こどもの心を開かせるための話し方とは?(2016/02/01)
親としてはこどものために、こどもが立派に育って欲しい、回りから愛される人になって欲しい、結婚してからも幸せに暮らして欲しいなどの願いがたくさんあるからこそ、言うことを聞かなければ怒ったり、無理にでもさせようとするのでしょう。
親としてはある目的のために、親の考えを納得させるために様々な方法を動員してその目的を達成させようとします。
しかしその方法が間違っていると、親の目的としていた方向とは全く反対の方向に進んでしまう恐れがあります。
自分のこどもであったとしても独立した個人なので、こどもの立場になって共感してこどもが自ら幸せになれる方向に促してあげるのが、親としての役割だと思います。
目次
1.人の心を開かせる人、閉ざさせる人
私達が生きている社会は、全てが人間関係で繋がっています。夫婦、家族、親戚、学校、会社、地域どこでも同じように、規模の差はありますが人と人が触れ合い共存しているのがこの人間社会です。
こどもだけでなく大人同士でも会いたい人、悩みを相談したい人、電話して話をしたくなる人、一緒にいるだけで心が和む人がいる反面、会いたくない人、顔を見るのも嫌な人、一緒にいたくない人がいるでしょう。
大人の場合には置かれているお互いの環境や位置、関係にもよりますが、基本的にはその相手が自分に取る態度、口から出てくる言葉によって、その相手に対する印象や感情が大きく左右されることになります。
自分の意見に共感してくれる人、いつも受け止めてくれる人には会いたくなるものですが、自分の考えにいつも反対する人、自分をなんとか説得させようとさせる人は避けてしまうようになるでしょう。
大人でもそうなのにこどもならもっと、自分を認めてくれる人、理解してくれる人、元気付けてくれる人に心を開くのではないでしょうか?
2.心を閉ざさせる質問
例えばお風呂嫌いなこどもを、お風呂に入るように促したい場合、あなたならどうしますか?
2-1.命令
「遊んでないでさっさとお風呂に入りなさい!」
2-2.脅迫
「今入らないと明日遊びに連れて行かないわよ!」
2-3.説教
「ママの言うことを聞くのがあなたのためよ。」
2-4.提案
「毎日ママにブツブツ言われるのも嫌でしょ、早く入ったら?」
2-5.理屈
「お風呂に入ったらすっきりして気持ちいいでしょ?」
2-6.避難
「何でこんなに言うこと聞かないの!」
2-7.同意
「入りたくなければ入らなくていいよ。」
2-8.辱める
「お風呂に入らないなんて友達に嫌われるよ。」
2-9.解釈
「遊ぶ時間がなくなると思って入らないの?」
2-10.激励
「嫌でも頑張って入ってみたら?」
2-11.尋問
「一体どうしてお風呂が嫌なの?理由は何?」
2-12.ごまかし
「とりあえず入ってみたら?面白いかもよ。」
いかがでしょうか?
これらはこどもが心を閉ざしてしまう代表的な12種類の対応だと言われています。
こどもの考えを尊重していない、ただ一方的に親の考えを押し付けられる、こどもの気持ちを全く理解していない話し方です。
3.こどもが話したくなる聞き方
それではこどもが心を開いて、話をしたくなるにはどのように話しかけたら良いのでしょうか?
まずは相手を理解するための方法として、受動的な方法と能動的な方法のふたつがあります。
受動的な方法の中には沈黙とあいづちがありますが、これには黙って相手の話を聞くという意味が込められており、相手が自分の考えを表現できるように促すという目的があります。それによって相手が話した内容に同意して理解しているという意思を表示することによって、さらに深く相手の気持ちを掘り出すことが可能になります。
しかしこれだけでは十分ではないケースもあります。
その場合には次のような能動的な方法がとても大切な働きをしますが、これはさらに建設的なコミュニケーションを誘導させることができます。
3-1.繰り返す
3-2.内容をまとめてあげる
3-3.気持ちに共感する
まずはこどもが言う内容を繰り返して、
「もっと遊びたいんだ。」というと、
「そうか、もっと遊びたいのね?」
と言うことによって、こどもは自分の気持ちが受け止められたと安心します。
次に話す内容をまとめてあげましょう。
「今見ているテレビはどうしても見たいんだ、ママはいつもボクが好きなテレビの時間にお風呂に入れって言うんだ。」といえば、
「そうか、○○ちゃんが見たいテレビの時間にママがお風呂に入りなさいって言ったから、お風呂に入りたくないって言ってたのね?」という風にまとめてあげることによって、自分の言いたいことを理解してくれたと思うでしょう。
最後にとても大切なことが、こどもの気持ちに共感してあげることです。
「○○ちゃんは今テレビが見たかっただけなのね。ママも好きなドラマが終わってからお風呂に入るから同じだね。」
このように話したら、ママはいつも自分を理解してくれる見方だ、と思うでしょう。
4.こどもが心を開く親になるには
家庭の中でこどもに対する言葉や態度がどうなのか、振り返ってみることも大切です。親が育てているからと言って、全て親の思い通りにさせることが教育ではありません。
こどもは何も分かっていないから、判断基準が立っていないからと、どうしても親の思う通りにさせることが正しいと考えてしまいますが、幼くても一人の人格であり、自分とは違う個人であることを認識しましょう。
こどもの考えを尊重して理解して共感してあげて、こどもが自分で努力して成し遂げたり、あらゆる物の中から選択して成功していくことができるように、応援してあげましょう。
その基本として、ご両親がお子さんのことを心から愛している、ということをいつも伝えてあげることです。
そうすればこどもがいつも自信を持って、何事にも自信を持って積極的に取り組んでいくようになるでしょう。