看護学生や看護師において、カンファレンスとは(2015/09/30)
看護師をする上で、カンファレンスという言葉は良く耳にします。病院の入院病棟で働く看護師は、かなり頻繁にカンファレンスを行います。普段は個々の看護師が、個々のスキルを活かして看護ケアを行っています。その日々の患者様に対してのケアが、妥当なのかを考える良い機会なのがカンファレンスとなります。
経験上の話しになりますが、経験年数を積んでいくと、具体的な疑問や提案などが見えてくるようになりますが、看護学生時代や新卒は、特に何が問題点なのか把握することが困難なことが多いです。
当ページでは、カンファレンスの視点や提案の方法、疑問の持ち方などを紹介していきます。特にカンファレンスが苦手であると感じている方には、是非参考にしていただき日々の看護ケアの向上に役立てていただければと思います。
目次
1、カンファレンスとは
一般的には、学術的な意味で会議や研修会などを言います。入院病棟の看護師が頻繁に行うカンファレンスの意味は、日々の看護ケアの問題点、治療上の問題点について意見を出し合い、解決策を見つけるために行います。また2交代、3交代制の勤務形態のため、各チームの情報共有の場とし、看護スタッフの意思統一の意味も含めて行うこともあります。
例えば看護師は、基本的な看護技術やコミュニケーション技術は持ち合わせ対応しています。通常であれば問題ありませんが、個別性が必要な患者様もいるのが現状です。個別性に看護を展開する場合には、個々の看護師のスキルや感性によって変化することもあります。その際にカンファレンスを行うことで、看護師個人の対応のみで終わることなく、チームスタッフ全体で同じ対応ができるようになります。
また治療上の問題を抱えている患者様に対してでは、一人の目では気づかないこともあります。複数の目で見ていれば気づいていることもあるので、個々の持っている情報を出し合うことで、有効な解決策を見出すことができることもあります。
看護師にとってカンファレンスは、ただ参加するだけでは解決することはできません。参加している看護師全員が、各々で主体性を持ち、日々の看護ケアを向上する気持ちや疑問を持つことが大事です。根拠をもって、問題解決に向けての道筋を立てる力が必要となります。
2、看護学生が挙げるカンファレンスのテーマ
看護学生は、一人の患者様に対して関わり、アセスメントを行っていきます。日々の指導者から助言をもらい、計画・行動を繰り返していきます。そして全体でカンファレンスを行いますが、カンファレンスのテーマを決めるのが難しく感じてしまいます。私も、看護学生時代には、毎日テーマを考えるのが辛かった記憶があります。
看護学生において、カンファレンスに挙げるテーマとしては、基本的には現場で働く看護師と似ている部分もあります。患者様に対して、セルフケア不足を補うための方法であったり、コミュニケーション方法など様々な議題はあります。これらが見つかればよいのですが、学生時代の視点ではなかなか到達できないこともあります。そこで看護学生のテーマ立案としては、
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など様々な視点からテーマを決めることができます。基本的には、自分が困っていることを素直にテーマとして出していくことが良いと思います。
2-1、看護学生が挙げる具体的なカンファレンス例
上記で述べた内容でも、テーマ選定に困る方もいると思います。具体的なテーマ例をいくつか挙げますので、参考にしていただければと思います。
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など様々な視点でテーマをあげることができます。
受け持った患者様に関わり、困ったことを素直に議題に出していくことが大切です。自分だけがわからないと思いがちですが、学生なので皆が理解していないことも多く、情報共有し解決することはお互いにとってよいです。積極的に出していきましょう。
2-2、看護学生が行うカンファレンスの目的・必要性
上記で看護学生が挙げるカンファレンステーマを書いていきましたが、そもそもカンファレンスをなぜ行うのかを理解していないと、カンファレンスを円滑に進めていくことは困難になりがちです。カンファレンスを行う目的は以下の通りです。
