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新人看護師が転職で失敗しないための病院選びの5つの具体的な方法(2017/10/26)

公開日: : 最終更新日:2020/06/05 看護師 お役立ち 東京都 全科共通 

新人看護師

給与や長時間労働、人間関係、スキルアップを図るためなど、転職の理由にはさまざまなものがあり、現在多くの看護師が希望の職場を求め転職を行っていますが、中には転職に失敗したという声もちらほら聞こえてきます。

そこで今回は、転職で失敗しないために知っておくべき5つの具体的な方法を詳しくご紹介します。特に転職経験のない、または少ない新人看護師の方にとって有益な情報となりますので、最後までしっかりとお読みいただき、参考にしていただければと思います。

 

1、看護師の離職率

まずは、看護師の離職における現状について理解しておきましょう。2015年時点における看護職員(看護補助者含む)の離職率は、常勤が10.9%、新卒が7.8%で、常勤・新卒ともに小規模病院ほど離職率が高い傾向にあります。

 

≪病院看護職員の離職率の推移≫

看護師の離職率の推移

出典:2016年 病院看護実態調査(公益社団法人日本看護協会|2017年4月4日)

 

≪病床規模別の看護職員離職率≫

2015 年度(2016 年調査)
回答病院数 常勤看護職員 新卒看護職員
全  体 3,069 10.90% 7.80%
99 床以下 741 12.30% 13.90%
100~199 床 989 12.20% 10.10%
200~299 床 456 11.40% 8.40%
300~399 床 345 11.00% 8.00%
400~499 床 235 10.20% 7.80%
500 床以上 288 10.20% 7.00%
無回答・不明 15 12.80% 5.60%

参照元:2016年 病院看護実態調査(公益社団法人日本看護協会|2017年4月4日)

 

≪設置主体別の看護職員離職率≫

2015 年度(2016 年調査)
回答病院数 常勤看護職員 新卒看護職員
全  体 3,069 10.90% 7.80%
国立 201 10.30% 6.70%
独立行政法人国立病院機構 88 10.30% 7.60%
国立大学法人 39 10.10% 6.00%
公立 555 8.10% 7.70%
都道府県・市町村(一部事務組合を含む) 478 7.60% 7.60%
地方独立行政法人(公立大学法人を含む) 77 9.70% 8.00%
日本赤十字社 57 8.40% 6.10%
済生会 52 11.20% 9.10%
厚生農業協同組合連合会 60 8.30% 5.10%
北海道社会事業協会 4 13.40% 1.70%
社会保険関係団体 30 12.40% 9.20%
公益社団法人・公益財団法人 95 12.30% 8.10%
私立学校法人 78 12.10% 7.10%
医療法人(社会医療法人を含む) 1,636 13.30% 9.30%
社会福祉法人 90 11.70% 6.10%
医療生協 35 10.50% 6.30%
会社 20 10.40% 9.40%
その他の法人(一般社団、一般財団、宗教法人等) 107 12.50% 10.70%
個人 47 17.30% 17.60%
無回答・不明 2 13.80% 20.00%

参照元:2016年 病院看護実態調査(公益社団法人日本看護協会|2017年4月4日)

 

就業先となる医療施設には、さまざまなところがありますが、中でも「個人病院」における離職率が高いのが実情です。一般的に、国公立病院など医療体制が整っているところほど看護師の充足率が高く、個人病院など民間の医療施設では不足傾向にあります。

看護師不足が顕著なところでは、勤務時間(夜勤・時間外労働)が長い、休みがないなど、看護師に対する負担が大きく、それが原因となって多くの看護師が離職に踏み切っているのです。

 

2、離職に繋がる主な原因

看護師不足が未だ解消されておらず、求職者に対する病院看護師の求人数は非常に多く存在します。そのため転職に際して困ることはまずありません。その一方で、希望の労働条件と異なる、人間関係に問題があるなど、転職に失敗したという声が後を絶ちません。

転職時には、転職先の病院の情報をすべて把握できるわけではなく、入職後にはじめて分かることが多々あり、労働環境はもちろん、特に人間関係においては顕著といえるでしょう。

 

≪入職時の希望と入職後のギャップ≫

入職時の希望と入職後のギャップ

出典:都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査(eナースセンター)

 

上図は、雇用形態や労働形態、時間外労働(残業)の時間数、夜勤・夜間対応の有無・回数、年次有給休暇の取得など、労働環境における入職時の希望と入職後のギャップについての調査結果です。全体をとおして、「希望より悪かった」と回答した看護師のおよそ50%が離職を検討しています。

 

≪離職理由[雇用形態別](複数回答)≫

離職理由

出典:都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査(eナースセンター)

