看護師の国家試験|合格率、発表、過去問題、日程、解答速報、難易度(2015/02/19)
公開日:
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最終更新日:2020/06/23
お役立ち
看護師になりたい!と思っている方は必見です。
今回のテーマは、必ず通る道だけど意外と知らない・・・“看護師になる為の国家試験情報”。
そう、夢だった看護師になるには必ず国家試験に受からなければなりません。どんなに勉強を頑張っていても、どんなに熱意があっても、国家試験を通らずして看護師にはなれないのです。
そこで今回は、そんな大切な試験でヒヤリ、ハっとが起きないように!国家試験に関する情報を108選としてまとめてみました。
これから看護師を目指す方、試験を控えている方は、ぜひ、参考にしてみて下さい。
目次
1、看護師になるには?
まずは看護学校へ。3年制の専門学校か短大、看護師学校または大学の看護学科へ入学する
看護学校には、社会人入試と一般入試がある
看護学校の入試倍率は、全国平均4倍と近年高騰している傾向に
30代、40代でも男性でも女性でもOK!最近では、社会人から専門学校を目指す人が増加中
学費はおおよそ年間50万円〜100万円程度を目安に
看護学校を出るだけではなく、国家試験に合格する必要がある
2、看護師国家試験とは?
厚生労働省が所轄する、看護師の免許を取得する為の国家資格取得試験
合格後にすぐにプロとして働く能力があるかどうかを確かめる為に行われる試験である
概要は毎年8月初旬に官報で発表される。また、厚生労働省のHP上にも掲載 http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kangoshi/
試験日程は、毎年2月(平成27年は2月22日)
合格発表日は、毎年3月下旬(平成27年は3月25日)
試験地・・・北海道、青森県、宮城県、東京都、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県
受験資格・・・大学や短大の看護学科や、専門学校、看護師学校を卒業していること
全受験者の下位1割が不合格となるシステムとなっている
3、受験手続きに必要なもの
看護師国家試験受験資格認定願(受験願書)
写真1枚(6ヶ月以内に撮影したもので、在籍する学校か管轄厚生局で本人確認を受ける必要がある)
修業証明書、修業見込証明書、卒業判定証明書等の、指定校が発行する証明書
返信用封筒(23.5×12cm、表面に自分の宛名と書留を記入し、522円の切手を貼る)
受験手数料5400円(収入印紙を受験願書に貼った上納付する)
これらの書類は、試験地を管轄する地方厚生局、または支局へ提出する
詳しくは、厚生労働省のHPで確認ができる http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kangoshi/
4、難易度について
合格率は90%前後→基礎的な知識を身につけていれば合格が可能ということ
看護師国家試験は開催年度の2年前には完成している為、大きく問題が変更する事はない
難易度を、突然高く変更することはない
ただし、出題範囲は膨大なので、効率よく勉強する事がカギとなる
近年では、応用力や判断力を問う問題が目立つので、暗記だけで突破する事は難しい
国会試験までの1年間は、毎日少しずつでも試験対策の勉強を積み重ねることが重要
以前に行われた問題が選択肢を変えたり、問い方を変えたりしただけで再び出題される事もあるので、過去問題を何度も解く事が重要
模擬試験を開催している機関もあるので、自分の順位を確認しておくと安心
5、一般問題試験科目
人体の構造と機能
疾病の成り立ちと回復の促進
健康支援と社会保障制度
基礎看護学
成人看護学
老年看護学
小児看護学
母性看護学
精神看護学
在宅看護論
看護の統合と実践
6、出題について
「必修問題」、「一般問題」、「状況設定問題」で構成されている
必修問題は50問、一般問題は130問、状況設定問題が60問、全240問で300点満点
試験時間は、午前2時間40分、午後2時間40分の合わせて、5時間20分
近年は、午前・午後各120問ずつ出題される傾向にある
「必修問題」は基礎的知識を問う問題で構成、正答率80%以上でなければ強制的に不合格となる
「一般問題」と「状況設定問題」は、相対評価となり、例年6割以上の正答が目安となっている
過去の試験問題と正答 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp140512-03.html
7、近年の出題注意点
第99回国試より、必修問題の数が従来の30問から50問に変更となった
「細胞・組織」の分野が中項目から大項目へ内容の拡充がされた
「体液」「体温」が小項目から大項目へ再編された
「人体の構造と機能」について、単なる暗記ではなく、看護ケアと結びつけて理解する事が重視されるようになった
「フィジカルアセスメント」が問われやすくなり、看護師としての分析力や判断力が求められるようになった
看護過程の展開において、手順だけではなく根拠を理解している必要がある
「教育指導の技術」項目が、「学習支援」という言葉に改められる等、患者の主体性をより重視する内容になった
成人看護学では、大項目に「がん看護」が設けられたので確認が必要
看護師不適合者を選別する目的で、リスクマネジメントに関する内容が拡充されるようになった
近年相次ぐ大規模災害をうけ、災害看護や救急救命処置等についての出題も見られるようになった
年々多様化する療養方法により、在宅看護についての出題が目立つようになった
社会保障制度や法律については、細部まで問われる可能性あり
全体を通して、項目が具体的に明記されるようになった
第101回国試より、「看護の統合と実践」が試験科目に追加された
第102回国試から計算問題において、これまでの四肢択一や五肢択一から、数字の組み合わせを選ぶ形式に変わった
第102回国試から、状況設定問題の一部において、3連問に加え2連問形式の導入が決まった
第98回国試から、四肢択一形式にくわえ、五肢択一・五肢択二形式が導入された
第98回国試から、写真などの視覚素材を用いた出題がされるようになった
8、試験に向けておさえるポイント!
