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耳鳴りの原因|「キーン」音は腫瘍の可能性も!看護師が教える原因4選(2013/12/11)

公開日: : 最終更新日:2020/06/05 お役立ち 

 耳鳴りの原因

聞こえてくる耳鳴りはさまざま!

 

ある日突然、耳の奥から「ボー」「ゴー」という低い音、「ザー」という雑音、あるいは「キーン」という高い音が聞こえてくることがあります。そもそも、耳鳴りが聞こえてくるのは、置かれている環境が変化したか、それとも身体が何らかの異常を来しているかのいずれかになります。

 

まず、「ボー」「ゴー」という低い音の耳鳴りについてですが、これには首や肩の凝り等、一過性の身体的異常が関係している可能性が高いです。また、高い山に上ったり、海に潜ったり、あるいは飛行機に乗ったりしている時にも、気圧の変化により、「ボー」という低音性の耳鳴りが聞こえてくることがあります。

 

続いて、「ザー」という雑音が聞こえてくる耳鳴りについてです。このような耳鳴りが聞こえてくるのは、血行不良を起こしてしまっているためであり、身体の血行を良くしてあげることで、耳鳴りが解消されることがあります。

 

「ザー」という音が連続的に聞こえてくる場合には、脳へと繋がっている血管に異常が発生しており、脳出血の前兆であることが考えられます。重低音の雑音が聞こえてくるほか、目まいを伴っている場合には、メニエール病の可能性が高いです。

 

3つ目は、「キーン」という高音の耳鳴りです。低音性の耳鳴りと比べ、身体的危険性の高い病気を示唆していることが多いため、「キーン」という耳鳴りが聞こえてきた時には注意が必要です。そのような高音の耳鳴りが聞こえてくるのは、耳の最も内側に位置する内耳もしくは内耳と繋がっている聴覚神経に異常が発生し、脳が誤った信号を入力してしまっているためです。こうした高音性の耳鳴りが起こる背景には、加齢や疲労やストレス以外にも、顎関節症や難聴、自律神経失調症、脳梗塞脳腫瘍等と言った重篤な因子が関与している可能性があります。

 

以上のほかにも、中耳や耳の周辺の筋肉が痙攣を起こした時には、「トコトコ」「ポコポコ」といった、心臓の拍動よりもテンポの速い耳鳴りが聞こえてくることがあります。

 

ここからは「キーン」という耳鳴りタイプに限定し、その主な原因を取り上げたいと思います。

 

 

耳鳴りと難聴

 

耳鳴りと難聴とは深い関係にあり、耳鳴りの症状が出ている人の9割は、難聴の症状にも悩まされています。年齢を重ねると、身体の至るところが衰えてきますが、聴力機能も低下します。

 

同時に、「キーン」という耳鳴りの症状も現れます。聞こえが悪くなると、コミュニケーションがスムーズにいかなくなり、周囲の人との人間関係を損ない、精神的孤立化という結果を招いてしまいます。一度損ねてしまった人間関係を修復するには相当な時間がかかるため、聞こえが悪いことを周囲の人に告げる等といった努力が必要です。

 

聞こえが悪くなるのは、お年寄りの特権ではありません。大きな騒音のする職場にて長時間働いていたり、常にイヤホンやヘッドホンを装着し、大音量の音楽を聴いていたりするような若者も難聴予備軍ですので要注意です。大きな音に晒されながら何年も過ごしていると、聴力機能が低下し、「キーン」という耳鳴りが聞こえてくることがあります。

 

とは言え、そういう環境に置かれている人が皆、難聴や耳鳴りを起こしやすいというわけではなく、そのような環境に置かれても耳鳴りを全く感じないという人もいます。このようなタイプの難聴はゆっくり進行し、聴力を徐々に失うことになるわけですが、初期の段階で処置すれば、聴力を元通りに戻すこともできます。

 

逆に、初期の段階で症状を突き止められなければ、聴力の回復はほとんど見込めません。

 

