3分でわかる!看護師の仕事内容を徹底解説

看護師の仕事内容

1.病院

1-1 外来で働く看護師の仕事とは?

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一般の人がケガをしたり、何か身体に異常を感じたりしたときにまず訪れるのが、「外来」です。治療が必要かどうかの診断をし、必要があれば今後の治療方針を判断するという場所です。

そこで診察をするのは医師ですが、診察がスムーズにいくように介助するのが看護師の重要な仕事のひとつになります。例えば、診察前には診察室を整え必要物品の点検をし、 診察が始まったら、患者さんをベッドに寝かせて、血圧等を測ったり、診療器具や包帯、消毒など必要なものを用意したりします。 予約診療の場合は、事前にその日の検査や治療内容によって、使用する注射などを準備しておきます。

中には、治療の必要の無い人もいますが、緊急な処置が必要であったり、入院が必要になったりする場合もあるので、様々なケースに迅速に対応することが求められます。事前に病棟の空床状況を把握しておくことはもちろんですが、入院が決まった患者さんの状況を病棟スタッフに申し送りすることも重要な仕事となります。

また、帰宅する患者さんには今後の治療方針を理解してもらい、服薬や食事、運動のことなどをわかりやすいように説明する必要があるため、高いコミュニケーションスキルも必要です。

一日の診察が終わったら、診察台のシーツ交換や使用物品の片付けなどをして、診察室を整えます。

救急指定病院では、24時間体制での受け入れがあるので、夜勤があります。2交代制の病院が多いですが、その場合は夕方から翌日朝までの勤務となります。

このように、外来で働く看護師の仕事はとても幅広く、気力も体力も必要ですが、病院の顔として重要な役割を担っています。

 

1-2 病棟で働く看護師の仕事とは?

病棟

病棟は、24時間に渡って入院している患者さんをケアする臨床医療の場です。

外来などとは違って、患者さんに対するより深い理解と信頼が必要になってきます。病状はもちろんのこと、患者さん一人一人の性格や背景、家族の方の意向などを把握することは、適切なケアをするのに欠かせません。また、医師やチームとの連携が重要ですので、高いコミュニケーション能力が求められます。

日中は、医師からの指示で検査を行うことが多々あります。その際は患者さんの移動や食事指導、投薬、剃毛や浣腸など必要な準備を行います。不安を感じている患者さんの精神的ケアも忘れてはいけません。ほかにも、注射や点滴、ガーゼ交換などの医療処置をはじめ、カルテ記入、ベッドサイドケア、身体の清拭など実際の仕事は多岐に渡ります。

夜間にも仕事はあります。検温や食事介助、投薬、注射、点滴など一人一人に必要なケアから、就寝後の病室の見回り、点滴や呼吸器、心電図モニターの確認など常に気を配る必要があります。急変の患者さんがでたり、緊急入院や手術が入れば迅速に対応しなくてはなりません。これら日中と夜間の仕事は、2交代もしくは、3交代で24時間体制で引き継ぎます。

このように、病棟看護師は休む間もなくめまぐるしい毎日ですが、チームでの連携を大切にし、患者さんにとって、少しでも過ごしやすく、治療が円滑に進む環境を整えるという重要な仕事です。

 

1-3 オペ室で働く看護師の仕事とは?

オペ室

 

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オペ室とは手術をするところですが、そこでの看護師の大きな役割は手術の介助です。1件の手術が円滑に進むように、医療チームの一員として適切に動く必要があります。

介助内容としては、“直接介助”と“間接介助”の2つに分かれます。“直接介助”では、手術中に執刀医の近くで、手術で必要なメスなどの医療器械等を渡したりし、“間接介助”では医師の指示に合わせ投薬をしたり、ライトを合わせるなど環境を整えたり、術中の記録を書いたりします。

また、手術終了直前になると、介助と同時に使用物品の後片付けを始めます。これは、使用物品やガーゼの数を数え、全てがそろっていることを確認することで、患者さんの体内に置き忘れることがないようにする為の、重要な作業となります。

手術が終了したら、患者さんをオペ室から移動するときに、ICUまたは病棟の看護師に手術中の経過を申し送りをし、残りの後片付けと清掃を行います。

更にこうした介助だけでなく、手術前には、患者さんの情報収集も行います。病気の状態や既往歴から、年齢、性別、性格、アレルギーの有無等を確認した上で、「術中看護計画」をたて、看護師としてどのようなケアを行うのかを考えます。

また、手術を受ける患者さんには、事前に手術や当日の流れについて説明し、会話をすることで少しでも患者さんの不安を取り除くことに努めます。

他にも、手術のないときは中央材料室の仕事があり、院内で使われる医療器具の消毒や、ガーゼ等の滅菌材料の補充をしたりします。

手術は、事前に予定されているものばかりでなく、緊急に入ることもあります。よって手術室看護師は、いつでもどんなケースでも対応出来るように、幅広い知識と高いスキルが必要とされています。

 

1-4 ICU/NICUで働く看護師の仕事とは?