過去の問題と似た問題が出題される傾向にあるので、過去問題を5年分やれば十分
頻出問題であっても、問い方が変わる事もあるのでよく注意し、ミスをなくす
試験問題は2年前には出来上がっているので、2〜3年前に起きた医療時事ニュースを把握しておくこと
いい点を取ろうとしなくてもよい、下位の1割に入らなければ合格することを念頭に
他の人たちが解ける問題ができれば受かる試験なので、逆に高正答率問題は完璧に!
合格の目安として、3年生4月の時点で全国偏差値50を目指す事
1年生次には基礎である「解剖生理学(特に内分泌系)」と「公衆衛生学」を徹底的に固めておく
2年生次には全国模試などで自分の実力を確認することがおすすめ
3年生次では、模試結果を踏まえて勉強計画を立てましょう
2年次後半の模試で必修問題をクリアできなかった場合は、なんとしても克服しておくこと!
必修問題は必ず9割取れるように万全をつくす!過去問題集は5回繰り返しておけば安心
実習を終えた後は、過去問題集を集中的に解く事で、総復習をしておきましょう
冬期講習を行っている専門学校もあるので、不安がある場合は利用してしっかり教えてもらおう
最も大切なのは、体調管理!インフルエンザなどにかからないよう、普段から整えておきましょう
9、学校区分別合格状況
大学・・・194校、合格率96.9%、合格率96.9%、既卒合確率70.5%
3年過程短期大学・・・40校、合格率90.3%、既卒合格率48.8%
3年過程養成所・・・523校、合格率96.9%、既卒合格率53.8%
2年過程短期大学・・・1校、既卒合格率12.5%
2年過程養成所・・・222校、合格率95.1%、既卒合格率34.7%
高等学校専攻科・・・34校、合格率95.9%、既卒合格率19.3%
通信制・・・26校、合格率79.1%、既卒合格率31.4%
高校・高校専攻科・・・71校、合格率93.2%、既卒合格率24.7%
看護師国家試験の受験者は、看護学校を卒業する人だけではなく、既卒者もいる
既卒者の合格率の方が低い傾向にあるので、できれば現役合格を目指すことが理想的
10、合格への近道
実習や卒業研究をする忙しい中で、いかに要領よく勉強するかがカギ
夏休みが終わる頃までに、必修対策をしっかりし、基礎固めをしておきましょう
必修問題対策は、土台となる「人体の構造と機能」「疾病の成り立ち」を優先的に
過去問で、近年どのようなテーマが扱われているかに注目し、そのテーマに付随する知識も確認しておく
国試対策のための問題集はもちろん、アプリなども出ているので、利用してみましょう
問題集やアプリなどは、正答率が掲載されているものを選べば、勉強の優先度がわかります
実習中にも国試対策に役に立つ場面がたくさんあるので、連動させることを意識しましょう
「看護過程の展開」をしっかり行い、状況に応じたケアの必要性を理解しておきましょう
「看護計画」では、出題が多い「観察項目」「ケア」「教育・指導」に関する基本的知識をおさえておきましょう
患者とのコミュニケーション、看護提供システム、またスタッフとの関わり等のコミュニケーション技術関するテーマも多く出題される傾向にあるので対策を万全に
基礎看護技術では、「手順」「根拠」「注意点」をおさえ、写真を用いた出題にも対応できるようにしておきましょう
模擬試験には積極的にチャレンジ!試験当日の緊張感を体験しておけば本番も焦らずに臨めます
模試は本番より圧倒的に難しいと言われています、点数は気にせず、時間配分を確認したり、マークシート方式になれておいたりするくらいの心持ちで受けましょう
試験では、自分なりのルール(○×で印をつける等)を定めて、ケアレスミスや時間配分ミスを防ぐ
模擬試験結果が届いたら、自分の回答と全国正答率を見比べて、全国正答率が高いのに間違えてしまった問題を徹底的に再学習しましょう
模擬試験の解説書をうまく活用し、1つ1つの設問に対する内容をしっかり理解をしておきましょう
試験直前に焦るのは禁物、苦手科目や暗記項目の最終確認に費やしましょう
早寝早起きのリズムを整え、体調管理は万全に!
脳が目覚めるのに2〜3時間かかると言われているので、6時には起床する習慣をつけておきましょう
まとめ
さて、今回は看護師になる為に必ず通らなければならない、国家試験の情報をまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?
すでに来年の試験の為に準備をしている方、これから本腰を入れようとしている方、ぜひ今回の108の項目を隅々までチェックして、落ち着いて挑んで下さいね。
また、中には更新される情報もあるかもしれませんので、厚生労働省などのホームページなどで最新の情報を得るようにしましょう。
頑張った人には必ず良い結果が出るのが、看護師国家試験です。今からしっかりと備えて、看護師という夢をつかみましょう!
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