職場に女は2人いらない!嫁の嫉妬で解雇された看護師の話(2015/09/04)
公開日:
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最終更新日:2020/10/18
お役立ち
今まで、27年の間、10か月の産休以外、休まず常に看護師として働いてきた。この間、前職までを合わせ計4か所の医療機関で働いてきた。必然と、「退職願」なるものはご想像どうり4回提出してきたことになる。私がここで話したい事は、4か所目の医療機関において起きた退職に関する件が、ナースとして、また一般社会人として今回のような退職は私にとって経験もしたことがなければ今まで、聞いたこともない退職の形であったため、今回の件の真実を書き記すことにより、これを冷静に受け止め、この件にけじめをつけるべく早く忘 れ新しい環境に一刻も早く慣れることに繋がれるよう、願い記したい。
目次
胃液と消毒液の混ざった臭いで一日が始まる
ここは、お茶の産地で有名な、緑豊かなS県にあるホテルのような一般病院。
庭には日本庭園のような手入れされた池や庭木があり、心が癒される。そう、私の職場は自宅から車で3分。大好きなテレサテンの曲が1曲も聞けない距離。白衣に着替え、担当部署に入ると、いつもこの臭いで私の1日が始まる。「胃液と消毒液の混ざった臭い」。うっ!と鼻につくが、9年もこの場所で働いていると、アンカリング効果でこの臭いでやる気スイッチと、アドレナリンが自分の身体から出てくるのがわかる。
ここは私の部屋、内視鏡室。9年もいると自分の部屋と同じ認識。そして業務もややマンネリ。そんな中に緊急の吐血の 患者さんや、飛び入りの下血患者さんの検査が入ると、その出来事の何かが自分を興奮させさらに濃いアドレナリンが出る。仕事では、窮地に追いやられるような急変や未知の事で自分をいじめるような事が好きな私。
地獄の始まりは医師の甘い誘いから
ここでは、毎日日替わりで内視鏡医が日々患者さんの胃の中を覗いている。毎日働いていると、各医師の手順、言う事,次に何がしたいのか分かり、面白い。
外科医Dr・M、彼もその一人。常勤、バツ2、子持ち4人。末っ子は昨年二十歳。どんな事情かは知らないが、彼が一人で10年子育てを?という噂。売り上げがあり、こんな家庭状況だと許されるのか信じられないが彼の出勤時間は、なんといつも九時半過ぎの遅刻!患者さんも気がついている。
患者さんへの説明は、馬鹿丁寧過ぎ。そして、ややオーバー。だけど、患者さんやスタッフにはなんとなく頼られる部分も。そんな、ある日、Mは『Sさん、僕はクリニックを開業する事になった。ぜひ、Sさんの内視鏡介助をクリニックで生かしませんか?』と器材を洗う私の背中越しに、飛行機の音とともに投げかけてきた。・・・これが、 入職経緯、つまり地獄の始まりだった。
クリニックがオープンした!
新しい職場は自宅から車で5、6分。今回はテレサテンが1曲聞ける距離。今度は何も無いゼロからのスタート・・・。一般人であろうと医者であろうと、ゼロからの立ち上げは想像を超える大変さがある。
会社を立ち上げた方にはなおさら、ご理解頂けるであろうか。私は、このゼロ地点において27年分の自分の能力、経験、知識をフルに発揮できた事を今でも楽しく、充実していた事、そして新しい刺激 を求め未知の世界を作り上げる為にアドレナリンが出ていた事を記憶に鮮明に憶えている。
クリニックHP文案作成、消防署への提出書類作成、いくつもの検査説明用紙の作成、注射器や物品の発注、待合室の椅子や物品の配置、そして、内視鏡室の物品 薬品のスタンバイ・・・。トライ&エラーを繰り 返しながら、スタッフのみんなと力を合わせクリニックがオープンした。
患者が来ない毎日・・・
連日1桁の来院数。来院数が少ないと必然と患者さん一人当たりとの会話時間も長く余裕がある。そんな時、患者さんとの会話で犬の散歩の話が出て「私は、犬の散歩しているから足腰の骨が強い。骨折なんて1度もした事無いぐらい丈夫なの」と言われる方がいた。
私は丁度先日説明を受けた骨密度測定の話を思い出し、その患者さんに自分の骨の健康を知っておく為にと話しかけてみた。患者さんは「あらっ、そんな事ができるの?」等と言いながら期待に胸膨らませ自信満々で検査を受けていた。
ところが結果は・・・要注意状態。患者さんは、驚きを隠せず、今の自分の骨の状態を知り、時々検査を受けていきたいと言われていた。私は、この時、素直に患者さんの健康、病気への意識付けができた事(疾病の予防、健康の増進)を嬉しく思っていた。
「扶養」のはずがいつの間にか「フルパート」に
4ヶ月も経つと来院数も増え、待合室で待たさ れてしまう患者さんも増えてきた。どの位自分が待たされるのか、時々はこんな3時間も待たしてと帰る患者さんも出てきた。
そんな中、私は、DrMの診療パターン、検査パターン等を把握していた事から、30分以上待たされている患者さんには、おおよその待ち時間と番数、 新患には、症状から予想される当クリニックでの検査等、おおよその診療経過等のご案内を提供し待ち時間対策として改善を試みてきた。