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基礎看護技術以外、基本的に看護は、人間に対して提供する技術です。患者様一人一人の生活習慣や背景は多種多様であり、看護には正解がないことが多いです。色々な意見を取り入れることで、その患者様にとっての適切な看護を探す手がかりとなります。これがカンファレンスの目的・必要性となります。
3、カンファレンスにおいて、司会者の役割
まずは、グループ内で司会を決めます。司会の役割ですが、カンファレンスが円滑に進められるように、気を配らなければいけません。あるテーマについて、話が脱線した場合には、話しをまとめ修正する力が必要となります。始めから上手に司会ができる方は、才能がある方を除いては難しいでしょう。「人のフリみてわがフリ直せ」という言葉がありますが、上手に司会できている人の真似をしてみましょう。
上手な司会者は、他の人の発言を良く聞き、大事だと思われるポイントは確実にメモしています。それと同時に、頭の中でそれをまとめて話せる状態にしています。なので、話しが脱線したとしてもすぐに修正できるのです。
私も学生の頃は、基本的には流れに身を任せる側で、ほぼ発言したことがありませんでした。そのため、不意に司会者から質問されても答えられることが難しいことがありました。自分が司会者ではなくても、司会を行っているつもりでまとめることが、大事だと痛感した瞬間でもありました。それからは、カンファレンスに参加時には、常に司会のつもりで臨むようにしました。
今では、カンファレンスの場では、発言することに対して臆することもなくなりました。経験値が増えたのもありますが、日々の訓練によって誰でもできるようになれます。カンファレンス参加時には、受け身にならずに積極的に参加することによって、自分自身のレベルをあげることにつながります。
4.カンファレンスの具体的な進め方
カンファレンスは一般的に、「①導入」「②展開」「③まとめ」という流れで進行していきます。この構成を意識すれば、ある程度簡単にカンファレンスを遂行していくことができます。
①導入
導入では、自分が今回の司会者であることを宣言し、テーマや予定時間について、各参加者に伝えます。テーマについて、なぜこのテーマを選んだのかを説明します。メンバー全体で情報共有をするため、もしくはメンバーが共通して困っていることを話し合うためなど、具体的な理由を話してからスタートをした方が、各参加者の意識を高めることにつながるでしょう。
②展開
次に展開ですが、議題提案者の発表、もしくは各メンバーの発表を行います。その後に意見交換を行いますが、活発な意見交換ができるように、司会者である自分が途中でまとめや意見を交えるようにします。話しの論点がずれないように、修正をしながら進めていきます。時間内に話しがまとまるように配分していきます。
③まとめ
そして最後にまとめですが、展開で話し合った意見をまとめ、指導者や教員からアドバイスをもらいます。その後、結びの挨拶を行います。内容としては、アドバイスを受けて学んだことを交えると印象が良いので、是非行っていきましょう。
まとめ
経験上看護学生にとって、カンファレンスはテーマ選定が難しく、できれば避けたい出来事の一つです。看護の視点を交えてカンファレンスを行うことは、学生にはハードルが高いのが現状です。看護の視点を気にしすぎた結果、カンファレンスで発言することが少なくなりがちです。語弊があるかもしれませんが、看護学生時代にしか、変なことを言うことはできません。
積極的にカンファレンスに参加すると、反対意見が出ることも多いと思います。それをマイナスに考えずに、常にプラスに考えるようにすることが大事になります。反対意見を言われるのは、正直面白くないと思いますが、自分の意見が必ずしも正しいとは限りません。最も有効な方法が見つかる手段として考えるようにしましょう。
実際に看護師としてカンファレンスを行う際には、個々の患者様に発生した問題について、チーム全体で看護の視点を持って最善の方法を模索します。カンファレンスを行い、個々の意見を取り入れることで様々な事例に対して解決することが多々あります。看護学生時代は、看護師になる前の学習期間なので、積極的に話し合いができるように努力をしましょう。それが結果として、未来の患者様のより良い看護につながります。
福岡生まれの東京都在住の正看護師。看護学校を卒業後、大学病院に就職、ICU、オペ室、循環器を経験し、美容クリニックを経て、現在はブロガーとして活躍。
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