クリニックでの看護師の仕事が人気なワケ|選ばれる3つのポイント(2018/06/22)
クリニックの看護師の仕事は、病院の外来での仕事に似ていて、なんとなく楽そうなイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。クリニックは転職先として選ばれる人気の仕事でもありますが、それには仕事内容や給料などの条件に選ばれる理由があります。詳しくみていきましょう。
1、クリニックでの看護師の仕事とは
引用:ひろせクリニック
クリニックの看護師の仕事内容は、診療の介助が主な仕事になります。クリニックは、病院のような入院施設がないので、診療の受付時間前に出勤して、診療の準備を行い、一般外来のように医師の指示のもとに、診療の介助と注射、検査、処置、与薬などの看護業務を行います。診療時間が終わると、後片付けや、翌日の準備、記録物のまとめという仕事もあります。勤務時間は、クリニックの診療時間にもよりますが、診療時間の前後1〜2時間前に出勤し、1〜2時間後に退勤するということが多いです。夕方で診療が終わるクリニックもありますが、美容外科や不妊治療などを行なっているクリニックは、一般の仕事が終わった後に受診できるように、やや遅めの時間まで診療しているというところもあります。その場合、夕方で診療が終わるクリニックは18時くらいには退勤としているところがありますが、夜まで診療を行なっているところは早番や遅番というようなシフト制で勤務することになります。診療の介助には、レントゲンなどの放射線技師の介助、手術介助も行うこともあります。クリニックの看護師は、他の施設で働いている看護師より楽そうなイメージですが、行う業務は多岐にわたっているのです。
クリニックは、医師が独立して開業するというものが多いため、オープニングスタッフとして働くこともできます。オープニングスタッフとなると、1からスタッフとともにクリニックを作り上げる楽しさがあるでしょう。また、パートの看護師にもクリニックの看護師は人気の仕事です。それは、短時間でも働きやすく、残業が少ないということがあります。
2、クリニックで働く看護師の給料事情
様々な仕事をこなすクリニックの看護師の給料事情はどうなのでしょう。クリニックで働く看護師は、常勤の看護師と非常勤(パート)の2種類の看護師がいます。常勤の看護師は、決められた出勤日数と勤務時間で、残業があることもあります。しかしその分、ボーナスもあります。手取りでの給料は病院勤務の看護師とほぼ変わらないかもしれませんが、夜勤がなく夜勤手当がないので、手取りは病院勤務よりも少ない可能性もあります。非常勤は時間給となるために、希望または決められた時間と日数勤務することで給料が支払われます。
常勤の給料は基本給があり、手当などがつくということは病院勤務の看護師と同じです。しかし、勤務する場所や診療科によって、基本給が異なります。例えば、一般内科で診療が日祝日は休み、夕方までの診療となると、病院勤務の看護師より基本給は低くなることがありますが、週休2日で休みの曜日は不定、勤務時間は早番遅番などシフト制で、手術介助がある美容外科では、病院勤務の看護師よりも基本給が高いということがあります。この給料の差は、仕事の複雑さと勤務時間の縛りの違いによって変化するといえます。これによって、クリニックで働く常勤の看護師の年収は300〜500万円とばらつきがあります。
非常勤(パート)は、時間給での勤務になりますが、一般的に、クリニックで働く看護師の時給の相場は1000〜1800円となっています。平均的には1400円前後が多くなっています。クリニックによって基本給や手当などが異なりますのでよく調べてみてください。
3、クリニックの看護師を選ぶ理由
クリニックの看護師の仕事は、夜勤がなく、患者さんとの関わりがその日その日となるということが特徴なので、なんとなく病院で働いている今よりは楽そうというイメージがあり、病院で勤める看護師が転職する先として選ぶ人気の仕事となっています。また、病院で働く看護師が仕事を辞めたいと思う理由には、人間関係があります。クリニックでも、もちろん他の看護師との関わりはありますが、病棟での看護師よりは人数が少ないこと、医師との関わりも病院とは違うということが、クリニックを選ぶ理由となっています。また、病院には看護師寮を完備しているところもありますが、最近はクリニックでも寮を備えているところもあります。クリニックで働きながらも、生活がしやすい寮があるのは、魅力の一つといえるでしょう。
パートやバイトとして選ぶ理由として、他の職種より時給が高いということがあります。クリニックは、時給が比較的高い割に、看護師としても働けて、残業がないので人気があります。このようにクリニックで働くのは、病院勤務の看護師よりも条件がいいように思われ、病院で働くよりも魅力的ではありますが、新卒や1年目の看護師はクリニックで働くことは難しいかもしれません。それは、クリニックでの業務は、様々な処置や検査、診療介助を行うので、ある程度の看護師としての経験や技術が必要なのです。
4、クリニックに就職するためには?
クリニックでの就職でも、病院のように面接などがあります。もちろん、面接にはきちんとした就職活動用の服装で行くようにし、普段着で行ってはいけません。大きな病院のような就職試験はないことがありますが、面接は必ずあり、志望動機や雇用条件を示し合わせる場としては不可欠なものです。面接の前には事前に必要事項を履歴書に書いて提出し、その履歴書を元に面接が行われます。そのため、病院を辞めてクリニックへの就職を希望するなら、楽そう、簡単そうというような志望動機は隠しておくようにし、クリニックでどのような仕事をしたいのかということを志望動機として記入するといいでしょう。面接時にも、志望動機を聞かれることがあるので、自分の言葉で言えるようにまとめておくようにしましょう。
5、まとめ
クリニックで働く看護師は、夜勤がなく、人間関係も悪くないようなイメージで、病院で働くよりも楽そうなイメージがありますが、クリニックで行う看護業務は外来の診療介助業務以外にもあり、責任がある仕事なのです。しかし、病棟での仕事や人間関係とは異なる状況にはなるため、気分一新で仕事をしたい時には合うものかもしれません。そして、パートやバイトとしても時給が比較的高く、働く時間も自由にできることが多いため、人気があるのです。クリニックでの仕事は決して楽ではないかもしれませんが、条件が合えば働きやすい環境といえるでしょう。
1986年生まれ。北海道札幌市出身・在住。同市内の看護学校を卒業後、北海道大学病院の内科で2年勤務。その後、同市内の個人病院で6年間勤務し、結婚・出産を機に離職。現在は育児をしながら、看護師としての経験を生かし、WEBライターとして活動中。
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