ICU

ICUやNICUでは、手術直後や重篤の患者さんを集中的に治療するために、24時間体制で継続的にケアをしています。常に張りつめた空気を感じながらケアに当たるので、精神的にもタフでいなければなりません。

またICUやNICUには様々なケースで収容された患者さんがいるので、働く看護師には、幅広い知識や高いスキルが求められます。基本的には、24時間体制での集中的な治療介助、観察、患者さんの生命維持を支えることが主な使命です。

特に、他の科と違い短時間に多くの医療スタッフが治療にあたるので、スタッフ間での連携や情報共有を緊密に行っておく必要があります。また、重篤であったり急性期であったりする患者さんは、意思の疎通が取れない場合が多いですが、患者さんにとって快適な環境を整えること、また観察をしっかり行い、少しの変化も見逃さないことも大切な仕事です。

更に、呼吸器や心電図など、生命を維持管理するために多くの医療器械や機材を使用するので、それらに対する正確な知識が求められます。定期的に勉強会が行われるので、徐々にスキルアップするのを感じられるでしょう。

他にも、面会を制限されている家族は不安も大きくなるので、特に乳幼児を対象としているNICUでは、家族へ対してもきちんとしたケアが必要です。

患者さんの状態が短時間で変化することも多く、常に高い緊張感のある部署と言えますが、患者さんが回復する姿を見た時の充実感はとても深く、大きいやりがいを感じながら働いている看護師が多いのも事実です。

 

2.クリニック

クリニックで働く看護師の仕事とは?

クリニック

クリニックでは、外来診療が中心となることが多いので、看護師の業務も診療介助が中心となります。

具体的には、患者さんへの問診、バイタル測定、採血、検査、必要があれば点滴処置や注射などになります。クリニックによってはレントゲンの現像や心電図の測定も加わります。その他に、医療器具の消毒や洗浄から、清掃、ベッドの整備、備品管理など幅広くこなさなければならない場合が多いです。小規模なクリニックでは、会計や電話応対などの受付業務まで行うところもあります。

クリニックというと、落ち着いた雰囲気の中でゆったり働けるとうイメージを描く方も多いですが、看護師の業務はこのように多岐にわたるので、テキパキと動く必要があります。

また、訪れる患者さんは地域の方が中心で、口コミの力も大きいので、地元から愛されるクリニックになれるかどうかは、医師の力もさることながら、クリニックの顔となる看護師にかかっているといっても過言ではありません。そうした面からも、看護師には技術面はもちろん、コミュニケーション能力も高いスキルが求められます。

とはいえ、パートタイムで働くことも可能なので、空いた時間を有効に使って、尚かつ看護師としての経験を積みたいかたには人気の職場でもあります。医師や同僚との距離も近いので、アットホームな環境で働けるのも魅力のようです。

 

3.有料老人ホーム

有料老人ホームで働く看護師の仕事とは?

有料老人ホーム

年々ニーズの高まってきている、老人ホームですが、介護施設であると同時に適切な健康管理を提供する施設でもあります。入所している方は、高齢者のため、体調面でもきめ細やかなケアが必要です。そこで、看護師が常駐することで安心して生活を送ってもらえるのです。実際に、看護が行う仕事は、バイタルチェックから始まり、服用薬の管理、投薬、経管栄養、床ずれなどの褥瘡や皮膚トラブルの処置、また急変した時には緊急度を判断し適切に処置をします。誤嚥や転倒など、思わぬトラブルが起きやすい環境であっても、医師が常駐している訳ではないので、幅広い経験と高い判断力が必要になります。

また、高齢者の方々が日々、健康について不安無く過ごせるように介護士の方と連携し、一人一人の様子を把握しておくことが大切です。また、病院ではないので、利用者の中には治療を必要とする方はいませんが、精神的に安定していない方も多いので、接する時にも工夫するなど柔軟に対応する力が求められます。

このように病院とは違った配慮は必要ですが、基本的には、急を要するような状態の方はいないので、病院やクリニックなどのような慌ただしさはありません。ゆったりとした雰囲気の中で、一人一人に向き合った看護がしたい方には人気の職場です。

 

4.保育園

保育園で働く看護師の仕事とは?

