水遊び・プールと保育|0才児・1才児・2才児の指導案とねらい(2017/02/17)
夏の遊びとして代表的なのが水遊び(プール含む)だと思います。季節ならではの遊びとして子どもに体験させるのも非常に意味のあることですが、その他に子どもにとって五感を磨く恰好の機会となるのです。
目次
1、水遊び(プール) 保育園とは
子どもの遊びの中で光や音を楽しんだりする「感覚遊び」というのがありますが、水の冷たさやキラキラ光る水面や柔らかく形を変える水の姿はそんな五感をフルに使えるとても優れた「感覚遊び」であるといえます。
これから、水遊びをよりよいものとしていけるようなアイディアをまとめていくので、是非参考にしてみてください。
1-1、水遊びの指導案
水遊びの指導案を組んでいく上で使えそうな保育書を紹介していきます。
■0~5歳児どろんこ遊び水遊びプール遊び180
出版元:ひかりのくに(2011)
夢中になって遊べるネタ180個を細かく対象年齢ごとに満遍なく紹介されています。
遊び方だけでなく、水遊びで使用できるような手作りおもちゃも一緒に掲載されているので、子どもたちと一緒に作製してから水遊びをすると一層盛り上がるのではないかと思います。
■使える!保育のあそびネタ集 水あそび外あそび50
出版元:自由現代社(2014)
こちらはプール遊びと園庭での水遊びのゲーム形式での遊び方の紹介がメインとなっています。
用意が少なくすぐに実行出来るものばかりなので、その場で子どもたちにどのゲームを行うかを決めてもらっても楽しそうですね。
上記で紹介したようなアイディアを取り組みながら、充分に安全面を確保して、子どもたちが水遊びを取り組んでいけるような指導案を作製していきましょう。
1-2、水遊びのねらい
水遊びのねらいの1番のポイントは「水に親しむ」ということです。
水を怖がる子どもは少なくないので、水遊びの機会を通じて水の感触を保育者や友達と感じて楽しみ、水は怖くなくて楽しいものだというイメージをつけて、小学校で始まっていくプールにスムーズに移行していけるような足掛かりにしていきたいです。
他にも水遊び着に着替えて、また普段着に着替えるというステップを踏むことになるので、自分で着替えが出来るよう習得していけるチャンスにもなります。
また、水遊びをするにあたって危険がないようにルールを決める必要があるので子どもたちにとっては、ルールを守るということを学ぶ機会ともなっていきます。
その一連の流れを水遊びのねらいとして、普段の保育園の生活では学べないことを身に着けていけるようにしましょう。
2、水遊び ~手作りのおもちゃ~
上で紹介しました保育書「0~5歳児どろんこ遊び水遊びプール遊び180」の著者でもある愛知教育大学教育学部想像系科学系教授の竹井史先生によると、市販のおもちゃを買ってきて済ますと子どもの想像力が育たなくなってしまうと警鐘を鳴らしています。
そこで、竹井先生提案の手作りおもちゃを始め、水遊びで使えそうな手作りおもちゃを紹介していくので是非水遊びに取り入れてみてください。
■クルクル回って知的好奇心をくすぐる「三連水車」
出典:日経DUAL(2015.7.9)
小さめのペットボトルを3つ束ねて上下二か所をゴムで固定して、中に割りばしなどを通し、箸の両端を持って水を流すとくるくると回り水車のように楽しむことが出来ます。
このおもちゃのポイントは、水をかける場所を変えると水車の回り方も変わるので、子どもの科学的な知的好奇心の引き出しを増やしてくれるところだそうです。
■お魚ヨーヨー ~プカプカ楽しい魚釣り~
出典:Hoiclue♪
水風船と輪ゴムとクリップを用意すれば、ベースが整う魚釣りもおススメです!
こちらの見本の他にも子どもたちに思い思いの魚を作ってもらってビニールプールなどにたくさん浮かべるとお祭りのような気分も味わえ、水遊びが苦手な子でも楽しめそうです。
2-1、水遊び ~ペットボトル~
出典:こども工作レシピ
こちらの写真のようにペットボトルの下にいくつか穴を開けてシャワーのようにして遊ぶと定番ネタではありますが、水の勢いも中身の量で変わるなど色々発見が出来て観察しながら遊べるかと思います。
出典:ベネッセ教育情報サイト
こちらはペットボトルを水に浮かべて太鼓のように叩いて遊ぶというものです。
こちらも水が苦手な子でも出来る遊びなので水に慣れ親しむ取り掛かりに使えそうです。
他にもペットボトルで水中メガネを作ってみるのもおもしろいです。
こちらは牛乳パックで作ってありますが、ペットボトルの飲み口のところを真っ直ぐに切り、切り口で怪我をしないようビニールテープなどでしっかり巻き付けたらそれで完成です。
手間なく作れ、水中に顔をつけることなく水の中の様子が見えるので、子どもたちの水への興味も増すのではないでしょうか?
