0歳児保育|ねらい・週案・月案・指導案と遊びの10の方法(2017/08/18)
0歳児保育とはどのようなものなのでしょうか?どのような内容で保育をし、どのような姿を目指していけばよいのかこれからまとめていきます。0歳児に適した遊びの10のアイディアも掲載するので、ご活用ください。
目次
1、0歳児保育とは
0歳児保育とは1歳未満の乳児を公立・私立・認可外の保育所や託児所で預かることを指します。0歳児保育の開始年齢は生後2ヶ月過ぎから、生後6ヶ月からなど各市町村によって異なるので確認が必要となります。
0歳児保育の内容はやまぼうし保育園のホームページにも記載されているように、生活リズムを整えることが大切であり、特定の人との関わりで愛着が形成されていきます。その為、担当保育士を決めて同じ保育士が1人の子のお世話をすることが多いのですが日本経済新聞に気になる記事が掲載されていました。
日本経済新聞の保育所、1~2歳受け入れ拡大 0歳児枠縮小への記事によると、2018年度から待機児童の解消に向けて、全国の保育所で1~2歳児の受け入れを増やす代わりに多くの保育士が必要となる0歳児クラスを出来るだけ減らしていく考えだということを明かしています。
厚生労働省による児童福祉最低基準によると、1、2歳児は6人に対して保育士が1人必要なのに対して0歳児は3人に対して保育士が1人必要となる為、0歳児クラスを減少させると人員不足の対策にもなるということです。
1-1、0歳児保育のねらい
次に0歳保育のねらいを見ていきましょう。
保育所保育指針の3章「6ヶ月未満児の保育の内容」「6ヶ月から1歳3ヶ月未満児の保育の内容」の項目を参考にすると、0歳児保育のねらいは、保健的で安全な環境をつくり、常に体の状態を細かく観察し、疾病や異常は早く発見し、快適に生活できるようにすることとしています。
また1人1人の子どもの状態をよく観察し発達を促すことも保育士の役目となります。先にも記したように、特定の保育士の愛情深い関わりが、基本的な信頼関係の形成に重要であることを認識して情緒の安定を図ったり、生活リズムを整えて生活の安定を図っていくようにします。
2、0歳児に適した10の遊びのアイディア
0歳児保育に向いている遊びについて紹介していきます。ベネッセ教育情報サイトの図でみる赤ちゃんの発達の流れによると、0歳児の子どもは生後5ヶ月前後で物を掴めるようなり、1歳間近になると小さなものをつまんだり、なぐり描きが出来るようになるので発達を促すような遊びを楽しんでいくといいでしょう。またこの時期の子どもは目と目が合い、肌と肌が触れ合うのを心地よいと好みます。手遊びやふれあい遊びも大切にしていきましょう。これから項目ごとに、参考になりそうな0歳児の10の遊びのアイディアをまとめるので活用ください。
2-1、0歳児に適した室内遊び
■水遊び
出典:ゆう安中東こども園
日差しが厳しい日でもビニールシートを敷き大きなタライの中に水を入れてコップですくうなどすると室内でも水遊びを楽しむことが出来ます。まだ歩くことの出来ない0歳児の子どもたちでも室内だと負担なく水遊びを楽しむことが出来るのでおススメです。
■マット遊び
出典:高田大谷保育園
こちらはブロックをマットの下に敷き高低差をつけて登ったり降りたりを楽しむマット遊びを行っています。マットの上をゴロゴロと転がるだけでも楽しい遊びですが、こうして一工夫すると運動にもなりいつもとは違ったマット遊びを楽しむことが出来ます。
■段ボール遊び
出典:高田大谷保育園
段ボールに絵具やクレヨンで好きに色つけを楽しんだ後で、段ボールをトンネルのようにしてくぐって遊ぶのを楽しんでいます。お絵描きをすることによって自分たちでオモチャを製作するような楽しさを味わうことが出来るので、子どもたちにとっても特別の遊びとなるはずです。
■ボール遊び
出典:蓮美幼児学園ブログ
子どもたちに大人気のボール遊びですが、まだハイハイなどでボールを追えない0歳児の子どもにはビニールプールやバケツ、テントの中でボールを楽しむのがおススメです。