保育園

保育園に看護師?と思う方もいるかもしれませんが、子供たちが安心して過ごせるように、保育園にも看護師がいます。

特に、保育園は幼稚園と違い、0歳児から預かっているので、看護師の存在は心強いものです。

主な仕事内容は、園児の健康管理、服薬管理、ケガや病気など不足の事態への対応、健康指導、保健だよりの作成、健康診断時の介助、また必要があれば保護者への健康相談まで、園児の健康に関することであれば随時幅広く対応します。緊急の場合には、病院に連れて行き、医師の診断を受けさせますが、看護師としての経験や判断が求められます。

子供たちはまだ自分の不調を言葉にできず、急に体調不良になったりするので、様子を常に観察し、何かあれば早めに気づくことが大切です。なので、時間がある時には各部屋を回ったり、園児とふれあったりといったことも必要です。

実際には、看護師業務だけでなく、保育補助や園内業務なども多く行う保育園もあるようです。そうした中で普段から、保育士たちとコミュニケーションをとっておくことが、いざという時の迅速な対応につながるので、人間関係も円滑にしておくことが重要です。

 

5.企業

企業で働く看護師の仕事とは?

企業

現在看護師の活躍の場は、病院だけにとどまらず、保育園や老人ホームの他にも一般企業で働く看護師もいます。

なかなかイメージしにくいですが、大きく分けて、一般企業で社員の健康管理を行う産業看護師、治験の業界で働く治験コーディネーターや臨床開発モニター、そして製薬会社や医療機器メーカーで自社製品のPRや使用方法をレクチャーするテクニカルコーディネーターといった3つの職種にわけられます。

産業看護師は、社員の方の定期健診を行い、問題がある方の健康相談や健康指導を行うことで健康管理をする仕事です。最近よく聞く、「メタボリックシンドローム」などの生活習慣病の予防や、うつ病、パニック障害といったメンタルヘルスケアの面でも産業看護師は重要な存在となっています。

次に治験ですが、製薬会社などで新しく開発した医薬品が安全性や有効性を確認する臨床試験を行う上で、その管理や調整をするのがコーディネーターや臨床開発モニターの仕事です。治験をスムーズに行う為に、医学、薬学的知識や、高いコミュニケーション能力が求められます。

最後に医療機器メーカーや製薬会社で働くクリニカルコーディネーターですが、フィールドナースと呼ばれることもあります。メーカーで自社製品のPRを行ったり、病院に製品を納品する際に看護師などに使い方を説明するのが主な仕事です。看護師という立場からレクチャーできるので、病院の看護師からは頼りにされる存在です。こうした企業には外資系も多いので、語学力を磨くことで、活躍の場を広げることも可能です。

 

6.診療科

6-1 整形外科で働く看護師の仕事とは?

整形外科

数ある診療科の中でも、特に患者さんの数が多いと言われているのが整形外科です。

運動器官に関わる全ての組織を対象としているので、老若男女様々な患者さんがいますが、一番多いのが高齢者の患者さんです。骨や筋肉の衰えから、ちょっとしたことでも痛めたり、骨折につながったりしてしまうからです。

したがって、整形外科の看護師は、幅広い年齢層の様々なケースの患者さんに対応する必要があります。中には、自力で歩くことのできない患者さんも多くいるので、女性看護師でも男性患者さんの身体を支えるなど、力仕事も多く、体力勝負的なところもあります。

地域のクリニックであれば、手術や入院等もないので、比較的落ち着いた環境で働くことができますが、総合病院などの大規模病院では、大けがで搬送されてきて手術が必要な患者さんも少なくないので、緊迫する場面も多々あります。もちろん入院する患者さんもいますので、一般病棟と同じように、バイタルチェックや検査、点滴、採血、投薬などの医療処置などの仕事があります。

またそれ以外に、ギプス固定や包帯の交換、牽引療法の管理など、整形外科ならではの仕事もあります。

当然、自分で動けない患者さんが多いので、力仕事以外に精神的安ケアも大切になりますが、患者さんが回復していく姿を目で見ることができるので、仕事に対するモチベーションを高く保っている看護師が多いようです。

 

6-2 産婦人科で働く看護師の仕事とは?

