おたよりと保育|タイトル、書き出しとクラス・給食だよりの文例(2017/06/26)
保育園と家庭をつなぐ大切なコミュニケーションツールの一つが「おたより」です。書き方や内容は園によって異なりますが、毎月どのようなことを書けばよいのか悩む保育士さんも多いのではないでしょうか?ここでは、保育園のおたよりをより良くするためのアイデアをいくつかご紹介しましょう。
目次
1、「クラスだより」
各クラスで配布される「クラスだより」は、主にクラスの子どもたちの様子や行事予定、連絡事項などを記載します。保育の様子を見る機会が少ない保護者にとって、クラスだよりは園での子どもの姿を思い浮かべるためのもの。では、一体どのようなことに注意して書けばよいのでしょう。
1-1、クラスだより「タイトル」
クラスだよりは、内容の読みやすさがポイントになります。おたよりの項目ごとに、新聞見出しのようなわかりやすいタイトルを書き込んでいきましょう。文字を太くして、何について書かれているのかをひと目でわかるようにすることも重要です。伝えたいことをタイトルでアピールするのも、工夫の一つです。また、以下の例のように、内容ごとに枠で囲うとさらに見やすいおたよりになります。
出典元:「金山保育園のブログ」
1-2、クラスだより「書き出し」
意外と大切なのが、クラスだよりの文章の書き出し部分です。手紙を書くときのように時候の挨拶となる言葉から書き出してみましょう。ただし、堅苦しい言葉は不要です。「園庭の桜がキレイな季節になりました。」「寒くて朝起きるのがつらい日々が続いていますね。」など、家庭に寄り添った言葉を上手く選んでとり入れてみましょう。
2、クラスだより「月ごとの文例」
多くの保育園では、クラスだよりを月ごとに作成し配布しています。しかし、毎月同じような内容になってしまってはその意味がなくなってしまいます。おたよりを書く保育士は、その月にどのような内容を優先して書くべきかをよく考えておく必要があるのです。では、月ごとの文例の一部を確認してみましょう。
2-1、クラスだより 4月
新年度が始まり、新しい担任、新しい保育室など、大きな環境の変化に子どももその保護者も緊張や不安を抱いているはずです。まずは、担任の自己紹介や一日の流れを書いて、新しいクラスのことをよく知ってもらいましょう。「この1年間、楽しくいっぱいあそびましょうね!」というように、登園するのが楽しみになるような言葉かけを付け加えることで、子どもの不安な気持ちもきっと明るくなります。
2-2、クラスだより 6月
新たなクラスでの生活に慣れてきた6月のクラスだよりは、保育での子どもの様子を中心に書き込んでみてはいかがですか?日中、園でどのように過ごしているのかを知りたい保護者にとって、クラスだよりは子どもの様子を知ることができる一つの手段です。「最近は泥団子づくりが人気です」「お手伝いが上手にできるようになりました」など、家庭での親子の会話が弾むような内容を書きましょう。
2-3、クラスだより 9月
運動会や芋掘りなど、大きな行事が多くなるこの時期。持ち物や準備するものなどの連絡事項は漏れのないようにクラスだよりにきちんと記載しておきましょう。もちろん、行事の後には、そのときの子どもの様子や協力して頂いたことに対する感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。たとえば、「芋掘りでは、泥だらけになりながら芋を掘り起こしていました」「運動会をあたたかく見守っていただき、ありがとうございました」などといった文を考えていきましょう。
3、保育園の「園だより」
クラスだよりと合わせて毎月配布されるのが「園だより」です。主に、園の月間行事や園児全体に伝えるべき情報などを記載します。保育所保育指針には保育所における保育の基本は、家庭や地域社会と連携を図り、保護者の協力の下に家庭養育の補完を行い、とあり、その連携をはかるために重要となるツールでもあるのです。では、保育園の園だよりはどのようなことに配慮して作成するべきかをここで確認しておきましょう。
3-1、園だより「書き出し」
園だよりは、園児全員の保護者が目を通すおたよりです。ですから、文の書き出しは個人的または一方的な内容は避け、適切な時候の挨拶をとり入れるように心がけましょう。手紙の冒頭文によく使用する「新緑の季節になりました」「北風すさぶ季節、いかがお過ごしでしょうか」などといった書き出しはもちろん、「発表会の練習の歌声が聞こえる季節になりました」というような園生活を折り込んだ内容にするのもおすすめです。
