健診・検診センターで働く看護師の役割|気になる給料事情と3つの要点(2017/12/03)
看護師が働く場所は病院だけではなく、いろいろな場所で活躍の場があり、その一つに健診・検診センターがあります。病院で仕事をしていると、健診は職場で行うことが多いかもしれませんが、ガン検診や人間ドックなどで健診・検診センターに行ったことがある人もいるでしょう。その健診・検診センターで働く看護師はどんな仕事をして、どんな雇用条件なのでしょうか。ここでは、健診・検診センターで働く看護師の仕事事情について詳しくお伝えします。
目次
1、健診・検診センターの看護師とは
健診・検診センターは健診または検診専門の施設で、定期健診の他にがん検診や人間ドックなどを専門的に行っています。CT、MRIなどの最新の検査の設備が充実しており、人間ドックは1日や宿泊によって行うことも可能な施設もあります。最近の健診・検診センターの施設は病院とは違う、リラックスして検査を受けられるように配慮された作りになっている施設もあります。健診・検診センターの看護師は、病院の看護師とは違って健診や検診のために来院する人を看護します。それは、外来の看護師と同じようなイメージですが、病気ではない人との関わりであり、安心してスムーズに検査を受けられるように関わることが必要になります。
引用:鶯谷健診センター
2、健診・検診センターでの看護師の役割とは
病気で病院に訪れる患者さんと関わるのではなく、1日や準備期間も入れて2日間の検査を行うために訪れる人と関わることが健診・検診センターの看護師の仕事です。具体的には、検査をスムーズに安全・安楽に行うようにすること、検査に対する不安を軽減すること、異常の早期発見をすることなどが主な看護師の役割ですが、最近の健診・検診センターは、まるでホテルのような設備になっているところもあるので、検診に来る人をお客様としてもてなす役割も求められることもあります。看護師は関わらないことですが、健診・検診は朝食を抜いて行うことが多く、昼食が豪華なところもあるほどです。このようなセンターの看護師の役割としては、健診・検診に来る人をいかにもてなすか、いかにリラックスして検査を受けてもらうかということも大切なことになってきています。
スムーズに検査を行うという役割には、採血や血圧測定などの的確な技術が必要になります。例えば、1日に100人以上の採血をするということも、この健診・検診センターの看護師にとっては当たり前な仕事です。黙々と同じ仕事を行うことも健診・検診センターの看護師に求められる仕事でもあるのです。
3、健診・検診センターの看護師の志望動機とは
健診・検診センターの看護師の仕事の時間は日勤のみで、夜勤はありません。また、看護の対象が入院患者ではないので、その日その日で関わる相手が異なります。このような点で健診・検診センターの看護師を選ぶ志望動機として多いのは、「日勤だけの仕事がしたい」「仕事と家庭とのバランスをとりたい」「週末は休みたい」「長期的ではなく、単発で関わる仕事がしたい」というものがあります。この健診・検診センターの看護師の働き方を選ぶ理由のほとんどはこの志望動機といえるでしょう。また、病院やクリニックとは違う、ホテルライクな施設もあるので、ホテルマンのような気分で働くような「今までの病院での仕事ではない形で看護師の仕事をやりたい」という志望動機もあります。他には、日勤の仕事ではありますが、患者さんの関わりや医師との関わりではなく、「黙々と採血やバイタルサイン測定などの技術のみをやりたい」という志望動機もあります。また、仕事の時間がある程度決まっていて、残業も少ないので、他で常勤をしながらの副業としてや、パートの働き方、ブランクのある看護師の現場復帰の仕事として選ばれることもあります。健診・検診センターの看護師の仕事には、センターだけの仕事ではなく、企業や学校などの健診に出張していくこともあります。この出張健診は早朝から1日かけての仕事になることもありますが、単発での仕事なので、短期のバイトとして選ばれやすく人気のある働き方なのです。単発の仕事をしたい看護師にとっては「長期ではなく短期で働きたい」という志望動機に合うものでしょう。
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しかし、どんな志望動機でも面接時には素直に伝えてしまうと悪い印象を与えてしまうこともあります。例えば「楽そうだから」というのは問題外な志望動機でしょう。実際の志望動機を元に、印象が良い志望動機を伝えることが大切です。面接時に印象が良い志望動機は面接や履歴書で使える!看護師の志望動機例文108選を参考にしてみてください。
4、健診・検診センターの看護師の給料事情
健診・検診センターの看護師の給料は、病棟で働く看護師と比べて夜勤手当がないため低くなります。また、同じ日勤常勤でも病院勤務よりは比較的低めになります。日祝日が休みであることが多く手当てがないこと、もともとの基本給が病院で働く日勤常勤の看護師よりは低いのが現状です。常勤であれば賞与もあり、日勤の病院勤務の看護師よりも低いながらも、他の職種よりはやはり比較的高くなってはいるので、仕事と家庭やプライベートを両立したいというようなライフワークに合った条件であれば問題ない金額といえるかもしれません。給料自体は働く都道府県や施設によって異なりますので看護師の病院別の月給・賞与・年収がわかる|みんなの給料・年収を参考にしてみてください。
5、健診・検診センターの看護師のアルバイト事情
健診・検診センターの看護師の仕事は、時間が決まっていて残業も少ないのでアルバイトとしても人気で選ばれる働き方です。また、出張の健診は単発での仕事となり、短期や単発でのアルバイトにも適しています。常勤で働いている看護師は、副業としてのアルバイトが禁止されている施設もあるので、アルバイトを行う時には確認が必要です。この健診・検診センターでのアルバイトは、常勤であれば休みの日に、また、アルバイトのみでも働くことは可能です。アルバイトの場合は非常勤なので賞与はでませんが、他の仕事と組み合わせることで良い収入を得ることも可能でしょう。夜勤もなく、週末は休みであるこの仕事は、自分のライフスタイルやライフワークに合った働き方ができる選択肢になります。プライベートを優先しているライフスタイルであれば、アルバイトでこの健診・検診センターの看護師として働くことによって時間を選んで働くことが可能になります。現にアルバイトのみの仕事を行なっている看護師もたくさんいます。その中でも、健診・検診センターの仕事はアルバイトでの働き方として選ばれる人気のものなのです。
まとめ
看護師の働き方として、健診・検診センターでの仕事は病院での仕事とは異なり、特殊なものになりますが、日勤のみで夜勤がなく、病院での仕事にあるような煩わしさがなく、残業も少ないのでとても人気のあるものです。病院での日勤の常勤よりは給料はやや低めではありますが、常勤でも残業がないことも魅力的なので、プライベートを優先することも可能でしょう。また、その日その日での利用者との関わりなので、バイトとしても仕事がしやすいのです。このように、健診・検診センターでの仕事は、仕事とプライベートの両立を考えるなら、とても魅力的な仕事といえるのです。
1986年生まれ。北海道札幌市出身・在住。同市内の看護学校を卒業後、北海道大学病院の内科で2年勤務。その後、同市内の個人病院で6年間勤務し、結婚・出産を機に離職。現在は育児をしながら、看護師としての経験を生かし、WEBライターとして活動中。
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