保育のアイディア|遊び・壁面・製作・運動など保育に役立つアイディア(2017/05/11)
保育の仕事は保育士のアイディア次第でより良い製作になったり、子ども達がもっと楽しめるような遊びを展開出来たりする事が多いです。しかしすべての保育士が豊かな感性を持ち合わせている訳ではなく、経験によって磨かれていくものかも知れません。そこで今回は経験が浅い保育士のヒントにつながり、いつもの保育がもっと楽しくなるアイディアを項目別にご紹介したいと思います。
目次
1、アイディア次第で保育の質が向上する
幼児の保育において重要な事は保育士が事細かく指導し、その通りに動く事ではなく、
保育士の助言や行動をヒントにしながら、自分自身で創造力や想像力を発揮できるかというところにあります。そのため、保育士のアイディアが豊富だと子ども達の感性も刺激を受けやすく、その後の成長につながりやすい事が言えるでしょう。
1-1、子どもの遊びにヒントが隠されている
すべての保育士が豊かな感性を持ち合わせている訳ではなく、豊富な経験がある訳でもありません。ご存じの通り子どもは遊びの天才です。子どもの行動を観察していてそれがヒントになり良いアイディアを思いつく事もあります。それに気が付く事が出来るかという事は保育の仕事をしていく上でとても大切なものなのです。
1-2、アイディアが浮かばない時に参考になる雑誌
保育業界における専門誌をご紹介します。雑誌に掲載されているものを全部取り入れなくとも、この雑誌を読んでいるだけで何らかのヒントにつながる事は多く、現場で働いている多くの保育士もこれらの雑誌を読んでいます。
アイディアが浮かばない時は参考にしてみてはいかがでしょうか。
PriPri(プリプリ)
2、身近なものを使った遊びのアイディア
今回は身近にあるものを使った遊びのアイディアをご紹介します。
2-1、段ボールを使った遊び
一つあるだけで様々な遊びが出来る段ボール。例えば保育士は段ボールを開いて、キャタピラーのようにつなげます。電車ごっこも出来ますし、立てて遊ぶと、家に見立てておままごと、ぱたんとつぶして平面にすると、人を乗せて運ぶ事も出来るのです。保育士が段ボールを開いて子ども達に渡すだけで、遊びが無限に広がっていくでしょう。
2-2、新聞紙を使った遊び
こちらも段ボールと同様、様々な遊びが展開できます。破ったり丸めたりする事で指先の訓練になりますし、テープを貼り合わせたりして洋服を作るだって出来ます。また、クルクルと細長い棒を作ってスイカ割りごっこ等、季節に関連した遊びにつなげても良いかも知れません。
今日は〇〇をして遊びます。と内容を決めてしまわずに、新聞紙だけ提供して「これでどんな遊びが出来るかを考えましょう。」と子ども達と遊びを考えてみても良いでしょう。
3、子ども達が喜ぶ壁面のアイディア
壁面制作もアイディア次第で子ども達が喜ぶものになります。一日の大半を過ごす保育園ですので、楽しい気持ちで過ごせるような壁面を考えてみましょう。
3-1、素材や飾り方を工夫する事でより良い壁面に
せっかく可愛いキャラクターの壁面、すべて色画用紙を使い、平面で飾るのは少しもったいないように思いませんか?壁面全体の構図を考えた後、どの部分にどの素材を使ったらより良いものになるかを考えましょう。
また、飾り方に関してもわざとくしゃくしゃにして飾ったり、上からつるしてみたり、保育士のアイディア次第でより子どもの興味を引く壁面になる事でしょう。
子ども達が触ると何らかの仕掛け(何かが隠れていて、子どもがめくると出てくる等)があっても喜んでくれます。
3-2、子どもの作品を飾る
正岡氏、團野氏の資料1)によると、今日における壁面制作は保育士がすべて作ったものではなく、子どもの表現した造形物や絵画がポイントで使われ、構成されているところが多いです。子どもが作った造形物を効果的に活用し、それを保育士が壁面として活用するというアイディアは子ども達の自信につながりやすく、また、お迎えに来た保護者にも子どもが「これは自分が作ったものだ。」と誇らしい気持ちで教える事でしょう。
