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骨髄穿刺(マルク)|検査後の看護と観察のポイント(2016/04/05)

公開日: : 最終更新日:2017/12/09 看護用語 千葉県 脳神経外科 

骨髄穿刺(マルク)

骨盤穿刺(マルク)で起こりうる合併症の多くが軽度なものですが、手技に伴う重篤な合併症の発症も毎年いくつか報告されているため、検査中・検査後には入念な観察が必要不可欠です。

 

1、骨髄穿刺(マルク)とは

骨盤穿刺(マルク)とは骨髄を穿刺し、骨髄内の血液を採取する検査のことです。骨髄では赤血球・白血球・血小板などを生成する場所であるため、骨髄内の血液を検査することで血球の異常に伴うさまざまな疾患を特定することができます。

白血病悪性リンパ腫多発性骨髄腫などの血液疾患に対しては診断のためだけでなく、治療効果や病気の広がりを確認する目的でも骨髄穿刺が行われます。

 

2、骨髄穿刺の合併症

起こりうる軽度な合併症としては、「検査部位の出血・疼痛の持続」「血腫の形成」「麻酔薬によるアレルギー反応」などがありますが、どれも迅速に対処すれば重篤化には至りません。

しかしながら、「神経の損傷」「感染症」など重篤化しやすい合併症も存在します。神経の損傷は全身あるいは下肢の麻痺をきたし、しびれや感覚の麻痺、歩行障害などが一時的に発生することがあり、程度によっては長期化することもあります。

また、感染症においては穿刺部位周辺の皮膚感染や、穿刺部位からの細菌の侵入による体内感染などが起こることがあり、この場合には発熱や局部の疼痛などを呈します。

さらに、血液・体液喪失に伴うショック症状、抹消冷感、チアノーゼなどの症状が発現することもあるため、検査後の注意深い観察は必要不可欠です。

 

3、検査後の観察項目・看護

骨髄穿刺における重篤な合併症の発症率は限りなく低いものの、検査のストレス・疼痛に伴う発熱や倦怠感といった軽度なものは多発します。

また、検査後には体動制限や飲食制限などさまざまな制限があるため、患者の状態を綿密に観察するとともに、制限に対する指導・管理も忘れてはいけません。

 

①バイタルサイン

バイタルサインを測定、一般状態を観察します。検査前と比べて何かしらの異常がある際には注意深く観察を行ってください。

 

②合併症の有無

骨髄穿刺の合併症には、「検査部位の出血・疼痛の持続」「血腫の形成」「麻酔薬によるアレルギー反応」「神経の損傷」「感染症」「血液・体液損失に伴うショック症状」「抹消冷感」「チアノーゼ」などがあります。検査後すぐに発現する場合や数時間後に発現する場合など、合併症の種類や患者の体調・疾患などによって異なりますので、何かしらの症状が発現した際には注意深く観察を行い、増悪するようなら担当医に報告してください。

 

③安静保持・活動制限

検査後は安静保持が原則です。体を動かすことで(特に穿刺部位)、出血したり体液が体外へ流れ出ることがあるため、検査後1時間は仰向けで安静を保持し、止血のために穿刺部位を圧迫するよう指導してください。

トイレに行きたい場合には患者1人で行かないよう指導し、トイレへは車椅子を用いて看護師が移動の介助を行ってください。また、検査当日は出血や感染症の発症が懸念されるため、シャワー浴入浴を控えるよう指導してください。

 

④飲食制限

出血の可能性があるため、検査当日は飲酒や刺激物の強い食べ物を摂取しないよう指導してください。

 

⑤消毒の実施

入院時には看護師が穿刺部の消毒を行いますが、検査当日に退院する場合は患者本人が消毒を行わなければいけません。それゆえ、検査後~2日程度は消毒し、絆創膏などを貼付するようしっかり指導してください。また、出血が止まらない場合や発赤・腫脹・疼痛がある場合には、連絡または来院する旨を伝えてください。

 

まとめ

骨髄穿刺は、骨髄内の血液や組織の正常の観察・測定、検体採取による原因疾患の病理学的・組織学的診断のために行われ、約30分程度で終わる簡易な検査ですが、軽度な合併症の発症率はそれほど低くはありません。しかしながら、穿刺に伴う骨折や出血・感染症などによる死亡例も報告されています。

また、軽度なものでも重篤化することも稀にありますので、検査後は必ず綿密な観察・指導を行い、症状の早期発見や二次的合併症の予防に努めてください。

高田典明 看護師

東京都出身、千葉県在住。高校卒業後、一般企業に就職。父が脳梗塞で倒れたのをキッカケに、脳血管障害を有する人の治療に携わりたいと思うようになり、看護師の道を志す。看護学校へ入学、看護師国家試験に合格の後、千葉県内の市立病院(脳神経外科)に就職。父の介護が必要になったことで5年の勤務を経て離職。現在は介護の傍ら、ライターとして活動中。同時に、介護の在り方や技術などにおける勉強も行っている。

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