ヨコミネ式保育とは|保育園・幼稚園で実施されるメリットとデメリット(2017/09/14)
テレビなどでも特集を組まれて耳にすることも多いヨコミネ式保育について紹介します。保育の考え方や、メリットやデメリットなどもまとめていくので、ヨコミネ式保育とは何かを考える時の参考にしてください。
1、ヨコミネ式保育とは
ヨコミネ式教育法の公式ホームぺージを見ながらどういうものを指すのかまとめていきます。
この保育の最終的な目標は「自立」です。ヨコミネ式保育では、家庭内暴力や引きこもりなどは過保護に過ごした結果だと考えているので、「心の力」と謳い正義感や道徳観を育てて、甘やかし過ぎずに我慢する力を身に着けていくことが大切だとしています。過保護に過ごしていいのは2歳までで、3歳を迎えた頃から自立に向けてヨコミネ式の保育を行っていきます。また、「心の保育」の他に「体の力」「学ぶ力」を掲げています。
では3つの力の内容を簡単に以下にまとめます。
・「心の力」とは
前述の通り、幼少期に溺愛し過ぎた影響で、自分の欲求をコントロールする力が弱くなり自分の欲求のままに衝動的に動くことのないように忍耐力を幼少期から身に着けていく力のことを指します。そして自ら考え、自ら判断し、自ら行動・実践することを目標に自立へと向かっていくのです。
・「体の力とは」
体の力とは体力や柔軟力のことを指します。運動神経の基礎は6歳までに固まると言われているので、ヨコミネ式保育では走力・泳力・柔軟性・体操に力を入れています。
近年では公園の減少などから外遊びをする子どもたちが昔と比べて減ってきていると言われています。その結果培うことの出来にくい環境となっている「体の力」を養う為にヨコミネ式体操を保育の中に取り入れていっています。
・「学ぶ力」とは
学ぶ力とは「読み・書き・計算」を通して自ら学んでいく力のことを指します。他にも自然体験や友人との関係の中から得ていく経験も学ぶ力となります。ヨコミネ式保育ではいわゆる「勉強が出来る」というのが目標ではなくて、生き抜いていく知恵を身に着けていける理解力・洞察力・思考力といった力が重要視されています。
2、ヨコミネ式を取り入れている保育園
実際に保育園ではどのように行っているのでしょうか。
こちらは3歳以上の子どもたちに「YYプロジェクト」としてヨコミネ式保育を取り入れています。従来のヨコミネ式保育と同じで3つの力を中心に子どもたちの力を引き出していきます。他にもこちらの保育園の特色としては、正課レッスンとして「石井式漢字教育」や「ビッテ式家庭教育」などを導入しています。たくさんのカリキュラムを展開することで子どもたちの潜在的な力を育てることが出来ると考えています。
五台山保育園は家庭の温かさをそのままにすることを大切にしながら、2歳からヨコミネ式保育を導入しています。「体の力」を鍛える一環で、3~5歳児は週に1度専門講師を招いて体操教室を行っています。他にも毎日柔軟体操をする時間を設けたり、読み書きする時間を設けるなどしてヨコミネ式保育の3つの力を伸ばしていきます。
3、ヨコミネ式を取り入れている幼稚園
続いて、幼稚園を紹介していきます。
出典:わかまつ幼稚園
名古屋市北区にある「わかまつ幼稚園」は社会性やルールを身に付けたり、友だちの大切さを学びながら、一人ひとりの個性を育てていくことを目標としています。わかまつ幼稚園では、「やる気になる4つのスイッチ」として、競争したがる気持ち、真似したがる気持ち、ちょっとだけ難しいことをしたがる気持ち、認めてもらいたがる気持ちを日常保育の中で意識しながら日々の活動を行っています。他にもこちらの幼稚園の特色としては朝と帰りにかけっこをする時間を設けていることが挙げられます。
出典:いちょう幼稚園
こちらの幼稚園は毎日裸足でかけっこをする時間を設けていたり、柔軟体操をする時間も設けています。また3歳からは読み書きの時間もあり、掛け算・割り算まで進めていきます。他にも絶対音感を育んでいく為に、鍵盤ハーモニカを年中クラスから取り入れていきます。
これらのカリキュラムは、yokomine式学習帳に従って1人ひとりに寄り添いながら無理なく進めていきます。
4、メリットとデメリット
では、メリットとデメリットについて見ていきましょう。
ヨコミネ式のカリキュラムは前の項目でまとめてきたように読み書きの力を身に付けたり、体操にも力を入れています。こうしたことからお母さん方の間では「習い事をわざわざしなくてもいい」という意見が多いようです。「全ての子どもは天才である」という前提の下でその潜在的な能力を引き出していくべく保育を行っていきます。
また日経DUALの取材を受けた天才キッズクラブは、とにかくポジティブに褒めることを意識しているそうです。そして、やらされているのではなく自らやりたいと思える環境で伸び伸びとプログラムに取り組んでいくのです。こうした子どもたちの力を開花させるようなカリキュラムがヨコミネ式のメリットと言えるのではないでしょうか。
では、ヨコミネ式保育で挙げられるデメリットですが、体を思いっきり動かして活動する分、怪我をして帰ってくることが多いとの声もありました。
5、教材
ヨコミネ式の教材はこちらののホームぺージ内で多数紹介されています。
出典:ヨコミネ式!『頭のいい子』に育てる10歳までのハッピーバイブル(知的生き方文庫|横峯吉文|2011年8月20日)
参考画像のような子育て指南本のようなタイプのものも販売されています。こちらの内容は「5歳で小学校1、2年生の漢字を習得」「5歳までに平均3000冊の本を読破」など一瞬たじろいでしまうような内容の根拠などを本の中で解説されています。
出典:家庭でできるヨコミネ式DVDブック1、読み(ウッドオフィス|横峯吉文|2013年)
また、家庭でも行えるヨコミネ式の学習シリーズも販売されています。こちらは「読み」「書き」「計算」の3つがあります。DVD付きで映像での解説も収録されているのでヨコミネ式について学ぶことが出来ます。
6、その後
最後に気になるのが幼少期から力を伸ばして大きくなってきた子どもたちの将来についてです。
元中学校教師をされていた道山ケイさんのブログによると、ヨコミネ式保育を辞めてしまってからは能力が元に戻っていってしまったという声も少なくはないようです。
一方で、読み書きなど継続して家庭などで続けている場合は、小学校に上がってからも素晴らしい成績を納めていたという声もありました。つまり、何事でもそうですが継続しなければ維持していくことは難しいので、せっかく潜在的な力を高めたのなら持続出来るような環境を家庭もしくは習い事などで保っていくことが必要となります。
まとめ
ヨコミネ式保育についてまとめてきました。
基本的な考えである自立を目指すべく「心の力」「学ぶ力」「体の力」の3つの力に分けて独自のカリキュラムを行っていることが分かりました。ヨコミネ式保育は目指すべくレベルが高い分、子どもの力を伸ばしてくれるという意見もあれば、厳し過ぎて子どもが気後れしてしまうという意見もありました。子どもの性格と合えば能力を伸ばしてくれる素晴らしい保育方法とも言えますが、保育園や幼稚園だけで完結するわけでなく卒園してからも同じような環境を保っておかないと能力は衰えていってしまうということも分かりました。
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