そう考えると壁面制作はただ単に「装飾」という意味合いではなく、教育的な意味が強まっているのかも知れません。
4、驚くほど簡単にできる製作のアイディア
何かと忙しい保育士ですので、出来るだけ時間がかからず、かつ子ども達が喜ぶ製作アイディアをご紹介します。
4-1、子どもの手形を使った「おばけ」製作
こちらは製作した後、お部屋の装飾にも使えそうなアイディアです。
まずは子ども達の手に絵の具を塗り、画用紙に手型を取ります。それを切り抜き、おばけ型に切った画用紙に貼るだけで完成です。小さいクラスの場合は保育士が顔を書き、大きいクラスの子どもには自分で顔を書かせても良いでしょう。また、帽子やリボンといった装飾を用意し、子ども達が好きなものを選べるようにしてあげるとさらに喜ぶ事間違いなしです。ハロウィンの時期にはぜひ取り入れたい製作の一つではないでしょうか。
4-2、梅雨の時期にぴったり「紙コップかえる」
これからの時期にぴったりの製作「紙コップかえる」をご紹介します。
必要なものや作り方はこちらの動画をご確認ください。
ちょこっと工作 紙コップかえるをつくろう!(※動画注意)
作ったもので遊べる製作は子ども達も喜びます。また、身近にあるもので作れるので、工作が得意な子どもは家で作って楽しめる事もおすすめのポイントです。
5、子どもがすすんで運動したくなる環境づくりのアイディア
身体を動かす機会や遊ぶ場所の減少から、子ども達の体力は著しく低下している事が言われています。子どもが自ら体を動かしたくなる環境づくりが求められるのですが、具体的にはどんなアイディアがあるかをご紹介します。
5-1、空間を上手に利用しよう
常盤氏2)によると、特別なおもちゃを与えずとも子どもに運動遊びを促す事が可能という事がわかります。
保育室や玄関、廊下やホールなども、ちょっとしたアイディア次第で子どもが思わず運動したくなる空間に変える事が出来るのです。具体的には資料にもある通り、ビニールテープを床にはり、線路や川、葉っぱを描いてみたり、保育室に天井からボールをぶら下げてみたりすると、タッチしようとジャンプしたり、川を飛び越えようとしたり、電車ごっこをしてみたりとそれだけで子ども達の遊びの内容が広がる事が明らかになっています。
5-2、元々ある遊具の再構築
滑り台やジャングルジム等、もともとある遊具にも一工夫する事で遊びの内容が変化します。先ほどの資料ではロープを一本追加する事でロープをよじ登るという動きが加わった事があげられています。人工の遊具はある程度できるようになるといずれは飽きてしまう子どもが多いのですが、このようにロープ等を一本追加する事で再び夢中で遊ぶ事が出来るようになるでしょう。
5-3、手作りおもちゃで運動遊び
資料にもあるように生活に身近な廃材を用いた遊具は気軽に作れますし、また壊れたとしても簡単に修繕もしくは作り直せるところが魅力の一つです。
空になったペットボトルに色水を入れ、ハードルに見立てた遊びは子ども達も夢中で遊ぶ事が出来るでしょう。少し慣れてきたらリレー方式にしてみたり、大きなボトルで少し高いハードルを用意してみたり等、難易度をあげていく事が出来ます。
まとめ
日常の保育や行事において多くのアイディアを求められる保育士ですが、難しく考えず「どうしたらもっと楽しくなるか」を考える事でおのずと良いアイディアが浮かぶのかも知れません。一つのアイディアで無数の遊びを展開できる子ども達、保育士はそんな子ども達の成長を上手にアシストできる存在でありたいものですね。
参考文献
『幼稚園・保育所における壁面構成』の事例報告|正岡 さち・團野 真紀子
子どもを夢中にさせる運動遊びに関する一考察|常盤 陽子
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