保育の場面で活用出来る10の布遊びアイディア(2018/01/21)
布一枚用意すれば工夫次第で様々な遊びを展開していける布遊びは、保育の中でも取り入れやすい遊びの一つです。年齢に応じて顔を隠したりするような簡単な動作から布を折ったり結ぶなどして変形させて遊ぶような手先の器用さが必要となるものまで使い方は多岐に渡るので、保育の中で取り入れやすい布遊びの10のアイディアをこれからまとめて紹介していきます。是非参考にしてみてください。
1、布遊び
布一枚用意するだけで遊びが広がっていく布遊びは保育の中でも手軽に取り入れることが出来ます。用意する布は様々で、シフォン布、ハンカチ、風呂敷、バスタオルなど大小異なる大きさで布遊びが楽しめます。
出典:メルヒェン
赤ちゃんでも楽しめる素材でおススメなのがシフォン素材の布です。シフォンとは薄くて柔らかい織物で小さく折りたたんだり、丸めたりといろんな形で楽しむことが出来るのが特徴です。また透けて向こう側が見えるので、赤ちゃんにかぶせて遊んでも様子が分かるので安心です。とても軽いのも特徴で上に向かって放り投げるとゆっくりひらひらと落ちてくるので物を追えるようになったばかりの赤ちゃんのおもちゃとしても適しているのです。
出典:ふしぎなハンカチ遊び100(鈴木出版|たきがわたかし たきがわきょうこ|2004年)
また、布遊びの定番とも言えるハンカチ遊びをまとめた本も出版されています。ハンカチを丸めたり、折ったり、結んだりと基本のハンカチの扱い方から丁寧に解説されています。子どもの時に一度は作ったことのあるバナナや、ユニークなエビフライや口紅といったモチーフが100例紹介されています。あいうえおの索引も付いていて作りたいものをすぐに検索することが出来て便利です。赤ちゃんから年長さんを対象に構成されているので、長く楽しめる一冊となっています。
2、布遊びを保育に取り入れるねらい
布遊びを保育で取り入れるねらいについて見ていきましょう。良いおもちゃの条件は、触って気持ちのよい素材や、キレイな色、身近にあるもの、用途を限らず様々な遊びに発展出来るものなどが挙げられるので、正に布遊びはこれらの条件に適したおもちゃだと言えます。
工夫次第で変幻自在に操れる布遊びは、想像力も培われ、赤ちゃんから成長して大きくなっていってもずっと遊んでいくことが出来るので、保育の中でも年齢問わず活動の中に取り入れていきましょう。
では、布遊びを行う1歳児の実践事例を見て、布遊びを行うねらいを考えていきます。こちらはハンカチやタオルなどいろいろな布を用意して「いないいないばあ」や「ポップコーン遊び」を楽しみました。その際の布遊びのねらいは、布の感触を楽しみながら保育者や友達と顔を見合わせて繰り返し遊んでいき、意欲的に自ら進んで遊んでいくこととしています。布に対して楽しそうだなぁといった遊びたくなる気持ちを盛り上げ、また、どうなるんだろうといった興味や関心を抱かせるよう保育者が工夫していくと、布遊びを通して子どもたちが考える力を培っていくことが期待出来ます。そんな布遊びの具体的な遊び方の10のアイディアを紹介していくので参考にしてみてください。
3、0歳児・乳児に適した布遊び
①大きいシフォン遊び
こちらはシフォン布をまだ寝んねの時期の赤ちゃんに被せて反応を見たり、「いないないばあ」をして見え方の変化を楽しんでもらっている様子です。シフォン布はとても軽いので赤ちゃんにとっても負担も少なく、また透けているので保育者側も赤ちゃんの様子が分かって安心して使用することが出来ます。
大きいシフォンを用意して寝んねしている赤ちゃんの上に一斉にかけて、みんなでシフォンの感触やシフォンの中からの景色を共有することが出来ます。
②大布玉入れ
出典:子どもが10歳になったら始めよう!幸せな社会人の育て方
こちらは広げた大きな布の上を大人が持ち、ハンカチを丸めて作ったボールを玉入れの要領で乗せていきます。ハンカチが大布の上にたくさん溜まったら「いちにのさん!」の合図で大きな布を持ち上げながら畳むとハンカチボールが飛び出して子どもたちが喜びます。ハンカチボールは、軽いのでぶつかってしまっても痛くなく乳児が遊んでも安心です。
③布のしっぽ取り
出典:子どもが10歳になったら始めよう!幸せな社会人の育て方