 

上図は、雇用形態別にみた離職理由を示したもので、正規職員(フルタイム勤務)においては、「自分の健康状態(身体的なもの)」が最も多く、次いで「自分の健康状態(精神的なもの)」、「時間外労働が多い」、「妊娠・出産」、「同僚との関係が悪い」、「医療事故への不安」、「職場でのいじめや嫌がらせ」、「夜勤・夜間対応の負担が大きい」であり、“過労”や“人間関係”が離職理由の多くを占めています。

 

3、転職で失敗しないための病院選び(①希望条件の整理)

上述のギャップのように、応募段階で転職先となる病院の実態を完全に把握することは困難であり、入職後にはじめて分かることが多々あります。しかしながら、応募段階で把握できることが多いのも事実で、しっかりとした情報収集を行えば、希望の病院へ転職できる可能性が大きく高まります。まずはご自身の希望条件を細かく整理してみてください。人によって病院に対する好条件は異なりますが、一般的なものには「通勤の利便性が良い」、「勤務形態・雇用形態が希望通りである」、「時間外労働が少ない」、「夜勤・夜間対応が少ない」、「福利厚生が充実・給与額が高い」、「年間休日総数が多い」などがあります。

 

≪就業継続理由[雇用形態別](複数回答)≫

就業継続理由

出典:都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査(eナースセンター)

 

これらの条件を満たす病院ほど、就業にあたっては良い職場となりますので、ご自身の希望条件を整理する上での参考にするとよいでしょう。ただし、すべての希望条件を満たす病院を見つけるのは、かなり難しいため、妥協点も考えておきましょう。

 

■通勤の利便性が良い

特に都市部においては、通勤に1時間以上かかることも珍しくはなく、時間帯によって毎日、満員電車に乗らなければいけないこともあります。このような状態では、時間の消費ならびに身体的・精神的負担が大きく、長期的に耐えられない事態に陥ってしまいますので、自宅からの通勤時間や乗車率、乗り換えの有無など、通勤の利便性についてしっかりと考慮しておく必要があります。

 

■勤務形態・雇用形態が希望通りである

勤務と休暇が定期的なところもあれば、長期勤務の末に長期休暇といった不定期な勤務形態のところも見受けられます。また、常勤や非常勤、夜勤専従、パート・アルバイトなど、雇用形態においても病院によってさまざまです。どのような勤務形態・雇用形態がよいのかをまず自身の中で整理しておきましょう。採用前と採用後で相違点がみられる場合もありますので、面接や書面を通してしっかりと確認しておく必要があります。

 

■時間外労働の少ない

看護師の離職理由の多くを占めるのが「時間外労働」です。時間外労働が多いほど高給与となりますが、身体的・精神的負担は免れませんので、給与をとるかプライベートをとるか、転職前に考えておきましょう。また、残業代についてもしっかりと確認しておきましょう。

 

■夜勤・夜間対応が少ない

看護師にとって夜勤は必然ですが、夜勤の時間が長いと睡眠が不安定になるなど、身体的・精神的に大きな負担となっています。また、休日であっても夜間に急に呼び出されることもしばしばあり、このような勤務形態では休日がないに等しい状態になってしまいますので、夜勤・夜間対応の有無や時間について詳しく調べるとともに、妥協点として自身の可能範囲を見出しておきましょう。

 

■福利厚生が充実・給与額が高い

仕事をする上で、福利厚生や給与も非常に大切です。福利厚生には、各種保険のほかに、住宅手当(家賃補助)や保育・介護手当て、子育て支援などさまざまなものがあり、一般的に国公立病院や大規模病院ほど充実しています。福利厚生は、恩恵的に与えられるもので、福利厚生が充実している病院ほど費用負担が少なくなりますので、月額や各手当の詳細に加え、福利厚生の種類についても確認しておきましょう。

 

■年間休日総数が多い

多くの病院では、4週8休制(年間休日104日)をとっており、ここに有給休暇がプラスされ、年間休日およそ120日が就業先を選定する上での一つの目安となります。心身ともに安定した状態で継続していくためには、年間休日120日以上が理想です。

 

4、転職で失敗しないための病院選び(②求人先の詳細確認)

希望条件を整理し明確にした後、該当する求人があれば、「ホームページ」や「口コミ」で、また「内部情報」を詳しく調べてみましょう。不安点がみつかれば、応募を見送ることも大切です。

 

■ホームページで情報を収集する

ホームページ上で、病院の理念や取り組みなどを確認することで、ある程度病院の雰囲気が伝わってくるものです。履歴書の作成や面接にも役に立ちますので、細部まで読んでおきましょう。

 

