連絡ノートと保育|家庭と保育園をつなぐ連絡帳の正しい書き方(2017/03/06)
毎日の連絡事項や体調やその日の様子などを伝え合う連絡帳やノート。家庭と園とをつなぐ大切なツールですが、「どうやって書いたら良いのかわからない・・・」「毎日連絡帳やノートを書くのにすごく時間がかかってしまう・・・」などとお悩みの保育士さんも多いと思います。今回はそんな保育士さんたちのために、連絡帳・ノートの基本的な書き方や、スラスラと書けるようになるちょっとしたポイントをおしらせします。
目次
1、そもそも連絡帳ノートとは何のためにあるのか
1-1、家庭での生活と連続した保育をするためにある
保育園での生活と家庭での生活は連続したものであると、保育所保育指針にも書いてありますね。家庭からは、前日の夜からの食事・排便・睡眠・機嫌などを記入してもらいます。また、園からもその日の園での姿をお知らせするものです。家庭からの連絡事項に、「咳き込んでしまって、夜あまり眠れませんでした」と書いてあれば、ゆったりと過ごせるようにしたり、眠たそうだったら午前中に少し眠れるように配慮することができます。また、「便が緩かったです」と書いてあれば、気を付けて様子を見ることもできますよね。
子どもたちの大切な情報が書いてある連絡帳ノートは、出勤したらまず最初に必ず目を通し、必要なことは担任同士で共有するようにしましょう。
1-2、連絡帳ノートから家庭の様子をイメージしよう
必要事項だけをやり取りする以外にも、連絡帳ノートには大切な役割があります。保護者との信頼関係を構築することです。そのために、一番重要なのは、自由記述ができる欄です。
仕事で忙しい保護者と、業務に追われている保育士さんは、なかなかゆっくりと話す機会はありません。でも担任として、子どもたちが家庭でどんな姿なのか。どんな生活をしているのか。また親子関係はどうなのか知っておきたいですよね。連絡帳ノートの自由記述欄には、それらのヒントがたくさんあります。書いてあることをただ読み流すのではなく、「このお母さんはいつも子どもと遊んでいるな」「お仕事忙しいんだろうな」「お父さんがたくさん手伝ってくれているんだな」と、家庭での様子がイメージできます。また、「今日はちょっと落ち込んでいるのかな?イライラしているのかな?」なんて日も、毎日注意深く連絡帳ノートを読んでいるとわかるようになります。
1-3、連絡帳ノートは家庭と担任との交換日記
家庭での様子がわかったら、園での様子もしっかりお伝えしなくてはなりませんが、その前に必ず、保護者の書いてくれた文に対してお返事を書きましょう。例えば、「食事と時に何回もお代わりをしてくれました!」と書いてあったら、「ママのお料理が美味しかったのでしょうね」や、「たくさん食べたからか、今日も朝から元気いっぱいでした!」など、簡単で良いので必ずお返事をしましょう。そうすると、たまにしか記入してくれなかった保護者も、担任とのやりとりが楽しくて、毎日書くようになってくれる場合もあります。まるで交換日記のようですね。大切に書き続けた連絡帳ノートは、思い出がたくさん詰まった家庭と園の共同制作の育児記録になります。子どもが大きくなった時に読み返すと感慨深いでしょう。よって、担任も大切に描かなければなりません。
1-4、連絡帳ノートは時に悩み相談室に
毎日育児に家事に仕事にと、大忙しの保護者は、時にはイライラしていたり、悩んでいたり、疲れていることだってあります。そんな感情を連絡帳ノートにぶつけてくることもあるでしょう。そんな時は、そっと気持ちを受け止めてあげてください。「そんな時もありますよね」「最近イヤイヤ期なのでママも疲れちゃいますよね」そんな一言に、保護者はホッとするものです。
2、園での姿をよりよくわかってもらうために
連絡帳ノートの役割の中でも非常に大きなものが、園での子どもの姿を伝えることです。
ポイントとしては、