ハンカチぐらいの大きさの布をズボンやスカートの腰の辺りに差し込みしっぽに見立てて、追いかけっこをしてしっぽを取り合いして遊んでいきます。単純なルールなので乳児の子どもたちでも楽しむことが出来ます。事前にグループに分けておき、取り合いっこを行って、最終的にしっぽが残った子どもの数で勝ち負けを決めてみると盛り上がります。
4、わらべうたで楽しむ布遊び
④うえからしたからおおかぜこい
こちらはハンカチやシフォン布などを用意して「うえからしたからおおかぜこい」といった簡単な歌を歌いながらリズムに合わせて布を上下に動かして遊びます。単純な動作なので小さな子どもでも一人で行うことが出来ます。みんなで輪になって歌に合わせてやってみるとより楽しめます。
⑤じーじーばぁ
こちらは布遊びの定番ともいえる「じーじーばぁ」です。「いないないばぁ」のような要領で楽しめ、「じーじーばぁ、じーじーばぁ、ちりんぽろんととんでった」という短い歌詞の歌となっています。ばぁの部分で布を下げて子どもに顔が見えるようにして、ちりんぽろんのところは布を左右に振り、飛んでったのところで布も飛ばしてしまいます。赤ちゃんに適した布遊びのわらべうたで、とても短いので飽きることなく楽しんでもらえます。
⑥かごかごじゅうろくもん
二人一組となり、布を広げて両端を持ちます。真ん中にぬいぐるみを乗せてハンモックのように「かごかごじゅうろくもん」の歌に合わせて揺らしていきます。息を合わせることが重要となるので、コミュニケーション能力を築いていくきっかけとなることも期待出来ます。
⑦なみなみわんわちゃくり
こちらも布の両端をお互いに持ち、「なみなみわんわちゃくり」の歌に合わせてゆらゆらと揺らし、節の終わりに布を持ったまま二人でぐるりとその場で回ります。布を持ちながら回ることは難しく、二人同時に回転するタイミングを掴まないといけないので、反射神経も必要となり、子どもたちも楽しく取り組むことが出来ます。
5、草遊びと共に楽しむ布遊び
⑧草木染め
こちらは園芸などでも馴染みのあるマリーゴールドや、河原でよく見かけるセイタカアワダチソウを使って草木染めを行っている様子です。身近にある植物で白い布が染まっていく過程を楽しむことが出来ます。
出典:御南認定こども園
ハンカチを縛って草花を煮詰めて出来た液に20分ほど漬け込んでから縛った部分をほどくと上記の参考画像の様に世界に一つだけのオリジナルのハンカチを作製することが出来ます。
簡単に染め上げることが出来るのでみんなで挑戦してみるのもおススメです。
⑨葉っぱアート
出典:ワークショップHIRO
こちらはランチョンマットをキャンバスに見立てて、季節の草花などを自由に並べていきます。枠組みは画用紙を切り取って作っていきますが、ルールなどがあるわけではなく、思い思いに仕上げていきます。草花の他にも夏なら貝殻、秋ならどんぐりを添えると季節感も出てユニークな作品になります。
また、葉っぱを並べるだけでなく葉っぱに絵具などをつけてスタンプのように布に押し当てていくと長期間保管の出来る葉っぱアートが楽しめます。無地の巾着袋に葉っぱのスタンプで模様をつけていき、自分だけのオリジナルグッズを作製するのもおススメです。
⑩布で束ねるブーケ
出典:Bricolage
こちらは布花教室の作品の写真ですが、難しいことは必要なく、この参考画像のように、咲いている草花を摘んできてリボンやレースの端切れなどを巻き付けるだけでも可愛らしいインテリアを作製することが出来ます。
こちらの参考画像は、筆者がクリスマスの飾りを自宅で作製したものですが、庭に咲いているハーブを摘み、端切れを巻き付けて、拾った木の実を添え先端を金色の絵具で塗って仕上げただけの簡単な作品です。こちらを目立ちにくい場所にピンを刺して壁飾りにすると手軽でオシャレな部屋飾りとしても楽しむことが出来ます。ただ、草花を飾るより、端切れを巻き付ける一工夫で、ぐんと雰囲気が出るのでおススメです。
まとめ
布を通して子どもたちが楽しめるアイディアについて紹介してきました。特別な道具を用意する必要なく、布一枚だけで楽しめるものばかりなので、保育の現場でも手軽に取り入れることが出来ます。布遊びのアイディアも年齢に応じて様々なものがあるので、活用する場面に合わせて是非参考にしてみてください。
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