3、水遊び ~タオル~
保育園にもよりますが、暑い時期は毎日のように水遊びを行うところもあるのではないでしょうか。
そうなると保護者が毎日バスタオルなどを用意するのは手間となってくると思います。
まだまだ0.1.2歳児くらいですと身体を拭く面積も少ないのでバスタオルのように大きなものでなくてもハンドタオルくらいの大きさがあれば充分となってきます。ガーゼタオルのような吸水性も良く乾きやすいものだと尚、扱いやすいです。
また、年齢が上がっていくとラップタオルが便利かと思います。
専用の商品を買ってもらわなくても大人用のバスタオルを輪っか状にして上はゴムを通して、ボタンなどで留めれるように加工してもらえば手軽に準備してもらえます。
3-1、水遊び ~帽子~
水に潜って遊べる年齢になったらスイミングキャップを使用しますが、まだ水に触って慣れ親しむ段階なら必ずスイミングキャップでなくても大丈夫です。
下記の参考画像のように首の後ろにも日よけガードがあるようなUV対策を施されている帽子がおススメです。
出典:ニッセン
3-2、水遊び ~綿パンツ・布パンツ~
下記の参考画像の様にポリエステルなどで作られていて、防水フィルムラミネート加工が施されている布パンツを水遊び用として使用することが出来ます。繰り返し洗って使えるので経済的ですし手軽です。
日本製のものもあるようで1500円前後で販売されているので、水遊び用おむつを毎回用意してもらうよりは便利かと思います。女の子はビキニタイプの上下セットのものなどもあります。
出典:amazon
他には、ウェットスーツの中にオムツ機能も施されていて保温効果もあるというSplash Aboutから出ているベビースナッグという水遊び着も非常に機能的です。
英国のスイミングスクールの90%以上がこちらの製品を推奨されているとも言われています。
出典:Splash About
3-3、水遊び ~トレーニングパンツ~
一方、漏れにくいという印象から水遊びにトレーニングパンツを使用するのはどうかと考える保護者の方もいるようですが、トレーニングパンツはおむつに比べて吸水力は少なく濡れたことが子どもに伝わり不快に思うように出来ています。
6層仕様など漏れにくく作られてはいますが、防水目的で作られているわけではないので、水遊び着としては不適切かもしれません。
3-4、水遊び ~おむつ~
水に入っても膨らまないように加工されている水遊び用おむつも各メーカーから販売されています。
緩いうんちでなければ漏れないようになっていてコンパクトなので持ち歩きもしやすく手軽に利用することが出来ます。
ただ、毎日のように水遊びをするとなると経済的負担が大きくなってくるので、決まった水遊び着を用意してもらった方がいいかもしれません。
出典:unicharm
4、年齢別の水遊び
4-1、0才児の水遊び
生後七ヶ月頃、お座りが出来るようになれば0歳児でも水遊びを行うことが出来ます。
たっちした状態で膝下になるくらいの浅い水を張り、水温も30度くらいとややヒヤッと感じる程度の環境がお勧めです。水遊びを楽しめるように、保育者がたくさん言葉掛けをして水遊びのおもしろさが伝わるように働きかけていきます。水遊びは体力を使うので30分くらいの留め、終わった後は水分補給と休息を忘れないようにしましょう。
また、転倒してしまったらどれだけ水が浅くても溺れてしまう可能性があるので、必ず目を離さないよう保育者同士で連携をとって進めていきます。
4-2、1才児の水遊び
水が苦手な子どもは水遊び時間をずらすなど配慮をしながら、水に親しんでいけるよう楽しい雰囲気で進めていきましょう。
少しずつ水に慣れていけるようにそれぞれのペースを尊重して無理のないようにしていきます。友達と一緒におもちゃを共有出来るよう語り掛けるなどして、友達と楽しむということも経験出来るようにしていけたらいいと思います。
4-2、2才児の水遊び
引き続き、水で怖がらず楽しんで遊べるよう保育者が意識して働きかけていきます。簡単なゲームをみんなで行ってみるなど、水遊びがより楽しくなるような工夫をしていきましょう。
おもちゃなども使用して水遊びでも様々な変化がでるように工夫をして、より充実した水遊びとなっていけるようにしていきます。
まとめ
保育園における水遊びについてまとめてみました。
夏の間にしか楽しめない水遊びは子どもにとっても記憶にも残りやすく、特別な体験は成長をするきっかけにもなります。
保育園での水遊びは「水に親しむ」ことを念頭に、手作りおもちゃなどを使用して遊び方の幅を持たせて、保育者も一緒になって楽しんで水遊びをしていきましょう。
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