4歳児保育|ねらい・月案・年間指導計画と手遊びや製作(2017/08/16)
お話しもどんどん上達し、自分で出来ることも増えていく4歳児の保育はどのようにしたらいいのでしょうか。4歳児保育のねらいなどをまとめていくと共に、4歳児に適した10の遊びのアイディアを様々な項目で紹介していきます。是非参考にしてみてください。
目次
1、4歳児保育とは
保育カレンダーを参考に4歳児保育について見ていきましょう。4歳児は「自分を知る」歳だと言われています。全能感に満ち自己主張をしっかりとしてきた3歳の頃と比べると、周りの目も気になるようになり、他人の中にいる自分というものを意識するようになってきます。また、「これは出来ないかもしれない」という自分の能力の限界を何となく感じるようになってくる頃です。こうした揺れ動く心を大切にし、そのままで大丈夫だという自信を持たせてあげながら、引き続き成長を見守っていくようにします。
仲間意識も強く芽生えてくる頃なので、仲間の中で育てていくということも意識するといいでしょう。能力的にも1度に2つのことを並行しながら出来るようになったり、自制心も出てきます。ですが、「ダメ」と抑え込むようなことはせずに、のびのびと保育を行っていきましょう。
1-1、4歳児保育のねらい
豊岡市のホームページで公開されている情報を参考に4歳児保育について見ていきましょう。こちらでは、4歳児保育の年間のねらいを「基本的な生活習慣や態度を身に着けるようにする」「一人一人の子どもの気持ちを受容し、情緒の安定を図るようにする」としています。
これらは0歳児から始まり一貫して1歳児保育のねらい、2歳児保育のねらい、3歳児保育のねら
いの中でも触れられていることであり、子どもたちが安心して過ごすことの出来る環境を整えること
が第一と言えます。これは年長となる5歳児まで続いていきます。
これは保育所保育指針にも、「けんかをはじめ人間関係の葛藤にも悩むときであり、したがって集団生活の展開に特に留意する必要がある」と記されており、この時期の「仲間の中にいる自分」という感情が揺れ動く時期であるということを保育者も充分に意識しておく必要があります。
また豊岡市では、「新しい生活の仕方が分かり、できることは自分でしようとする」「友達や保育者と触れ合いながら、自分のやりたい遊びを楽しむ」 などを期案のねらいとしており、少しずつ自立を促していく考えとなります。
2、4歳児保育の年間指導計画
北海道上士幌町のホームページで公開されている年間指導計画(案)を見ながら4歳児保育の年間指導計画について見ていきます。
上士幌町では年間のねらいを「保育者や友だちと一緒にとの関わりを深め友だちの気持ちに気付き、集団としての行動ができるようになる」「生活やあそびの決まりを守り、基本的な生活習慣や態度を身につける」としています。
やはり、先程の豊岡市と同様に、集団生活の中での自分というものを意識させながら、自分のことは自分でやれるように少しずつ導いていく形となります。
そのねらいに対し、期ごとに予想される子どもの姿をまず記載し、次に目指していく姿を養護と教育の両面から期ごとのねらいを立てていきます。
そして、期ごとのねらいを軸に、養護と教育の5領域の保育内容をまずは大幅に定めていきます。
2-1、4歳児保育の月案
6月の子どもたちの姿について特筆すべきポイントをいくつか箇条書きでまとめていきます。そしてその流れを汲みながら、こちらの埼玉県の月案では、七夕の説明で星に興味を持ったようだから、夏の自然や観察物に興味を持つのをねらいにするなどの一貫した動きとなっています。暑い時期なので水遊びや夕涼み会などを計画しながら、この時期の子どもたちの予想される姿を記載していきます。
最後に予想される姿を月のねらいの達成へと導いていくように、「新しい活動で不安になる幼児もいるので、安心できるように個々とのかかわりを大切にする」などといった環境構成や保育者の援助の項目をまとめていきます。
3、4歳児に適した10の遊びのアイディア
では、これから4歳児に適した10の遊びのアイディアを様々な項目ごとにまとめていきます。
4歳児はルールのある遊びも楽しめるようになってくる頃なので、みんなで盛り上がれるような集団遊びもおススメです。ごっこ遊びもこれまで以上に発展を見せる時期なので、なりきって遊ぶような手遊びなどもおもしろいです。
3-1、4歳児に適した手遊び
4歳児におススメの手遊びを見ていきます。
想像力を掻き立てるようなイメージの広がる手遊びがいいでしょう。
■ピクニック
遠足に行く前に遠足では何を食べようかな?など事前にイメージを膨らませてもらう為に、保育者が子どもたちの前で「ピクニック」という手遊びを披露しているところです。
4歳児は先を見通す力も段々付いてきているので、このように期待感を持たせるような手遊びを楽しむのがおススメです。
■ワニのかぞく
ワニの家族がたくさん出てくる楽しい手遊び歌です。家族がそれぞれ口を開けて何をしているのか子どもたちと考えながら進めたり、出てきた意見に合わせて歌をアレンジしてみてもおもしろいです。
・はじまるよ、はじまるよ
定番の手遊び歌ですが、本の読み聞かせや朝の会などを始める前に子どもたちと一緒にこの手遊び歌を行うとスムーズに子どもたちの興味を惹き付けることが出来て、お話しを聞く姿勢を取ってくれるので導入におススメです。