■口コミを調べる

病院の口コミ情報は、インターネット上に数多く存在します。「先生・看護師が優しい」や「処置が丁寧」など、患者としての立場からの口コミ情報が大半を占めますが、これらは病院の実態でもありますので、大いに参考になります。

 

■内部情報を得る

職業紹介所を利用している場合、担当のスタッフ・コンサルタントに内部情報を教えてもらいましょう。必ず回答できるものではありませんが、離職率や就業者の年齢層などの一般的な情報であれば、多くの場合取得することが可能です。

 

5、転職で失敗しないための病院選び(③相違の確認)

求人先に応募した後、面接に移りますが、求人票の情報と面接時の説明が異なることがあります。入職後のトラブルの原因となりますので、求人票を持参し、条件に相違がないか、相違があった場合にはどちらが正しいのか、また説明のない条件についても詳しく確認しておきましょう。

内定後に条件の相違が見つかった場合には、労働条件の書面交付を求めます(書面交付を行わない病院への転職はおすすめしません)。職業紹介所を利用していれば、基本的に担当者が代行しますので、その旨を伝えてください。求人票との相違があり、納得・妥協できなければ勇気をもって辞退することも大切です。

 

6、転職で失敗しないための病院選び(④施設見学)

求人の情報やホームページ、口コミだけでは、病院の労働環境・人間関係を詳しく知ることができません。そのため、施設見学を案内していれば、必ず入職前に見学に行き、そこで病院内部の状態を自身の目で、肌で感じ取ってください。病院内部の状態が悪いと感じれば、辞退するようにしましょう。

自身で直接応募する場合には、電話やメール・申し込みフォームで申し込むことができます。また、面接時にもお願いできる場合がありますので、失敗しないためにも必ず申し出ましょう。職業紹介所を利用する場合には、担当者が代行しますので、応募の際に申し出てください。

 

■看護職員の様子を確認する

見学の際には、まず看護職員の様子をみます。疲れがないか(顔色や表情など)、挨拶はしっかりしているか、同僚や患者への対応、ナースステーションの雰囲気など、看護職員の様子をみることで、労働環境や人間関係などを知ることができます。

 

■整理整頓・清潔具合を確認する

整理整頓がされておらず、また清潔でない病院は、忙しい職場の可能性が高く、そもそも医療機関として不適当です。ナースステーションだけでなく、廊下や病室、更衣室、休憩室、仮眠室など、院内のさまざまな場所を歩き、ゴミが落ちていないか、整理整頓がされているかを入念に見ておきましょう。

 

■休憩室・仮眠室の状態を確認する

休憩室・仮眠室の居心地の良さも非常に重要なポイントです。上述の整理整頓・清潔具合はもちろん、広さや椅子・ソファ・ベットの数、ナースステーションからの距離など、しっかり休憩・仮眠ができる状態にあるかを確認しておきましょう。

 

7、転職で失敗しないための病院選び(⑤職業紹介所の選定)

ハローワークやeナースセンター、弊社が運営するジョブデポなど、さまざまな職業紹介所が存在しますが、職業紹介所の選択は、転職の成功・失敗に大きく関係し、サポートがしっかりしていないところでは、ある程度自身の力で探すしかなく、条件の良い病院を見つけ出すことは非常に困難です。

ジョブデポでは、国内トップクラスの求人件数を誇り、担当のコンサルタントが希望条件を詳しく聞いた上で、希望に見合う求人をご紹介し、さらに求人先との交渉も行っています。万全のサポート体制を整えていますので、転職の際には、ぜひジョブデポ看護師をご活用ください。ジョブデポ看護師を利用した看護師の体験談もありますので御覧ください。

 

まとめ

以上のように、「希望条件の整理」「求人先の詳細確認」「相違の確認」「施設見学」「職業紹介所の選定」をしっかりと行うことで、転職の成功率を大きく高めることができます。条件の良い病院は人気が高く、求職者が募集定員を上回ることがありますので、他の求職者に差をつけるために、履歴書と面接は入念に準備しておきましょう。

履歴書の効果的な書き方や好印象を与える面接の立ち居振る舞いについてまとめてあります。併せてお読みください。

 

参考文献

2016年 病院看護実態調査(公益社団法人 日本看護協会|2017年4月4日)

都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査(eナースセンター)

山岸愛梨 看護師

東京都在住、正看護師。自身が幼少期にアトピー体質だったこともあり、看護学生の頃から皮膚科への就職を熱願。看護学校を経て、看護師国家資格取得後に都内の皮膚科クリニックへ就職。ネット上に間違った情報が散見することに疑問を感じ、現在は同クリニックで働きながら、正しい情報を広めるべく、ライターとしても活動している。

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