治験で働く看護師の仕事内容や役割、気になる給料事情と5つのメリット(2017/11/28)
治験業界で看護師が働けることを知っていますか?医療施設や介護施設ではなく、治験に関係した仕事をしたい人のために、治験で働く看護師の仕事内容や役割、給料、5つのメリットをまとめました。
目次
1、治験で働く看護師とは
治験業界で看護師が働けることを知っているでしょうか?開発した新薬を厚生労働省認可してもらうためには、臨床試験をパスしなければいけません。この新薬の臨床試験を治験と言います。看護師もこの治験にかかわる仕事をすることができます。その仕事とは、治験コーディネーター(CRC)と臨床開発モニター(CRA)です。
どちらの職種も、看護師の資格が必須というわけではありませんが、どちらも看護師の経験や知識を活かして働ける仕事で、看護師から転職した人がたくさん活躍しています。
2、治験で働く看護師の仕事内容や役割
治験で働く看護師の仕事内容や役割を説明していきます。ほかの職場の看護師の仕事内容と比べてみると、その違いがよくわかると思います。
2-1、治験コーディネーターの仕事内容や役割
治験コーディネーターは一般企業のSMO(治験施設支援機関)か治験を行っている病院で働きます。治験コーディネーターは、治験を実務レベルでサポートし、治験を行う医療施設側の立場から治験を管理・調整していくことが主な役割になります。
被験者(患者)への説明や精神的なケアを行ったり、治験のデータを管理・書類の作成、治験に係わる医師や看護師、薬剤師、検査技師などとの連絡調整、臨床開発モニターへの報告や対応などが具体的な仕事です。
2-2、臨床開発モニターの仕事内容や役割
臨床開発モニターはCRO(開発業務受託機関)や製薬会社に勤務して、製薬会社の立場から治験を管理する仕事です。臨床開発モニターは治験が決められた手順に従って、正しく適切に行われているかをモニタリングする役割があり、治験が行われている医療機関を直接訪問したり、電話連絡を取ることで、治験をモニタリングします。
そして、報告書を作成したり、治験を行う医師や治験コーディネーターが作成した症例報告書に不備がないかをチェックすることが主な仕事内容になります。
3、治験で働く看護師の給料
治験コーディネーターは、転職した当初は年収350~400万円が相場になります。ただ、一般企業の場合、医療施設や介護施設とは違い、昇給率が高いので、経験を積んでいけば、年収500万円程度は稼ぐことができます。
臨床開発モニターは転職したばかりの頃は年収420~450万円程度ですが、スキルを身につけていけば、どんどん昇給し、年収800~1000万円を稼ぐこともできます。外資系の製薬会社で役職に就けば、年収1000万円以上を稼ぐこともできるのです。
治験コーディネーターの場合、看護師の平均程度の給料を稼ぐことができ、臨床開発モニターは医療施設や介護施設では絶対に稼げないような高収入を稼ぐことも可能です。いろいろな職場の看護師の給料と比べるためには、看護師の病院別の月給・賞与・年収をチェックしてみてください。
4、治験で働く看護師の雇用形態
治験で働く看護師は、基本的には常勤(正社員)として働くことになります。
ただ、治験コーディネーターはバイトの求人もありますので、子育て中などの事情で常勤で働けないけれど、治験の仕事をしてみたい人は、バイトの求人を探してみましょう。
5、治験で看護師が働く5つのメリット
5-1、カレンダー通りの休日
治験業界で働くと、主に一般企業で働くことになりますので、土日祝日がお休みなり、年末年始もしっかり休めます。病院や介護施設で土日もお正月も関係ないシフトで働いていた人にとっては、カレンダー通りに休めるのは、とても大きなメリットだと思います。
5-2、デスクワークが多い
治験の仕事は、デスクワークが中心です。計画書や報告書の作成などパソコンを使ったデスクワークが多いです。治験を行う医療機関に出向く機会も多いですが、体位交換や排せつ介助、移動介助などを行うことはないのです。
基本的なパソコンスキルは必須になりますが、それでも力仕事がなく、きれいなオフィスで座って仕事ができるのは、看護師にとっては魅力的ですよね。
5-3、新薬の開発に貢献できる
治験は新薬の開発に欠かすことができないものです。新薬が認可されれば、その薬でたくさんの人の命が救われたり、たくさんの人の症状を軽減することができます。治験で働く看護師は、患者さんと向き合って看護をするわけではありませんが、未来のたくさんの人を助ける仕事なのです。
5-4、日勤のみの仕事
治験で働く看護師は、日勤のみの仕事になります。一般企業に勤めるので、夜勤はありません。夜勤が苦手な人にとってはありがたいですね。ただ、臨床開発モニターは泊りでの出張があるので、頻度をチェックしておいたほうが良いでしょう。
5-5、給料が高め
看護師が治験で働くと、看護師時代よりも給料を稼ぐことができます。転職当初は年収が下がるいかもしれませんが、4~5年働けば、日勤のみの仕事なのに夜勤をしている看護師と同程度のお給料を稼げます。
臨床開発モニターなら、それ以上を稼ぐことも十分に可能なのです。看護師の給料は割に合わないと思っている人は、治験関係の仕事に転職してみてはいかがでしょうか?
まとめ
治験で働く看護師の仕事内容や役割、給料、雇用形態、メリットをまとめました。治験コーディネーターも臨床開発モニターも看護師経験や看護知識を活かせる仕事です。
医療施設・介護施設ではないところで働きたい人は、治験の仕事への転職を考えてみても良いでしょう。
東京都在住、正看護師。自身が幼少期にアトピー体質だったこともあり、看護学生の頃から皮膚科への就職を熱願。看護学校を経て、看護師国家資格取得後に都内の皮膚科クリニックへ就職。ネット上に間違った情報が散見することに疑問を感じ、現在は同クリニックで働きながら、正しい情報を広めるべく、ライターとしても活動している。
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