3-2、4歳児に適した手作りおもちゃ
次に4歳児におススメの手作りおもちゃを見ていきます。
■ボタンやマジックテープで繋げるおもちゃ
出典:ひだまり保育園
4歳児は手先もどんどん器用になり細かい作業が出来るようになってくる頃です。小さなボタンを使って繋ぎ合わせていくような立体のパズル感覚のおもちゃもおもしろいです。
こちらの保育園ではボタンやマジックテープなど自分の好みに合わせて魚や電車を繋げていくことが出来るおもちゃを使用しています。
■手作りバス&手作り電車
出典:ぴーす保育園
段ボールで子ども2~3人くらい入れる大きさでバスや電車を作ってあります。段ボールの元の大きさを活かしながら底をくり抜き、側面に画用紙で窓やタイヤなどを作って飾り付けすると雰囲気も出て運転手気分を楽しめます。
3-3、4歳児に適したゲーム遊び
4歳児におススメのゲーム遊びはベネッセ教育情報サイトにて多数紹介されています。身近なもので遊べるアイディアが豊富なので特別に何かを買い足すことなくすぐに遊べて活用的です。
■ガムテープでカーペット掃除
出典:ベネッセ教育情報サイト
子どもは貼ったり剥がしたりという遊びが大好きなので、カーペットの中央辺りに線を引き、適当にガムテープを何枚か貼って、スタートと共に線の向こう側へと貼り替えて遊びます。
同じものを2面作成すると、どちらが早く貼り替えることが出来るか競争して楽しむことが出来ます。
出典:3・4・5歳児のゲーム遊び63 (黎明書房|豊田君夫|2006年5月)
また、上記のようなゲーム遊びに特化した本を参考にしてみても遊びの幅が広がります。
こちらは3・4・5歳児の年齢と発達段階に即した楽しいゲーム遊びが63例紹介されています。
3-4、4歳児に適した運動遊び
次に4歳児に適した運動遊びについて紹介します。
YouTubeにもたくさん年齢に即したゲーム遊びの例が投稿されています。
■忍者あそび
こちらは、保育者と一緒に動いて忍び足をしたり、呼びかけられたら止まったりと様々な動きを楽しむ運動遊びです。保育者の繰り出す手裏剣を跳んだりしゃがんだりで避ける動きがおもしろく盛り上がりそうです。
■大縄跳び
出典:日本レクリエーション協会
スクスクのっぽくんによると4歳児の運動面の発達は、基本的な動作が定着して身近にある用具を使って操作するような動きが上手になっていく時期なので、大縄跳びは4歳児にぴったりの遊びと言えます。みんなで声を出し合い何回跳べるか挑戦したり、「ゆうびんやさん」などの歌に合わせて跳んでみるのもいいでしょう。
3-5、4歳児に適した集団遊び
最後に4歳児におススメの集団遊びを見ていきましょう。
簡単なルールを理解できるようになる頃なので、ただの鬼ごっこよりも制限があるものを行うとより楽しめます。
■いろいろ鬼ごっこ
出典:コドモネクスト
鬼が色を指定するだけでなく○などの形状まで指定して探してもらう鬼ごっこです。
みんなが見つけられるようなお題を考えるのもいい頭の運動になりそうなゲーム遊びです。
コドモネクストは児童館向けの情報サイトですが4歳児の遊びでも活用出来そうなアイディアがたくさん掲載されています。
■フルーツバスケット
出典:遊びの大図鑑
こちらも定番の遊びではありますが、椅子取りゲームのお題を果物にして楽しむゲームです。
ルールが簡単なので誰でも楽しめるところが魅力です。フルーツだけに囚われず「朝ごはんにパンを食べた人!」などと様々なお題を出すと盛り上がれます。
4、4歳児の運動会で行うダンス
4歳児になると少しずつ難しい振付や長い振付にも挑戦していけるようになる頃なので、子どもたちが意欲的に取り組める題材を探すといいでしょう。
4-1、4歳児に適した劇
4歳児はごっこ遊びのバリエーションも広がり想像力も豊かになる頃なので、配役になりきれて物語の世界にどっぷりと浸かって表現できるような題材を選ぶのもいいでしょう。
こちらも実際の発表会の様子を紹介します。
福井市のはちまんこども園の発表会で「さるかに」の様子です。
劇なのですがミュージカル中心の構想にして子どもたちも取り組みやすくする工夫がされています。また、登場人物のキャラクターをそれぞれ8人程の構成にすることによって、クラスのみんながキャストとして活躍できるようになっています。
5、4歳児の部分実習
4歳児の部分実習について考えていきます。
部分実習とは1日の活動の中の一部分を実習生が担当することを指します。内容は様々で制作を行ったり運動遊びなどを行う場合もあります。
4歳児は話を聞く力もついてくる頃なので、4歳児の部分実習はやりやすかったとの声も上がっています。ただ、いくら準備を周到にしても予定通りにはいかないものなので臨機応変に対応していくことが求められます。4歳児の部分実習は手遊びの反応が良かったとの感想があるので、活動の前に取り入れてみるのもおススメです。
まとめ
4歳児の保育について紹介して参りました。4歳児は手先も器用になってきたり、話す言葉も広がってくるなど成長著しい時期です。
成長を促すことの出来るような4歳児に適した遊びを行っていくといいでしょう。今回は項目ごとに10の遊びのアイディアを紹介致しましたが、まだまだ記載したリンク先などにも楽しい遊びがたくさん掲載されているので、是非活用してみてください。
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