3-2、園だより「お知らせ」
園だよりは、全園児に伝えたいことをわかりやすく伝えることができる方法の一つです。伝えるべき連絡事項やそのとき流行している感染症の警告など、知らせておきたいことは園だよりを有効活用して伝えましょう。
出典元:「こだま保育園HP」
4、園だより 「月ごとの文例」
園だよりもクラスだよりと同様、その月の園児たちの様子や園の取り組みなどを記載していく必要があります。保護者に園のことをよく知ってもらうためにも、そのときならではの内容をとり入れていきましょう。
4-1、園だより12月
12月は、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が特に流行しやすい季節です。園ではもちろんですが、家庭でも予防対策ができるように園だよりでも呼びかけをしましょう。正しい手洗いのしかたや感染症の基礎知識などを合わせて載せておくことで、保護者の関心もさらに深まります。
4-2、園だより3月
3月は、年度末となる締めくくりの月です。穏やかな気持ちで新年度につなげられるよう、または卒園できるように園だよりの内容を工夫していきましょう。1年を通して成長した姿や思い出を載せてもよいですね。スペースに余裕があるときは、以下の例のように写真を入れるとさらに思い出として残る園だよりになります。
出典元:「魚津市子育て応援サイト」
5、保育園の「給食だより」
保育園で配布するおたよりの中で、「給食だより」も欠かせません。毎日の献立や食育についてなど、保育園と家庭との食事の連携をはかる役割をしています。特に、アレルギーをもつ子どもは毎日の献立チェックが欠かせなくなります。ミスのないよう、内容の確認をしっかり行ってから配布することが重要になります。また、ここでは給食だよりにとり入れたい内容のアイデアをいくつかご紹介しましょう。
5-1、給食だより「旬の食材」
子どもの食育でもよくとり入れられるのが、「食材の旬」を知ること。今の時期はどのような食材が採れて、どのように食べるとおいしいのか。このような少しのアドバイスを毎月載せておくだけで、家庭の食卓にも活かすことができます。子どもの食への興味を引き出すきっかけにもなるので、ぜひとり入れてみましょう。
5-2、給食だより「親子クッキングレシピ」
親子で料理をつくることは、子どもの食育になるほか親子の時間をつくる機会にもなります。親子で作れる簡単なレシピを載せて、家庭でのお楽しみを提供しましょう。そのあと園では、「どうやって作ったの?」「おいしかった?」などと、子どもとの会話を広げてみても楽しいですね。
出典元:「萩尾保育園HP」
6、おたよりの「イラスト」
どのおたよりにも必ず使用されているのが、さまざまな「イラスト」です。読む人の目を引きつけるようなものであることとともに、おたよりの邪魔にならないようにすることもポイントです。保育士自身で描いているケースもありますが、ここではおたよりにとり入れやすいイラストの参考書をいくつかご紹介しましょう。
出典元:「PriPri」(世界文化社)
こちらは、月刊保育誌で人気の「PriPri」です。毎月、そのシーズンに合った壁面や製作のアイデアを掲載しています。また、その月のおたよりに使えるイラストも充実しているので便利。毎月のおたよりをかわいく簡単に作成したいなら、こちらがおすすめです。
出典元:U-CANのはじめてでもカンタン!おたより文例&イラスト集〔CD-ROM付き〕(ユーキャン)
おたよりを書くのが初めてという保育士さんは、こちらの参考書をいかがですか?年間を通して使えるイラストがたっぷり集まっているほか、その時期におすすめの文例集も載っているので、いざというときに参考になります。「どうかいたらいいのかわからない」と迷っているなら、1冊味方となるイラスト集を見つけておきましょう。
まとめ
保育園のおたよりは、保育士と保護者をつなぐ大切なお手紙のようなもの。「今月はなにをしてあそぶのだろう?」「準備しておくものはあるの?」といった気になる疑問を解消できるように、読む保護者の気持ちに立って作成しましょう。
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