医療用医薬品

医療用医薬品とは

医薬品は大きく「医療用医薬品」と「一般用医薬品」に分けることができます。医療用医薬品は薬事法にて「医師若しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品」であると規定されています。別名「処方せん医薬品」とも呼ばれます。簡単に言えば病院や診療所で医師が処方してくれる医薬品のことです。医師の判断に基づいて処方される医薬品ですので、一般用医薬品よりも確かな効果が期待できます。その反面、副作用などが起こるおそれもあるので注意が必要です。

医療用医薬品と一般用医薬品の違いは

一般用医薬品は医師の診断・処方の必要がなく、ドラッグストアなどで購入が可能な医薬品のことです。市販薬、家庭用医薬品、大衆薬などとも呼ばれていますが、2007年よりカウンター越しに買える薬という意味のOTC(Over The Counter)医薬品で統一されています。一般用医薬品は薬のリスクの高さなどによって大きく、要指導医薬品、第一類医薬品、指定第二類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の5つに分けることができます。要指導医薬品と第一類医薬品は薬剤師が対面でしか販売することができません。その他の医薬品は登録販売者でも販売が可能です。調剤薬局やドラッグストアなどで、個人の判断により購入することができます。

医療用医薬品の値段

一般用医薬品は販売している店舗がある程度の幅を利かせて売価を設定し販売することができます。しかし、医療用医薬品はそうはいきません。厚生労働省が定めた薬価基準という価格表があるので、そこに記載された薬価に基づいた値段となっています。薬価とは一般用医薬品の公定価格のことです。どこの病院、調剤薬局に行っても薬価は変わりません。現在、薬価基準には約1万7千品目の医薬品が登録されています。薬価は2年ごとに見直しがされます。病院や調剤薬局での薬の仕入れ値の調査が行われ、この価格を参考に新しい薬価が制定されます。新年度の4月に薬価基準の全面改訂が行われます。新薬の新規掲載は年に4~5回、後発品は7月と11月となっています。製造が中止された医薬品は薬価基準から削除されます。

服薬指導の重要性

医療用医薬品の患者への説明は基本的に薬剤師が行うことになります。薬剤師が患者に対して医薬品の情報提供を行うことを服薬指導と呼びます。飲み方の難しい医薬品なども存在しており、説明の仕方によって患者の理解度に差が出ることもあります。このように服薬コンプライアンスにも大きく関わるので服薬指導は大事な役目なのです。基本的な用法容量以外に、薬の保管方法や飲み合わせ、服用後に現われる体調の変化などについても情報提供します。また、服薬指導時に患者さんとの会話で得られる情報も多くあり、医師には言えない悩みなどに気づき改善するのも薬剤師の仕事です。病院では聞けなかったようなことを相談される場合もありますので、薬剤師は患者さんに、より近い立ち位置で関わらなければなりません。