壁面保育|春夏秋冬、お正月、ハロウィンなど型紙を使った飾りの作り方(2017/03/14)
どの園を覗いてみても、必ず壁に見つけられる「壁面」。保育士が作ったもの、または子どもたちと一緒に製作として作ったものなど、壁を彩るものはさまざまです。「他のクラスとちょっと差をつけたい」「子どもとおもしろい壁面作りたい」という保育士のための、壁面保育のアイデアをいくつか集めてみました。
目次
1、壁面保育とは
壁面保育は保育室を明るく彩るために、大半の園がとり入れている壁面の装飾です。子どもが多くの時間を過ごす保育室、閑散とした雰囲気では物寂しいものです。そのような雰囲気を美しく、また楽しく彩るために、色画用紙、型紙で作った装飾を壁面に飾る「壁面保育」をする習慣が生まれました。壁面を飾るものの内容としては、花や動物、春・夏・秋・冬、ハロウィン、お正月など季節感のあるもの、園によっては子どもの好きなキャラクターを貼っている場合もあります。その内容やテーマは、園の意向や保育士によって異なっているようです。
1-1、見直されている壁面保育
「喜ぶ子どもたちのために」と、シーズンごとまたは毎月に、多くの保育士が色画用紙、型紙で壁面装飾を準備しています。しかし、最近では多忙なために持ち帰って作業するケースが多く、保育士の負担となっている現実があります。さらに、たくさんの色画用紙、型紙などの資材を使用することから、「時間と資源がもったいない」という意見が増えてきているのです。保育室を豊かにしたい、部屋に入ってくる子どもたちを笑顔にしたい。はじめは「子どものために」という目的で行っていた壁面保育ですが、その必要性やとり入れ方が改めて見直されています。
1-2、子どもと作る壁面保育
ならばと、新たに保育士が始めているのが「子どもと作る」壁面保育です。保育製作の中に、壁面の製作もとり入れてしまおうというものです。以前にもそのようなスタイルの壁面装飾はたくさんありましたが、保育士の減少や仕事時間、資源の効率化を図るために、積極的に行う園が増えてきているようです。たしかに、3月ならお雛様の製作、5月ならこいのぼりの製作を作りそのまま壁に飾れば、保育室は春夏秋冬、ハロウィン、お正月など季節感のある賑やかな雰囲気になりますよね。シーズンを過ぎたら子どもたちはそれぞれ作った製作を壁から取り、持ち帰ることで「もったいない」問題も解決できます。
ただ、他クラスと内容が被ってしまう、年間を通して雰囲気があまり変わらないということになってはまた問題です。同じような内容でパターン化してしまわないよう、保育士のアイデアが必要になります。
2、立体的な壁面保育でクラスを異空間に
子どもと一緒に壁面装飾を作るとなると、できることも限られてしまうと思ってしまいがちですが、実は子どもが作るからこそおもしろさ無限大の壁面が生まれます。まずは、飾るだけでクラスをまるで異空間のように飾る、「立体的」な壁面を作ってみましょう。
2-1、春夏秋冬、ハロウィン、お正月など季節感のあるものを立体的に作る
その季節ならではの植物や動物、食べ物などを立体的に作り、壁を飾ってみましょう。製作工程は、無理に凝ったものにする必要はありません。クラスみんなの作品を壁に飾れば、簡単な製作でも立派な飾りとなるのです。たとえばこちらの夏の壁面では、折り紙や画用紙、型紙を使ってカブトムシやクワガタムシを作っています。折って作られているため、立体的でリアルですよね。また、子どもたちの手形で彩った木も大きく立体的で、まるで森の中にいる雰囲気が素敵です。
引用元:朝日塾幼稚園
乳児クラスなどまだ製作が難しい子どもの場合は、新聞紙をクシャクシャするだけでも壁面の製作に参加できます。こちらは秋のおいも掘りの様子を壁面で飾っています。おいもは本物そっくりですが、新聞紙や色画用紙をクシャクシャおいもの形にするだけでも、壁面の主役になってくれますね。
引用元:茨城女子短期大学
2-2、みんなの作品が一つの作品に
みんなが作った壁面製作を工夫して飾り付けることで、一つの作品として素敵にみせることもできます。たとえばこちらのクリスマスの壁面は、子どもたちそれぞれが作ったリースを、クリスマスツリーのように飾っています。クラスが協力して作ったことがひと目でわかりますね。