加齢による耳鳴りでもなければ、職業性の耳鳴りでもない場合には、「突発性難聴による耳鳴り」と診断されることが多いです。ある日突然、何の前触れもなく起こり得るのが突発性難聴による耳鳴りです。

 

日本全国には35.000名を超える突発性難聴患者がおり、その数は年々増加傾向にあります。耳は最も外側から順に「外耳」「中耳」「内耳」の3つの部位によって構成されていますが、この突発性難聴とは最も内側にある内耳の異常によって引き起こされる病気です。

 

耳鳴りのほかにも、雑音が入ったり、耳が詰まったような感覚を覚えたり、目まいを伴ったりします。通常はどちらか一方の耳のみにそのような症状が現れます。突発的な耳鳴りを経験した人の多くは自己免疫の病気を抱えています。突発的な耳鳴りとウイルス性の病気との関連性も指摘されていますが、両者の関連性が医学的に解明されているわけではありません。

 

原因を特定しづらいのが、このタイプの耳鳴りの特徴です。40~50代の中年に多く見られる耳鳴りのタイプですが、幼い子供や高齢者の方でも発症することがあります。

 

 

耳鳴りとストレス

 

突発性難聴による耳鳴りの原因については、詳細に特定されているわけではありませんが、ストレスによる影響が大きいと言われています。浜崎あゆみさんが抱えていた病気が突発性難聴であり、仕事のことで色々ストレスを抱えていたものと思われます。

 

仕事において上司の言葉や態度に日々ストレスを感じている時、耳はなるべく情報を取り込まないようにしようとします。このような状態が限界に達した時、「キーン」という不快な音が現れ始めます。これは精神的なストレスにより、自律神経系のバランスが乱れてしまったがゆえに起こる身体現象です。

 

さらに恐ろしいのは、聞こえの悪さや耳鳴り自体が精神的なストレスとなり、耳鳴りの症状をさらに悪化させるという悪循環の原因にもなりかねないという点です。

 

精神的なストレスが原因で自律神経系が乱れる病気の代表が「自律神経失調症」や「メニエール病」です。これらの自律神経系の病気になると、耳鳴りと同時に、耳の閉塞感、目まい、動悸、ドライアイ、偏頭痛、食欲低下、便秘等の症状も現れます。場合によっては、耳鳴りと難聴のみが現れるケースもあります。

 

ストレスについては、精神的なストレスに限定されず、肉体的なストレスも含まれます。仕事や家事等で、一日中身体を酷使している状態が続くと、体内の血の巡りが悪くなり、「キーン」という耳鳴りが現れます。その場合、2週間ほど安静にしていれば、耳鳴りは自然と消え、元の健康状態に戻ります。

 

耳鳴りと風邪

 

風邪をひいた時にも、「キーン」という耳鳴りを覚えることがあります。風邪をひくと、鼻水が出たり、喉が痛くなったりします。耳と鼻とは「耳管」と呼ばれる管で繋がっており、風邪のウイルスが耳管に入り込み、中耳に感染を引き起こすため、風邪をひいた時、耳が痛くなったり、「キーン」という耳鳴りを感じたりします。

 

小さな子供に多く見られる耳鳴りのタイプですが、ごく稀に大人の方でも風邪を引いた時に「キーン」という耳鳴りを感じることがあります。毎年花粉症の症状に悩まされており「キーン」という耳鳴りが起こった場合には、風邪のウイルスが原因である可能性が高いです。

 

耳鳴りと腫瘍

 

「耳鳴りがなかなか止まない」と思って病院にへ診察してもらったところ、内耳の奥に脳腫瘍が形成されていたというケースもあります。一般に、平衡感覚と関係のある前庭神経に腫瘍が形成されることが多いです。

 

片側の前庭神経のみにできるため、片方の耳のみの聞こえが悪くなり、「キーン」という耳鳴りが現れます。聴神経にできる腫瘍は、比較的初期の段階で症状に気づくことが多く、良性腫瘍であるため、転移の心配もありません。

 

内耳の奥に腫瘍が形成されると、腫瘍によって顔面神経とその周辺の血管が圧迫されるため、顔面に痺れや痙攣といった症状も現れます。

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