医薬品安全対策情報

医薬品安全対策情報とは

英語でDrug Safety Updateと書き、一般にDSUと呼ばれています。医療用医薬品添付文書の使用上の注意の改訂情報をまとめたものです。厚生労働省医薬食品局が監修しており年に10回ほど発行されます。その都度、全国の医療機関等に直接郵送されることで情報が提供されています。医療従事者にとって医薬品添付文書に記載されている事項は患者さんの治療をしていく上でとても重要な情報源となります。しかし添付文書に記載されている情報は医薬品が製造された当初の情報であり、市場に医薬品が流通し出してから、年月が経つと製造時には見られなかった医薬品の特性が新しく発見されることもあります。そのような新しい情報を必要に応じて発信していく役割を担っているのがこのDSUです。最新の情報を入手することでより確実な医療技術を提供することに繋がるため、発行されたら必ず目を通す必要があります。

重要度によって三段階の分類

重要度別に最重要、重要、その他の三段階に分類されており、それぞれの重要度の中で薬効別に記載されています。重要度により異なった記号を用いて表示をすることによって一目でその重要度が分かりやすいように工夫がされています。最も重要性の高い「最重要」に該当するものは直ちに改定添付文書の作成をする必要があるとされるもので、最近では2012年10月に発行されたNo.213医薬品安全対策情報に掲載されているデノスマブがその対象となっています。「重要」に該当するものは速やかに改定添付文書を作成する必要があるとされるものです。「その他」に該当するものは、改訂添付文書の作成に時間を要することがあるとされるもので、使用上の注意、重篤でない副作用の報告などが記載されています。命に関わるものではないものの、しっかりと確認する必要があります。

医薬品安全対策情報の使い方

DSUは医療を提供する医師、薬剤師などの医療従事者にとっては欠かす事の出来ないとても重要な情報源です。病院や調剤薬局だけでなく、医薬品を扱う可能性のある歯科診療所や老人ホームなどの施設にも送付されています。医薬品は時として命に関わる害を持つ場合もあるので掲載情報は必ず確認します。中でも薬剤師は薬の専門家でもあり、医薬品の最新情報に敏感になり常に新しい情報をキャッチしていく必要があります。しかしDSUに掲載されている情報は深い所までは情報が掲載されておらず、必要事項が簡潔にしか記載されておりません。類似する作用機序を持つ医薬品に関する情報などは一切載っていないので、医薬品安全対策情報に掲載されていないからと言って、他の医薬品が安全だと鵜呑みにすることの無いように気を付けなければなりません。DSUの情報を把握した上でそれに関連する情報も収集し把握しておく必要があります。