保育の意味|視診、雛人形、養護など保育をする意味を学ぶ

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保育の意味|視診、雛人形、養護など保育をする意味を学ぶ
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保育の意味|視診、雛人形、養護など保育をする意味を学ぶ(2017/06/15)

公開日: 2017/06/15 : 最終更新日:2017/07/26 まなぶ 保育士 

保育の意味

普段、行っている保育の1つ1つにはそれぞれ行う大切な理由があります。

忙しい保育の現場ではそうした意味について考える時間はなかなか取れないとは思いますが、保育とは何だろうと改めて考える時に、参考になりそうな保育用語であったり、それらを行う意味について項目ごとにまとめていくので、是非活用して下さい。

 

目次

  • 1、保育を行う意味とは
    • 1-1、教育から見る保育
  • 2、保育の現場で視診を行う意味とは
  • 3、保育の現場で雛人形を飾る意味とは
    • 3-1、ひな祭りの本
  • 4、保育における養護の意味とは
  • 5、市販の保育用語辞典
  • まとめ
    • 参考文献

1、保育を行う意味とは

日々、保育の現場で子どもたちと向き合っているかと思いますが、そもそも保育を行う意味とは何なのでしょうか。決められた時間、ただ子どもたちを預かるだけではなく、保育園に期待されている役割はたくさんあります。

保育所保育指針から抜粋すると、保育所は、児童福祉法に基づき保育に欠ける乳幼児を保育することを目的とする児童福祉施設となります。 乳幼児が、生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごすところとなるので乳幼児の最善の利益を考慮していかなければなりません。

保育所における保育の基本は、家庭や地域社会と連携を図り、保護者の協力の下に家庭養育の補完を行い、子どもが健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境を用意し、自己を十分に発揮しながら活動できるようにすることにより、健全な心身の発達を図るところにあります。そのために、養護と教育が一体となって、豊かな人間性を持った子どもを育成するところに保育所における保育の特性があると記されています。

 

1-1、教育から見る保育

養護と教育が一体となったものであると聞くと、教育の部分に余りピンと来ないかもしれません。事実、保育所の規定を決めている児童福祉法では保育における「教育」には、「義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとしての満3歳以上の幼児に対する教育」は含まれていません。幼児の教育は、学校基本法のある幼稚園がその役目を主に担っていると言えます。

ですが、幼稚園教育要領でも保育所保育指針でも共通して、健康・人間関係・環境・言葉・表現を五領域として規定しているなど、就学前教育として目標としていく姿は共通しています。

全ての子どもに質の高い幼児教育・保育を提供しようという幼保一体化の動きもありますが、保育園でいうところの教育とは、私たちが描く教育というイメージのような難しいものではなく、言葉や生活に必要なものを教えていくことを「教育」として扱っています。

ただ、長崎県長崎市東町にあるおひさま保育園のホームページも記されているように、保育は養護と教育が一体となっているとはいっても、これらは同じ位置に並列しているわけではなく、安定した養護の下でないと教育は成り立たないと考えられます。

 

2、保育の現場で視診を行う意味とは

次に、保育園で視診を行う意味についてまとめていきます。

保育における視診とは、社会福祉法人誠和会まごころ保育園のホームページを参考にすると、登園時などに子どもたちの様子を観察することを指します。まだ自分たちではうまく体調の変化を伝えることの出来ない年齢の子どもたちなので、保育士は十分に注意をし、普段と違うところはないかなど気を配っていく必要があります。この時、注意するポイントとして挙げられるのは、元気か・機嫌・顔色・眼の状態・虐待の跡の有無などです。

保育所保育指針の第12章でも、日常の保育における保健活動の項目の中で、登所時において、子どもの健康状態を観察するとともに、保護者から子どもの状態について報告を受けるようにすると記した上で、虐待の保育現場における早期発見は、登所時や保育活動中のあらゆる機会に可能であるので、子どもの心身の状態や家族の態度などに十分に注意して観察や情報の収集に努めると視診の大切さについて触れられています。

保育所保育指針を改定した際に、虐待の早期の発見、防止、対応が新たに記載されたことにより視診の重要性はより増したと考えられます。

保育所保育指針の改定を受けて、児童虐待の防止・対応をテーマに新潟県の新通保育園で行った研究の結果である保育所の保育内容に関する調査研究報告書によると、登降時の親の子どもへの接し方、言葉がけ、連絡帳の内容、服装と共に子ども・親双方の視診に留意することを心掛けていると回答している保育士の方の声が多く見られました。

しかし、視診の大切さの声が上がる一方で、どこからが虐待なのか区別をつけることは難しく、プライバシーの問題もある為、おかしいと感じた時は慎重に対応していく必要があります。

 

3、保育の現場で雛人形を飾る意味とは

保育の現場で雛人形を飾る意味

出典:安藤人形店

 