■時系列のように出来事だけを書かない。
✕「お部屋でダンスをした後、お庭で滑り台や砂場で遊び、その後も走り回って楽しそうでした」
・・・これはまったく具体的ではなく、クラス全体の様子になってしまいます。保護者が知りたいのは、自分の子どものことだけです。その子の表情や仕草、言葉が伝わるように書きましょう。
→◯「ダンスに誘うと、嬉しそうに一番前までやってきました。決めポーズもバッチリ決めて大満足の〇〇くんでした。お庭では大好きな滑り台を何度も滑りました。上手にお友達と順番こができていましたよ」
■すべてを書こうとしない
✕「〇〇ちゃんは、ホールに行くとまずボールで遊び、次に積み木を重ねては崩して遊び、担任と追いかけっこを楽しみ、最後にフラフープをくぐって遊びました。給食もお代わりしてよく食べ、午睡もたくさんしました」
・・・その子の様子が書かれているので、一見良さそうに見えますが、やったことが羅列されているだけで、子どもの表情まで浮かんできません。連絡帳ノートの記述欄という限られたスペースの中で、よりわかりやすく伝えるために、話題は一つか二つに絞りましょう。
→◯「〇〇ちゃんは、△くんと一緒に積み木で遊びました。二人で勢いよく積み上げるのですぐに崩れてしまうのですが、崩れた時は二人で顔を見合わせて大笑い!お友達と一緒だと、なんでも楽しくなっちゃうんですね」
・・・このように、積み木の話題に絞ると、しっかりと子どもの表情まで伝えることができますし、お友達との関わりに保護者もほっこりするでしょう。また、一人遊びから友達と楽しく遊べるようになってきたことをさりげなく伝えることで、子どもの成長や発達を感じられる文章になります。これで「きちんと見てくれているな」と保護者も安心します。
■マイナスなことだけを書かない
✕「にんじんを残しました」
→◯「にんじんが苦手だったようですが、一口だけ頑張って食べられました!」
✕「お友達とおもちゃの取り合いで大泣きしました」
→◯「お友達と大好きな電車のおもちゃのことでトラブルになりましたが、きちんと納得し、交代で使うことができました」
・・・仕事で疲れて自宅に戻り、子どものマイナスなことが書かれた連絡帳ノートなんて読みたくないですよね。1日園にいたら、トラブルや大泣きすることだってあるでしょう。でもその事実だけを書くのではなく、その後どうだったか、どう解決したのか、まで書くようにしましょう。しかし、あまり連日続けて書かないほうが良いでしょう。良いエピソードを選んであげてください。どうしても伝えたいこと、怪我などのトラブルは連絡帳ノートではなく直接保護者に伝えたほうが、変な誤解を招くこともありません。
以上の点を意識して書きましょう!
また、複数担任の場合は、書き始める前にエピソードを共有しあうと、自分は知らなかったけど、他の担任が見ていた面白いエピソードなどが出てくる場合もあります。「何書こう~」と悩む日も正直あると思います。そんな時も、他の担任に聞いてみると良いでしょう。保育を楽しむ余裕がないと、子ども達のちょっとしたエピソードを見逃してしまいがちなので、次のことを考えることも大切ですが、まずは子どもたちと楽しく遊べる心の余裕を持ってくださいね。
まとめ
連絡帳ノートは、家庭と園とをつなぐ大切なツールです。
苦手意識を持つ人は、エピソードを探しながら保育してみると、新しい発見があるかもしれませんね。筆者はよく面白いエピソードを書いている先輩保育士の連絡帳ノートをこっそり読んで参考にしていました。するとだんだんコツがつかめるようになり、ある日保護者から「いつも〇〇先生の連絡帳ノートを楽しみにしています」と言われてとても嬉しかった思い出があります。忙しい日々ですが、一人一人に丁寧に向き合うように、連絡帳ノートにも丁寧に向き合ってください。
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