ボールプールのようにボールをたくさん敷き詰めるとカラフルな色を楽しんだり、ボールの感触を楽しんだりといい刺激となります。
2-2、0歳児に適した手遊び
■おべんとうばこの歌
0歳児と楽しむ手遊びは参考画像にもあるように「おべんとうばこの歌」など定番と言える手遊び歌がたくさんあります。こうした定番の手遊び歌から更にバリエーションを広げたい時は手遊び歌をまとめた保育書を参考にするのが1番です。
出典:保育で役立つ! 0~5歳児の手あそび・うたあそび (ナツメ社|阿部直美|2016年)
0歳から楽しむことの出来る手遊びが155個紹介されています。イラストをたくさん使用し振付が分かりやすく掲載されているのですぐに活用出来ます。「保育参観」「生活習慣」など使用するシーン別に項目が分かれているので歌の種類がすぐ分かるので便利です。
2-3、0歳児に適したふれあい遊び
■「バスにのって」
出典:にじいろ保育園
こちらもふれあい遊びの定番曲「バスにのって」を行っている様子です。
保育士の足をバスに見立ててゆらゆら揺れたり、でこぼこ道を通るなど様々な刺激があり子どもたちにも人気の一曲です。
YouTubeにもふれあい遊びを紹介した動画がたくさんあります。
こちらは小学館から発刊されている「新 幼児と保育」に掲載されているふれあい遊びうた「ふうせん」を実演している動画です。
定番のわらべうたから上記の動画のようなオリジナルのものまで多数あるので、子どもたちと楽しめそうなふれあい遊びを是非探してみてください。
出典:<手あそびマイスター>いつでも・どこでも・すぐにできる 1分 ふれあいあそびうた 30(キングレコード|2016年6月)
また、CDを活用するのもおススメです。
1分あればすぐに出来てしまう簡単なふれあい遊びばかりを集めたCDとなっています。お出掛け前や朝の会が始まる時などの隙間時間に取り入れることが出来ます。すぐに遊べるイラストによる解説も入った30曲のふれあい遊びうたを楽しめます。
2-4、0歳児に適したおもちゃの製作
■段ボールトンネル
出典:たま保育園
くり抜いた段ボールを四角に組み立てトンネルとして遊びながら、トンネルの入り口の部分にビニールひもなどがつけられているので引っ張るなど楽しめる一工夫もされています。手軽に作成できますが、子どもたちが好きな要素が満載のオモチャなので参考に出来そうです。
■洗濯ばさみアート
出典:pinterest
足の多いイカやタコ、ライオンのたてがみなどを洗濯ばさみで表現していくオモチャです。台紙は画用紙などで作成出来るのですぐに準備することが出来ます。
子どもたちに自由に洗濯ばさみをつけてもらっても、おもしろい形が出来て盛り上がりそうです。
■ガチャガチャのカプセルのがらがら
ガチャガチャのカプセルの中にビーズなどを詰めてビニールテープでカプセルが開かないよう固定すると即席のガチャガチャが完成します。
ゴムを上部につけて手首ラトルのようにしても楽しいし、参考画像のように何個か連ねてドアやベビーカーなどにつけると動かす時に楽しい音が鳴ります。
■チェーンリング
出典:やまぼうし保育園
空容器にチェーンリングを出し入れするオモチャです。チェーンリングの感触は子どもも大好きなので喜んで遊んでくれます。また、やまぼうし保育園ではミルク缶からタオルを引き出すオモチャも作成していました。不要になったものを再活用出来るのでおススメです。
3、0歳児保育の指導案
乳児保育の重要性と指導案にもあるように、一人ひとりを大切にし、ありのままの姿を受け止めて、共感して、信頼関係を築いていくことが乳児保育、特に愛着関係を形成していく最中である0歳児の乳児にとっては大切だとされています。
0歳児の指導案は保育所保育指針にも記されているように、安心できる環境の下、乳児が信頼出来る保育者と生活を送りながら、心身の発達を図っていくことを第一としながら、成長を促していけるよう作成していきます。