産婦人科

産婦人科というと、新たな命の誕生の場というイメージが強いですが、他にも、女性特有の疾患を治療する婦人科という要素も併せ持っており、看護師には女性の身体に対する知識はもちろんのこと、経験と技術、幅広い対応力が求められます。

また、出産の喜びに溢れた患者さんの一方で、不妊に悩む患者さんもいたり、流産などで悲しい思いをしたりしている患者さんもいますので、患者さんの立場に立ち、きめ細かな配慮をする必要もあります。

産婦人科には、緊急時にも対応できる大規模病院から、入院施設の無いクリニックまで様々な形態があり、実際の仕事内容も大きく変わってきます。

内診に立ち会うことから、血液検査や血圧の測定、尿検査や服薬指導などが主な内容ですが、妊婦に対してはNSTという検査でその都度、異常がないかどうかを観察したり、何かあれば医師へ報告し応急処置などを施します。基本的に出産はいつ始まるかわからないので、24時間のサポート体制がしかれています。

出産後には、母子の体調管理から、沐浴指導、授乳介助やおむつ交換といった新生児に対してのケアもあります。新生児に問題がある場合は、小児科と連携する必要もあります。

看護師の資格では直接出産に関わることができませんが、助産師の資格を取りスキルアップすることもできます。

 

6-3 眼科で働く看護師の仕事とは?

眼科

高齢化に伴い、年々患者さんが増えているのが眼科です。また、若い人の間でも、レーシック手術などの視力矯正手術を受ける人が多くなっており、そのような手術を行う眼科が増えています。

眼の疾患は多様で、看護師の仕事も、視力検査などの医療器械を操作する作業から、手術の補助といった大きなものまで幅広くあります。

年齢や性別を問わず多くの患者さんが訪れ、検査等は看護師が担当することが多いので患者さんとのコミュニケーションをうまくとる必要もあります。また、眼の疾患は大きなストレスにつながったり、QOLにも大きく関わるので、患者さんの不安に対するケアも忘れてはなりません。

実際の仕事内容は、クリニックか病棟か外来かによっても大きく違いますが、病棟では手術が一日に数件と、多いのが特徴になります。術前の患者さんへの説明や指導、術前処置、オペ出し、術後処置およびケア等といった業務が多くなります。30分〜1時間の手術が多く入院期間も短いので、手術の対応が主な業務になります。

また、クリニックや外来の場合は、検査業務が中心となります。視力検査から眼圧検査、オートレフを用いた検査まで、眼科では独特の機器を使った検査が多いので、取り扱い技能を十分に習得する必要があります。

採血や注射といった看護師の通常業務のイメージとは違いますが、眼の見えない患者さんの立場に立ち、少しでもストレスが軽減されるように、日常生活に対して細やかな気配りをすることが大切です。

 

6-4 透析で働く看護師の仕事とは?

透析

 

【透析の看護まとめ】血液/腹膜、研究、患者、観察、認定看護師

日勤中心で働けることから人気のある透析看護師ですが、特別な準備が必要であったり専門的な知識やスキルが求められる分野でもあります。

また、人工透析を受ける患者さんは、ほぼ永久的に受け続けなければならないので、精神的な苦痛を和らげたり、セルフケアの相談に乗ったりといった幅広い面から見たケアが必要です。

主な仕事内容は、プライミングという透析機械の準備から始まります。それから患者さんを透析室へ誘導し、説明をします。またその間に患者さんの体調について質問したり、観察を行ったりします。準備が整えば、透析を開始し、看護師は、医療機器の操作、穿刺、抜針、止血等を行います。人工透析中は、患者さんのバイタルなど常に状態をチェックし、急変があれば迅速に対応します。透析中に食事提供を行っている施設であれば、食事のケアも行います。終了後はシーツ交換や申し送りをし、記録情報をチェックします。

決まったルーティンの中での仕事が多いですが、一番求められるのはやはり患者さんが安心して、苦痛無く透析を受けられる環境を提供することです。患者さんのストレスが少しでも軽減されるように、患者さんに寄り添ったケアを心がける必要があります。

また、透析看護認定看護師や透析療法指導師、透析認定師といった専門資格を取得する看護師も多く、透析看護のプロフェッショナルとして、スキルアップも臨めます。