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いまさら聞けない!看護用語

看護師のNICUでの新生児家族との関係性と役割(2015/08/10)

公開日: : 最終更新日:2020/06/05 宮城県 看護用語 小児科 

NICU

NICUとは、知っての通り特殊な部署で新生児を対象にしています。NICUはどこの病院でもありそうですが、必ずあるわけではありません。総合病院であったり、産婦人科がある病院ではNICUがあります。このように、病院によっても、NICUがある場所とない場所があります。

新生児や家族にとってなくてはならない場所です。看護師としてどのように看護していくのかが重要になっていきます。今回は、NICUの基本的なことを振り返り、自分の役割を見つけてみましょう。

 

1、NICUとは

NICUとはneonatal intensive care unitの略です。日本語で言うと、新生児集中治療室です。生まれたばかりの新生児の生きようとしている命をサポートし、看護をする場所、それがNICUです。

 

≪NICUの役割≫

生まれたばかりの新生児は、急変しやすいのでNICUでしっかり全身看護することが大切です。新生児のためすぐに状態がみれたり何かあった時にすぐに駆けつけられるようにワンフロアになっています。また、新生児の場合必ず家族がいます。

家族、特に母親と離れている時間が長いこともあり、愛着形成がつきにくいことや育児について何もできないことから技術がなかなか習得できなかったりすることがあります。そして、離れていることから児の状態を知ることが出来ず、今の状態が分からず不安な思いをしている家族に対してのケアも必要となります。

このように、新生児と家族との愛着形成をサポートしたり、育児技術の習得、心理的なことなどをサポートする役割も持っています。

 

≪NICUの特徴≫

NICUに入院する新生児は、早産や小さく生まれた、出生週数や体重は問題ないが、心疾患や染色体異常など何らかの疾患や障害を持ったなどさまざまな理由のある新生児がいます。新生児も家族も不安に感じている中で、安心できる環境を作ることや看護師の言葉や行動などは重要となってきます。

 

2、NICUでの経験を看護研究にしてみよう

看護師にとって看護研究は、切っても切り離せないことです。どのようなことを研究テーマにしたらいいのかわからなくなります。では、どのような研究テーマにするといいのでしょうか。考えてみましょう。

 

2-1、看護師と家族に関した内容

NICUの看護師は、新生児を看護するうえで新生児のことを理解することも重要ですが、家族との信頼関係がとても重要となってきます。

家族とどのようにかかわって信頼関係を築けたのか、工夫したことは何なのかなど自分の経験を踏まえ、他の人はどのように関係を築いたのかなどを調べることが出来ます。自分の今までを振り返り、どのようにしたらいいのかを参考にすることが出来ます。

 

2-2、新生児と家族の関係性についての内容

新生児と家族の間には、愛着形成があります。

その愛着形成を築くためには何が必要なのか、看カンガルーケアをすることで効果はあるのかなど、看護師が新生児と家族に対してどのように関わることがいいのかを研究することで、自分がしている行動を見直すことが出来ます。

 

2-3、NICUに入院している新生児に関した内容

NICUに入院した新生児に注目して、入院中のケアや採血などの痛みケア、新生児の落ち着く体位の工夫の仕方、自分で予防出来ない新生児の感染防止方法、退院後の生活のサポート体制のことなど、自分が体験したことや難しかったことなどを研究すると今後の参考になります。

 

2-4、精神的なサポートに関した内容

新生児のストレス緩和のためのディベロップメントケアの効果や心疾患や障害を持った児の家族にどのように精神的サポートをしたらいいのかを研究することで、学ぶことが出来ます。

 

2-5、NICUに入院中の育児に関した内容

NICU入院中には、直接母乳をあげることが出来ないことがあります。どのように指導したらいいのかや家族への育児指導はどのようにしたらいいのかなどを研究すると、家族に分かりやすい育児指導をすることが出来るようになります。

 

紹介したように、色々な看護研究があることが分かると思います。研究内容としては、自分が看護師としてどのように家族や新生児と関わったのか、どのようなケアをしてどのように感じたのかなどについて調べ研究をすると取り組みやすいです。

 

3、NICUでの看護師のストレス

看護師のストレスとしては、ワンフロアというどこにいても人の目に見られているということが大きいのではないでしょうか。どのようなケアをしていても色々な人に見られているという感覚になります。

見られていても気にしない人もいると思いますが、毎日見られて自分には聞こえない声で話をしているのを見ると自分のことを話しているのではないかというような思い込みまで出てきてしまいます。

またその他にも、家族が面会時間中はほとんど来ることもあるので、疾患の軽い児は家族の都合に合わせてケアをしなくてはいけないこともあります。

そのため、家族が来る時間が遅くなってしまうとその分自分たちの仕事もずれてしまい、なかなか仕事が終わらないということもあります。一日の計画を何度も立て直しながらケアをしていきます。

そして、新生児の状態も常に観察しなくてはいけません。モニターや全身状態、泣きすぎやミルク量の調節など、新生児の1つ1つを気にしなくてはいけません。

また、少しのことで、状態が急変しそうな児にはストレスのかからないようにケアしなければいけないので神経質になりすぎてしまい、看護師自身がストレスになります。時には、焦らず気分を落ち着かせながらケアをすることも大切です。

 

まとめ

自分の看護師としての行動を振り返ることが出来たでしょうか?NICUで働いている看護師は、新生児という命の誕生とともに、状態によっては死を見なければいけない場所です。

嬉しさと悲しさの混じった部署ですが、新生児の全身管理や家族のサポートなど幅広い知識が必要となります。その分やりがいがあり、退院する時の喜びや家族からの言葉でやる気が出る部署です。児のために知識を身に付け、自分なりの最適な看護が出来るように努力していきましょう。

 

NICUの看護|看護研究とその役割とは

山下佳代 看護師

1983年生まれ。宮城県石巻市出身。正看護師歴10年。看護短大を経て、仙台市立病院の小児科で勤務。その後、小児科での経験を生かし、保育園看護師として同市内の保育園に就職。現在は1児のママとして、育児の傍らWEBライター・ブロガーとして活動している。

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