その結果、イライラした表情で待つ患者さんも少なくなった。この頃になると、扶養範囲で働き始めていた私は仕事がとても楽しくなり,いつの間にか予定勤務時間もオーバーし、医師国保に切り替えフルパートで働き始めていた。
看護師なのに「広報部長」と呼ばれる
この時期、地域の広報誌に私自身が応募し掲載された事があった。私は興味本位次いでに広報誌の掲載料やシステム等の情報収集をして院長Mにこの事を報告した。院長Mは「広告等は、僕はまだ看板や広告まで手が回らず、医業でけで精一杯だ。
僕は開業してから、Sさんが患者さんに検査のアドバイスをしたり、またそれを患者さんが納得して受けてくれたり、ホームページの文案表現やクリニックのPRが、あんなにできる人とは思っていなかった。Sさんが勤務の日はクリニックの売り上げに直結している。
これからはクリニックの主任として、また、広告等統括として今後は働かないか?」この辺りから何気に広報部長等と冗談では言われていた事を思い出す。私はクリニックの看護主任とマネージメント主任として日々を送る事になった。
私はトラブル,イベントが大好き!(テニスの松岡修造さんの言葉に崖っぷち大好きと有るがあれと似ているかも)だけど自分に何度も問いかけた。
できる?この仕事?広報の知識なんて無い。PCだって十分に使いこなせないのに・・。でもやるしか無かった。看板設置に交通量を調べ、何社の見積もりを比べ交渉したり、広報誌掲載用の原稿をまとめたり、地域公民館でのセミナーを企画したり設定したり・・。看護師の仕事と同時に広報の仕事、昼ご飯も食べれない日々。いつも忙しかった。業務が終わり、業者との連絡を取るといつも帰りは十時・・・。気がつくと、あっ!子供のご飯・・。自宅に帰ると子供は夢の中。髪の毛が涙で濡れて頬に張り付いていた。
院長が婚活に夢中、3度目の結婚をすることに
そんな毎日の中、院長Mは・・・開業して半年で婚活に夢中になっていた。開業して半年で、婚活できる余裕がよく有るなと私は感じていた。他の開業医は借金を1億前後抱え紙1枚も無駄にしない方が多いのに。時折、院長の遅刻、10時出勤や診療中の居眠りも度重なりあり、患者さんに指摘され『今日はアウト!』等と言われる始末もあった。
クリニックが開業して1年と10ヶ月・・・この頃から院長の態度に変化が出始めていた。諸報告しても適当な返事、雑談も私には目も向けず他のスタッフに話しかける。また、私のタイムカードが水に濡れたようによれていたりしていた。
私は気になった為院長に尋ねた。すると、今までに聞いた事の無い言葉が返ってきた。「僕は再々婚する事になった訳なんだが、自分の新しい奥さんがあなたに嫉妬している。しかも狂ったように。僕が引き抜いてクリニックに連れて来た事、しかも仕事はできる上に患者さんのファンも多い。
また広告の仕事もこなしそれによる効果で患者さんも増えている。なのにいくら説明しても理解してもらえない。申し訳ないが・・・」この言葉に続く意味は?院長は何が言いたいのかしばらくの間理解に苦しんだ。これは解雇?退職勧奨?嫉妬?なぜ?私が何をしたと?唖然とした。
院長の奥さんの「嫉妬」が理由で突然解雇に!
突発性難聴を患ったある日、突然その奥さんと院長に呼ばれた「来月からあなたの主任手当をカットします。基本給も400円下げ戻します。勤務日数も減らします。あなたは目立ちすぎる」と奥さん。
私は訳が分からくなり強い吐き気に教われた。当然、納得いかなかった。理解できなかった。院長の目は右に左にうろたえておりまるで蛇ににらまれた何かのようだった。
数日後 これが労基法に違反している事を調べ監督署,ユニオンへ。後に院長の土下座謝罪を受けた「Sさんが辞めないから奥さんに減給するよう言われた」と。その土下座と給料の6倍の相場慰謝料で私は会社都合退職を自己都合に書き換えてやっと退職願を出した。お金が問題ではない。なぜ?何がいけなかったのか?院長に指示された事をやってきただけなのになぜ?
今回看護師として1番大変な時期のクリニックのオープンに自分が関われた事、さらに看護師として、患者さんに関われた事、また広告関係に関われ未知の経験ができた事、これらについては一生の宝物である。忘れられない。
上司の指示に従い働いてきたのに 出る悔いは打たれるどころか抜かれたような形になり未だに理解に苦しむ日々。1日何回もクリニックの事が思い出される。
そんな中、とある人材紹介の方から温かい言葉を頂き紹介を受け、明日からやっと救急外来の内視鏡室で勤務が始まる。新たなるアドレナリンを出す為に・・・。
早く忘れよう。
福岡生まれの東京都在住の正看護師。看護学校を卒業後、大学病院に就職、ICU、オペ室、循環器を経験し、美容クリニックを経て、現在はブロガーとして活躍。
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