引用元:蓮見幼児学園
このように、立体的な壁面は、保育士の工夫で保育室を楽しく飾ることができます。毎年同じような壁面ばかりになってしまっていると思ったら、子どもたちと「立体的」な壁面保育にチャレンジしてみましょう。
3、果物の壁面保育で彩り豊かに
子どもたちが過ごす園の壁面保育は、「季節感」も重要視されます。たとえば、春は桜、夏は海、秋は紅葉、冬は雪。このように、子どもたちが季節を感じられる保育室の壁面を飾ることも大切なポイントです。そこで、季節を表現するときによく活用されるものに「果物」があります。彩りもキレイになるので、壁面の内容に困ったときは季節の果物を作り、飾ってみましょう。
春はいちご狩りの季節。こちらのクラスでは、楽しくいちご狩りをしている様子を壁面で飾っています。いちごは色画用紙、型紙を丸めて立体的に作っています。自分の絵を書いてクラスみんなで飾ることで、子どもたちも見ているだけでうれしくなる壁面になっています。絵やいちごにそれぞれの個性があるので、保育参観や送り迎えのときに、保護者にもぜひ見てもらいたくなりますね。
引用元:千里敬愛保育園
秋は一年の中でもいちばん果物が豊かに採れる季節。柿やりんご、栗やぶどうなど、好きな果物を使って壁面をいっぱいに彩りましょう。こちらは柿とぶどうの壁面です。子どもの似顔絵を柿に付けて、可愛らしい印象になっています。子どもの絵の一つひとつに動きがあるので、ずっと飾っていても飽きないですね。一つの絵のように賑やかで楽しい壁面です。
引用元:諏訪森幼稚園
このように、子どもに旬の果物や野菜を伝える意味でも、壁面の季節感は楽しく活かせます。子どもと「春の果物は何にする?」と、保育の中で一緒に考えてもおもしろいですね。飾り方もひと工夫して、そのクラスにしかない味を表現してみましょう。
4、材料費無料のエコな壁面保育
前にも述べたいように、壁面製作を作るたびにたくさんの資材を使うのはもったいないと感じている保育士も多いはずです。そのようなときは、子どもたちの家庭で出た資源を回収して、エコな壁面保育をしてみませんか?牛乳パックやトイレットペーパーの芯、プラスチック皿など、意外と素敵に活用できる優秀なものばかりです。
4-1、牛乳パックでダイナミックに
牛乳パックは、他の紙材、型紙に比べて丈夫で子どもたちにも扱いやすく、どの家庭にもあるものなので数日でたくさん集めることができます。ちぎった色紙を貼り付ける、好きな形に切るなど、作りたいものに合わせて工夫し、活用してみましょう。
こちらは牛乳パックを使って、お正月の壁面に飾る「獅子舞」を作りました。色紙を貼り付けるだけでお馴染みの牛乳パックが立派な獅子舞の姿になっています。獅子舞の表情が作る子どもによって怖かったり笑っていたりと、見ていて楽しい壁面制作ですね。しばらく飾ったら、早めに持ち帰ってもらい、それぞれの自宅でも飾ってもらいたい作品です。
4-2、トイレットペーパーの芯で壁面保育
トイレットペーパーの芯も、すぐに回収できていろんなものに活用できる無料の資源。こちらのクラスでは、トイレットペーパーの芯を使ってこいのぼりを作り、5月の壁面保育にしました。子どもの月齢に合わせて色紙、型紙を貼る、絵の具で塗るなど工夫ができます。大きな口を開ける姿は、トイレットペーパーの芯がぴったりですね。トイレットペーパーの芯は、常にでてくる資源なので、定期的に集めて壁面製作に活用しましょう。
エコなうえに、家庭にも協力してもらうことによって、保護者に壁面保育に関心をもってもらうきっかけもできます。クラスだよりなどで呼びかけて、回収できたらぜひチャレンジしてみましょう。
まとめ
壁面保育は、子どもたちが楽しく園生活」を送るためには欠かせない環境の一つです。保育士のアイデアや飾り方次第で、その環境の雰囲気はガラッと変わります。ただ、壁面装飾を「保育士が作るもの」と、負担に感じてしまうのではなく、子どもにも積極的に製作に参加してもらいましょう。みんなで楽しい保育室を作り上げることで、クラスもさらに盛り上がるはずです。
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