保育環境|重要性と人的や物的の構成と内容、保育環境の本3選

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保育環境|重要性と人的や物的の構成と内容、保育環境の本3選
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保育環境|重要性と人的や物的の構成と内容、保育環境の本3選(2017/06/21)

公開日: 2017/06/21 : 最終更新日:2019/07/24 まなぶ 保育士 

保育環境

保育をしていくにあたり、「環境」は全てにおいてつながりをもち、必要になる重要な存在です。そのときその場所で適切な環境を見極めることが、保育士として大切なことです。ここでは、保育における「環境」の重要性と、保育現場での環境の考え方について詳しくご紹介していきましょう。

 

目次

  • 1、保育における「環境」とは
    • 1-1、保育における「環境」の重要性
    • 1-2、保育における「人的・物的」環境
  • 2、保育の「環境構成」
    • 2-1、保育の環境 「設定の方法」
    • 2-2、保育の環境 「内容」
    • 2-3、保育の環境 「自然」
  • 3、保育の環境に関する「本」
  • 4、保育の環境 「0歳児・1歳児・2歳児」
    • 4-1、「0歳児」の保育環境
    • 4-2、「1歳児」の保育環境
    • 4-3、「2歳児」の保育環境
  • まとめ
    • 参考文献

1、保育における「環境」とは

「環境」という言葉には、さまざまな意味が含まれていますが、保育における「環境」の意味は保育所保育指針をみると、保育の環境には、保育士や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、さらには、自然や社会の事象などがある。とあり、子どもをとりまく全ての物事が環境につながっていることがわかります。保育をするうえで、環境を考えることは保育士としてなくてはならない重要なことと言えるでしょう。

 

1-1、保育における「環境」の重要性

保育における環境は、子どもの心身の発達や成長にもかかわるものです。松島のり子氏の「保育の環境と領域「環境」の関係に関する一考察」にも、保育者が構成する環境によって子どもの発達が助長されることに加え、 保育者が構成する環境を超えて、 子どもの発達につながる環境がある。とあり、保育士が日々の保育で提供していく環境が、子どもに大きな影響を与えることは言うまでもありません。保育士は環境の重要性を理解し、適切に対応しなければならないのです。

 

1-2、保育における「人的・物的」環境

前にも述べたように、環境にはさまざまな意味が含まれています。たとえば「人的」な環境では、子どもとかかわる保育士はもちろん、クラスの友達や家族も子どもの人的な環境と言えるでしょう。子どもが安心して健やかに過ごしていくためには、周囲の人物による影響が大きくなります。さらに、「物的」な環境では、毎日過ごす保育室や園庭、遊具や道具などがあてはまります。子どもの安全を守るためにも、常に清潔や安全性を整えておかなければならないのが物的環境です。

 

2、保育の「環境構成」

保育士は、保育をしていく中で常に「環境構成」を考え、整えていかなければなりません。しかし、実際にどのようなことを考えていけばよいのかわかりにくい点も多いです。ここでは、保育の中で考える環境構成のポイントを確認してみましょう。

 

2-1、保育の環境 「設定の方法」

まずは、保育の環境をどのように設定していくべきかを考えてみましょう。たとえば、毎日過ごす保育室の物の配置。テーブルをどこに置くか、玩具や本棚はどのように整理するかによって、子どもの遊び方や心身の安心、安全にもつながっていきます。すぐに良い環境を目指そうとするのは困難なことなので、日々の改善を積み重ねることが大切です。ベネッセの「これからの幼児教育」では、佐藤将之氏がこのように述べています。保育者は環境について話し合い、改善につなげています。こうした方法などを用いて、子ども視点で環境を検討することが非常に重要だと思います。保育の環境を設定する際には、子どもの様子を日頃からよく観察しておくことが、よい環境を目指すためのポイントとなるのです。

 

2-2、保育の環境 「内容」

保育所保育指針にあげられている5領域の中の「環境」には、保育のねらいを達成するための具体的な内容が含まれています。幼稚園教育要領にある内容の一部をみてみると、身近な動植物に親しみをもって接し,生命の尊さに気付き,いたわったり,大切にしたりする。身近な物や遊具に興味をもってかかわり,考えたり,試したりして工夫して遊ぶ。などとあり、保育士が示すというよりも、生活や遊びの中で子どもがあらゆることに自発的に気付いたり感じたりできる環境づくりをすることがポイントとなっています。

 