京人形の老舗の安藤人形店を参考にすると、ひな祭りは、女の子が産まれると、健やかな成長と幸せを願い、その思いを込めてお雛様を飾ってお祝いをします。そして雛人形の意味は、将来、幸せな結婚が出来るようにという願いを込めたものであり、雛人形飾りは、結婚式の場面を表現したものであるといいます。

こうした日本の古くから伝わる伝統行事であるひな祭りや雛人形を、保育の現場でも是非取り入れていきたいところですが、子どもたちに分かりやすく伝えていくにはどうしたらいいでしょうか。

易しい言葉で説明するのも手ですが、子どもたちにはひな祭りを題材とした絵本や紙芝居で雛人形の意味などを伝えていくのも分かりやすくておススメです。

 

3-1、ひな祭りの本

ひなまつりにおひなさまをかざるわけ

出典:ひなまつりにおひなさまをかざるわけ (教育画劇|2001年)

 

こちらの本は、子どもの病気や災いを人形に託して川へ流すという「流し雛」について絵本で説明されており、ひな祭りの由来となったお話を丁寧に描かれた一冊です。時代と共にひな祭りの在り方も変わりつつありますが、人形にけがれを移し、その年の無事を願うといったひな祭りの精神が今の子どもにも分かりやすく描かれています。

おひなまつりのちらしずし

出典:おひなまつりのちらしずし (福音館書店 2013年2月)

 

こちらはひな祭りの時に食べる料理として馴染みのあるちらしずしの作り方などが絵本を通して学べるストーリーとなっています。ちらしずしだけでなく雛人形の飾り方も絵本の中で描かれているので絵本を読む時に「お雛様はこうやって飾るんだね」などと声を掛けながら読み進めていきましょう。

 

4、保育における養護の意味とは

保育は養護と教育が一体となったものであると1章で記しましたが、養護について見ていきましょう。

養護とは、一般的には対象者が、日常生活において不都合がないように、また自力で生活ができるように支援、教育することを指しますが、保育では、「子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るため」といった言葉が入るなど、専門領域が保育か福祉かで強調される部分は異なってきます。

保育における養護の意味に更に踏み込む為に保育士協会による「養護と教育が一体となった保育とは」を参考にすると、保育における「養護」とは、子どもが心身ともに心地よいと感じる環境を整え、子ども自身が主体的に育つことを支援する営みであるとしています。

また、養護と教育が一体となった保育とは本文より抜粋すると

子どもが落ち着いて、安心・安全に過ごせる場所や環境づくりに配慮しながらも(養護的側面)、子どもの主体的な経験を通して、感情の動き、人との関係、道具の使い方、達成感、自我(自分らしさ)の育ち、態度の育ち、言葉の覚え、運動能力の獲得などを育むこと(教育的側面)を支える表裏一体のかかわり

とし、子どもたちが主体的に活動していく為に、安心出来る環境(養護)は欠かすことの出来ないものであることを説いています。

保育所保育指針でも養護の重要性について触れられており、「子どもが、現在を最もよく生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うこと」が保育の目標であるとした上で、保育は、十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を適切に満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ることを目指して行っていくと明記されています。

そして、保育士の専門性を活かし、一人一人の子どもの置かれている状態及び家庭、地域社会における生活の実態を把握するとともに、子どもを温かく受容し、適切な保護、世話を行い、子どもが安定感と信頼感を持って活動できるようにすることが保育園における養護として求められています。

 

5、市販の保育用語辞典

保育の現場で使える保育用語辞典もいくつか販売されています。

用語解説と共に現在の保育の置かれている状況についても解説されているので、今一度保育を行う意味であったり、行事などを取り入れる意味について考える時のヒントとして活用出来そうです。

保育用語辞典

出典:新版・保育用語辞典 (一藝社|2016年2月)

 

伝統的な用語から法令・制度の改正を踏まえた新しい用語まで保育者の基本用語1200項目が収録されています。保育の専門用語だけでなく、心理学や医学など保育を取り巻く幅広い分野の用語も収録されているので聞き慣れない言葉と対面した時などに活用出来ます。

保育用語辞典

出典:保育用語辞典[第8版] (ミネルヴァ書房|2015年4月)

 

「子ども・子育て関連3法」「施設型給付」「地域型保育給付」「公定価格」「利用者支援事業」など子ども・子育て支援新制度に係る「保育」の部分を中心に解説されている保育用語集です。

新制度の用語など難しい言葉が掲載されているので言葉の意味が分からなく困った時に活用出来る一冊となっています。

 

まとめ

保育を行う意味についてや、保育の現場で視診などを取り入れる意味についてまとめてきました。

保育士という専門性を活かして、子ども達の心身の発達であったり豊かな人間性を育てていけるよう意識しながら、日々の保育を行っていきたいものです。

また、今回取り上げた保育用語以外にも保育について考える時に参考になりそうな保育用語辞典を掲載したので、参考にしてみて下さい。

 

参考文献

保育所の保育内容に関する調査研究報告書 (社会福祉法人 日本保育協会|平成13年)

養護と教育が一体となった保育とは (全国保育士会)

jdepo

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