識・技術に加えて、診療科によって求められるスキルは異なります。
一般的に必要な内科の看護の知識、さらに診療科ごとに必要な内科の看護の知識をまとめました。内科で働く看護師さんは、ぜひ参考にしてください。
目次
1、一般的な内科看護で必要な知識
一般的な内科看護では、幅広い知識・技術が必要になります。内科では意識障害や頭痛、嘔気、倦怠感、めまい、食欲不振などの患者さんが多く、症状に応じた看護をしなければいけません。内科でよくある症状の中で、特に緊急性が高い症状は、意識障害だと思います。意識障害が症状として現れる内科疾患はたくさんありますが、意外と多いのが低血糖による意識障害です。
内科に入院している患者は、基礎疾患として糖尿病を持っている人が多く、糖尿病の治療薬を服用していたり、インスリン注射をしている人が少なくありません。
また、抗不整脈薬を服用している患者も、低血糖のリスクが高いので、内科で働く看護師は低血糖を起こした患者に適切な看護ができるようになる必要があります。低血糖の看護は、低血糖の看護|症状や看護観察、看護計画や対処法、予防法で詳しく説明しています。
貧血によるめまいや頭痛などを訴える患者も、内科では多いです。貧血の看護も内科で働く看護師は、しっかり押さえておかなくてはいけません。貧血の看護のポイントは、貧血症状を訴える患者の観察項目と看護計画・ケアのポイントを参考にしてください。
2、消化器内科での看護で必要な知識
内科の中でも消化器内科は、患者数も疾患の種類も多いので、専門的かつ幅広い知識が要求される診療科です。消化器内科の検査は、胃カメラやCF(大腸内視鏡検査)、EUS(超音波内視鏡検査)などがあります。それぞれの検査での看護のポイントは、消化器内科で働くなら知っておかなくてはいけません。
消化器内科の検査の看護は、胃カメラ検査の看護|検査前~検査後における看護ケアと観察項目やCF(大腸内視鏡検査)の看護手順と留意すべき観察項目、EUSの看護|超音波内視鏡検査の目的や方法、看護のポイントを学ぶで確認してください。
また、消化器内科では肝臓や膵臓、胆のう(肝・膵・胆)の疾患の患者が多いですので、それぞれの代表的な疾患の看護も学んでおくと良いでしょう。
肝臓の看護は、肝臓癌を有する患者への看護計画と、術前・術後における管理・ケアや肝硬変の看護計画|原因、症状、観察項目から見る看護過程、看護問題、黄疸症状を呈する成人および新生児患者の看護とケアにおける注意点を読んでみてください。
膵臓疾患の代表例は膵炎です。膵炎の看護のポイントは、急性・慢性膵炎における看護の注意点と適切な看護計画で詳しく説明しています
胆のう疾患は、胆石症と胆管炎は最低限押さえておきましょう。胆管炎の看護|症状からみる治療法と胆管炎患者に対する看護計画や胆石症患者への看護|術前・術後の看護計画と身体的・精神的ケアを読んでおけば大丈夫です。
3、腎臓内科での看護で必要な知識
近年は慢性腎臓病(CKD)の患者が増加していて、日本には1,330万人もの患者がいるとされています。慢性腎臓病が進行すれば、透析が必要になります。透析の看護は腎臓内科で働くなら、必ず必要になるスキルです。
人工透析に関しては、血液・腹膜透析の看護計画(観察・ケア)と透析科の仕事内容、血液透析|シャントの管理と観察項目(スリル・音の有無など)を読んでおくと良いでしょう。腎臓内科ではなく、透析室・透析クリニックで働く看護師も必見です。
また、急性期の腎臓内科では、急性腎不全の患者に行うCHDFによる治療もよく行われます。CHDFは腎臓内科だけでなく、ICUなど集中治療部門でも頻繁に行われる治療法です。CHDFが適応になる患者は、重症で適切な看護が必要ですので、CHDFの機器を目の前にしても慌てないように、透析「CHDF」の適応疾患と設定値、機器など異常時の対処法を読んでおきましょう。
腎臓内科では腎生検を行うことが多いので、腎生検の看護のポイントも、腎生検前後の看護|検査の目的と生検前後の看護ケア・観察項目を読んで勉強しておくと安心です。
4、血液内科での看護で必要な知識
主に血液のがんを扱う血液内科は、非常に専門性が高い診療科です。「血液のがん」と言っても、いろいろな種類があり、疾患によって、治療法や看護計画が異なります。
血液内科で働く看護師は、まずは次の4つの疾患の看護を学びましょう。
・白血病の看護|症状と看護過程における問題、看護計画とケアについて
・悪性リンパ腫の看護|症状や治療、看護過程、看護計画、観察項目やケア
・多発性骨髄腫の看護|症状と治療、看護目標、看護計画とケアのポイント
・骨髄異形成症候群の看護|治療や予後・生存率とその看護計画について
血液内科の患者は化学療法の副作用に苦しむだけでなく、予後に対する不安など精神的な苦痛も抱えています。また、長期入院をすることで、本人も家族も大きな負担を抱えていますので、患者の身体面だけではなく、精神面、社会面の看護が必要ですし、家族看護も重視しなければいけません。
5、神経内科での看護に必要な知識
神経内科では、神経難病の患者が多く入院しています。神経難病に分類される疾患は、似たような症状を示すものがありますが、疾患によって治療法や看護計画は異なります。また、同じ疾患でも患者1人1人症状や進行のスピードは違いますので、疾患についてそれぞれ正しく理解し、適切な看護を行っていかなければいけません。
神経内科の主な疾患とそれぞれの看護のポイントは、以下の記事にまとめています。
・筋ジストロフィーの看護計画|症状や看護問題、看護ポイント、看護研究
・ALS(筋萎縮性側索硬化症)|看護ケアのポイントと看護計画
・ギランバレー症候群の看護計画|原因・症状・治療と求められる5つの看護
神経内科の疾患は、予後不良のものが少なくありません。そのため、患者や家族の精神的なケアも神経内科の看護師の重要な仕事になります。
6、内科外来・クリニックでの看護に必要な知識
内科外来や内科クリニックでは、診断がついていない患者が毎日たくさん訪れます。診断がついていないということは、どのような病気が原因かがわからないということです。
もし、患者が感染症だったら、外来やクリニックを受診するほかの患者に、一気に感染を広げることになります。そのため、内科外来やクリニックでは、患者本人に適切な看護をするだけではなく、感染をほかの患者にも、看護師であるあなた自身にも広げないことを念頭に置いて、看護をする必要があります。
内科外来やクリニックで、感染を広げる可能性がある疾患の代表例は、インフルエンザやノロウイルスです。内科外来やクリニックで働く看護師は、インフルエンザと看護|感染予防と患者が発症した場合の対処やノロウイルスの看護|症状と潜伏期間に応じた看護計画とその対応を読んで、日々の業務に活かしましょう。
まとめ
内科の看護で必要な知識・技術についてまとめました。内科では幅広い知識・技術が求められますので、その職場で必要な勉強を少しずつでも続けていくようにしましょう。
内科の看護を深めていけば、外科・内科などの診療科問わず、どこの職場でも活かせるスキルを身につけることができるはずです。
1986年生まれ。北海道札幌市出身・在住。同市内の看護学校を卒業後、北海道大学病院の内科で2年勤務。その後、同市内の個人病院で6年間勤務し、結婚・出産を機に離職。現在は育児をしながら、看護師としての経験を生かし、WEBライターとして活動中。
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