2-3、保育の環境 「自然」

保育の中で、子どもと「自然」とのつながりを深めることも「環境」の目的の一つです。幼稚園教育要領には、身近な環境に親しみ,自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。とあります。子どもが自然に触れるためには、そのような環境を整えることが保育士には求められています。植物を育てたり、自然の豊かな場所に散歩したりと機会をつくっていきましょう。

 

3、保育の環境に関する「本」

このように、保育における「環境」は幅広い捉え方があり、その方法や内容も保育の数だけ存在しています。環境を考えるとき、その方法に困ったら、参考になる本を探してみましょう。ここでは、おすすめの環境に関する書籍をいくつかご紹介します。

 

■「指導計画」に迷ったら

保育の基本と環境の構成

出典元:保育の基本と環境の構成 指導計画の考え方・たて方(ひかりのくに|神長美津子|1998)

 

保育指導計画を立てる際にも、環境について考える必要があります。しかし、具体的にどのように記述していけばよいのかわからないこともありますよね。そのようなときは、環境の構成や指導計画の考え方が書かれているこちらの「保育の基本と環境の構成 指導計画の考え方・たて方」を参考にしてみましょう。実践方法や指導案の書き方もあるのでわかりやすく、きっと役に立ってくれるはずです。

 

■「保育室」の模様替えをしたいとき

保育環境づくり

出典元:子どもが育つ保育環境づくり園内研修で保育を見直そう(Gakken保育Books|柴崎正行|2013)

 

子どもが過ごす保育室は、子どもの生活の場となる重要な環境です。より良い保育を目指すためにも、園内でアイデアを出し合っていくことが大切です。そのときにとり入れたい本が、こちらの「子どもが育つ保育環境づくり 園内研修で保育を見直そう」です。園内研修に活かしていける工夫が詰まっているので、園に一冊あると便利です。

 

■「年齢別」に環境を考えたいなら

0~5歳児の発達と保育と環境がわかる本

出典元:0~5歳児の発達と保育と環境がわかる本(ひかりのくに|大竹節子・塩谷香|2012)

 

保育では、その子どもの年齢によって求められる環境が大きく変わります。そのため、子どもの発達状況や成長に見合った内容を考えていかなければなりません。そこでおすすめしたいのが「0~5歳児の発達と保育と環境がわかる本」です。具体的な保育園での例をあげながら解説してくれているので、明日からでも活かせる環境の本です。

 

4、保育の環境 「0歳児・1歳児・2歳児」

保育園での環境は、0、1、2歳児とそれ以上の子どもとは大きく意味合いが違います。教育とともに「養護」という使命をもつ保育園にとって、0、1、2歳児の環境は「安全・安心」を第一に考えていかなければならないのです。ここでは、年齢別に重要となる環境設定について考えてみましょう。

 

4-1、「0歳児」の保育環境

0歳児の保育では、乳児が保育室や保育士に安心感をもてるような環境を心がけなければなりません。また、感染症や事故、怪我などの発生を防ぐためには、こまめな消毒や物の配置を考慮しましょう。保育所保育指針には保健的で安全な環境をつくり、常に体の状態を細かく観察し、疾病や異常は早く発見し、快適に生活できるようにする。とあり、安心して過ごせるようにしていくことが求められています。

 

4-2、「1歳児」の保育環境

活動が活発になりはじめる1歳児の保育環境は、0歳児から引き続き安全に配慮した環境を心がけるとともに、保育士が見守る中で安心して活動できることが求められます。自発的な行動も増えてくるので、その欲求を妨げないような環境を整えていきましょう。保育所保育指針にも、このようにあります。安全で活動しやすい環境の中で、自由に体を動かすことを楽しむ。

 

4-3、「2歳児」の保育環境

保育士や周りの子どもとの関係性も深まりはじめる2歳児は、安全や安心できる環境はもちろん、生活や遊びの中で感性を育む環境づくりが必要になります。身の回りのものや親しみの持てる小動物や植物を見たり、触れたり、保育士から話を聞いたりして興味や関心を広げる。とあるように、さまざまな体験ができる設定をしていき、子どもの豊かな成長につなげていきましょう。

 

まとめ

「環境」は、保育の全ての事柄に関係性をもつものです。まずは、保育士としてその意味をよく理解し、自身の保育にどう活かしていくのかを考えていきましょう。また、環境の構成や設定は、その日限りのものではありません。日々のつながりを大切にして、明日の環境づくりをさらに良いものにできるようにしましょう。

 

参考文献

「保育の環境と領域「環境」の関係に関する一考察」(松島のり子|2016)

「これからの幼児教育」(ベネッセ 2013春第2特集p16-23|2013)

jdepo

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