看護師の派遣と単発バイトの4つのメリットとデメリット(2018/07/21)
看護師の働き方として、最近選ばれているものに派遣で働く看護師や単発のアルバイトでの看護師というものがあります。看護師の働き方としてあまり聞きなれない派遣やバイトはどのようなもので、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。派遣看護師と単発バイト看護師についてご紹介します。
目次
1、派遣の看護師という働き方
看護師の派遣での働き方は、一般的な派遣社員と同様で、派遣先が病院や外来の他、保育園や有料老人ホーム、デイサービスや検診センターなどの施設となります。仕事の内容は、その場所で働く常勤の看護師とほぼ同じ内容になりますが、雇用条件が異なります。派遣の看護師は、看護師の派遣を行なっている派遣会社からの紹介での雇用になり、派遣会社との契約になります。そして、一般的な派遣会社の派遣社員と同じように、契約期間が数ヶ月から年単位で設定されており、短期から長期の契約での仕事となります。そのため、病院などの派遣先での雇用条件の交渉は派遣会社が行い、直接派遣先とのやりとりは行いません。派遣の看護師として働く人の中には短期間働き、契約が終わると旅行などの趣味の時間にして、また短期間働くというライフスタイルを送っている人もいます。
引用:社会福祉法人訓子福祉会
2、単発のバイト看護師とは
単発バイトでの看護師は、派遣の看護師とは違って長期間同じ場所で働くわけではなく、1日や半日、または何日間か連続での仕事になります。単発のバイトには、コンサートなどでの救護室での仕事であるイベントナースや、会社や学校などの旅行に添乗するツアーナースがあります。他に、病院で働く夜勤専従のバイトもあります。夜勤専従の場合は、その病院との契約で長期間働くこともできます。単発のバイトを選ぶ人には、ダブルワークとして仕事をしているということの他に、いろいろな単発のバイトやパートでの仕事を行なって生活しているという看護師もいます。
詳しい仕事内容は、こちらで確認してください。
3、人気・おすすめの単発バイト
単発のバイトでおすすめなのは、イベントナースやツアーナースです。イベントナースは、コンサートや大きなイベントでの救護室での仕事になりますが、イベントの裏側や、様々な職業の人と関われる仕事なので、病院ではできないような経験ができます。また、ツアーナースは、旅行気分で仕事ができるので、旅行好きな人にはおすすめです。単発の看護師の仕事は常勤で働きながらもすることができるので、休みの日にするバイトでも気分転換にもなるかもしれません。どちらも、病院の看護とは全く違う場所での仕事なので、楽しく働くことができるでしょう。他には夜勤専従の仕事もあります。昼の時間を有効に使いたいという人にはおすすめの仕事です。夜勤専従の仕事は主に病院の病棟での夜勤や、救急外来での仕事があります。
4、派遣や単発に看護師として働く志望動機とは
最近は、常勤ではなく派遣看護師や単発のバイトを仕事として選んで行なっている看護師が増えています。その志望動機は、長期間病院看護師として働き人間関係などで心も体も疲れ、長期ではなく短期間で働きたいからということがあります。長期間、同じ場所で働くと、看護業務の他に人間関係の煩わしさが出てくるものです。しかし、短期間での仕事なら、人間関係が深くなる前に終了することができるので、このようなストレスが少なくなる可能性があります。また、短期間で働いて契約が終わったら旅行など趣味でリフレッシュし、再び派遣で短期間の仕事をするというライフスタイルをしている人もいます。他には、単純にお金が欲しいという動機で、常勤をしながら単発でバイトをしているという人もいます。働くときには志望動機を履歴書に書かなくてはなりませんが、どんな志望動機でも正直に書いて良いことと、良くないことがあります。履歴書を書くときはマナーもありますのでよく調べてから書くようにしましょう。
5、派遣看護師・単発バイト看護師として働くメリットとデメリット
楽しそう、病院の仕事より楽そうな派遣看護師や単発のバイト看護師として働くには、メリットとデメリットがあります。メリットとデメリットそれぞれについて、詳しくみていきます。
5−1、派遣看護師・単発バイト看護師のメリット
①ダブルワークができる
常勤として働きながら、休日に単発のバイトをすることができます。単発でのバイトには、いろいろな種類の仕事があり、病院とは違う内容の仕事があるので、リフレッシュとしても良い機会になります。
②高時給である
看護師のバイトや派遣は、他の職種と比べて時給が高いものが多いので、短期間でも、短時間でも良い給料となります。また、日払いでの仕事もあるため、すぐに現金が欲しい時などに役立てることができます。
③人間関係が煩わしくない
看護師は女性が多く、人間関係の問題はよくありますが、派遣や単発のバイトでは短期間で職員と関わるため、長期間関わるためにできるような人間関係の煩わしさはないでしょう。
④いろいろな場所で仕事ができる
派遣でも単発のバイトでも、働く場所は様々です。同じ場所で長く働くことはなく、行ったことがない場所で仕事をすることも多くなります。特に派遣看護師では、看護師の数が少ない地方での仕事もあり、リゾート地で仕事をすることも可能です。
5−2、派遣看護師・単発バイト看護師のデメリット
①社会保険がない
派遣や単発のバイトだけを仕事としている場合、長期間同じ場所で働くわけではないので、その働き先では社会保険に加入はできません。もし、単発でも同じ場所で月に決められた日数働くなら社会保険に加入できる場合はありますが、それは特例であることが多いのです。もし、本業で長期間働いている場所がなければ、社会保険のうち健康保険は国民健康保険に加入することになり、国民年金は自分で手続きを行う必要があります。
②医療行為がない
派遣や単発のバイトの仕事だと、病院以外で働くことが多く、一般的な看護師の仕事としての医療行為をすることができないこともあります。病院への派遣なら医療行為はありますが、常勤ではないので、任される仕事は雑用となることもあります。看護師らしく医療行為をしたい場合は、病院で働かなければならないでしょう。また、ツアーナースやイベントナース、施設での仕事は、看護師が1人または2人程度なため、医療的な判断が必要になります。病院での看護業務より楽なイメージがありますが、状況によっては大変なこともあるのです。
③ボーナスがない
派遣看護師や単発バイトの看護師にはボーナスがありません。特例として、何年間かの契約で働く派遣看護師にはボーナスがあることもあります。
④本業に支障が出ることもある
常勤をしながらバイトを行う場合、疲労などで本業に支障が出ることもあります。バイトをするときは、ほどほどにする必要があります。また、バイトを認めていない医療機関もあるので、本業の決まりを確認する必要があります。
まとめ
看護師の仕事には病院や施設で常勤として働くこと以外にも、派遣やバイトという選択肢があります。派遣やバイトの看護師は楽しそうでメリットが多いようなイメージですが、反面デメリットもあるので、ライフスタイルとメリット、そしてデメリットを比べて選ぶようにすると良いでしょう。本業とのダブルワークで行う場合は、本業の施設の決まりを確認して行うようにしてくださいね。
東京都在住、正看護師。自身が幼少期にアトピー体質だったこともあり、看護学生の頃から皮膚科への就職を熱願。看護学校を経て、看護師国家資格取得後に都内の皮膚科クリニックへ就職。ネット上に間違った情報が散見することに疑問を感じ、現在は同クリニックで働きながら、正しい情報を広めるべく、ライターとしても活動している。
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