そして、1歳児保育、2歳児保育、3歳児保育と0歳児保育と同様に保育者との関わりを大切にしながら、友達との関わりへと広げていけるよう一貫した流れの中で成長を見守っていく必要があるといえます。それは成長をし、一通りのことを自分でやれるようになってくる4歳児・5歳児でも同様で安心できる環境の下で保育を行っていかなければなりません。
3-1、0歳児保育の月案
0歳児の月案の立て方についてまとめていきます。
指導案の項目に記したように、心身の発達を図っていくことを第一に保育計画を立てていきます。
保育計画で立てたねらいを月ごとに落とし込んでいきますが、その月にしか体験できない行事や季節を楽しめる活動を保育に取り入れつつ、ねらいに基づいた一貫した流れとなるように注意していきましょう。
月案の作成に迷った時は、指導計画の保育書が参考になります。
出典:保育所 0・1・2歳児 発達過程に着目した12か月の指導計画 (フレーベル館|民秋言|2011年)
発達過程に着目して作成された指導計画案の実用書です。
毎月の指導計画案と保育のポイントが掲載されているので保育を行うヒントとなります。
3-2、0歳児保育の週案
0歳の週案は週案の書き方にもあるように、養護面と教育面のねらいを立てて作成していきます。
養護面は健康に過ごせるような環境や衛生状況に留意した内容となります。教育面は手や指の動きを刺激するオモチャで遊ぶなど、成長に合わせつつ発達を促すような保育内容を考案していきます。月案のねらいを踏まえた上で、養護面・教育面の両面から子どもたちの週単位のねらいを作成していきましょう。
4、0歳児保育のクラス便り
0歳児のクラス便りは、認定こども園ベアーズのホームページで過去に配布したものを見ることが出来ます。かわいいイラストが添えられながら先月の子どもたちの様子が、生後2ヶ月ごとに区切られ詳しく紹介されています。
また身体測定や防災訓練など次の月に行う予定も記載されているので、保護者の方も保育園での様子や今後の流れの見通しがつき、安心して保育園に子どもを送り出すことが出来るのではないでしょうか。
5、0歳児の発達段階
0歳児の発達段階について保育所保育指針を参考に見ていきましょう。
0歳児は生後3ヶ月頃から「あー、うー」といった喃語を発することが出来るようになり、生後4ヶ月を過ぎると自分の意思で手や足を動かすことが出来るようになります。
生後6ヶ月を過ぎると身近にいる人の顔が良く分かるようになる為、あやすと笑うようになります。
生後7ヶ月頃から1人で座れるようになり、生後9ヶ月頃には這うことが出来るようになります。
1歳間近になるとつかまり立ちや伝い歩きも出来るようになり、喃語も会話らしくなってきます。
このような発達段階で成長していきますが、それには保護者や保育者の愛情を込めた関わりがあってこそなので、整えられた環境の下、安定した情緒で過ごしていけるよう保育者は工夫していく必要があります。
まとめ
0歳児の保育についてまとめてきました。0歳児の保育内容についてまとめてみると共に、0歳児に適した遊びの10のアイディアも記載したので、是非0歳児保育を担当する際に参考にしてみてください
こちらの記事もおすすめ
- 病気
-
成長期の子どもにとって大事な栄養素の一つがカルシウムですが、日本人の食生活では比較的不足しや
- あそび
-
デカルコマニーの保育|導入するねらい、やり方と指導案について
デカルコマニーという技法の絵画を保育園での制作活動でも取り入れている所が増えてきています。デ
- お役立ち
-
一斉保育のメリット・デメリット|設定保育との違いと計画の具体例
保育士が設定した同じカリキュラムを、子どもたちみんなで実行する保育形態を一斉保育といいます。
- あそび
-
水遊び・プールと保育|0才児・1才児・2才児の指導案とねらい
夏の遊びとして代表的なのが水遊び(プール含む)だと思います。季節ならではの遊びとして子どもに