園長先生になるには?園長の仕事内容と気になる給料・年収事情を徹底解説(2018/02/13)
施設の責任者となる園長先生はどうしたらなれるのでしょうか。また保育園の園長と幼稚園の園長とでは仕事内容はどう異なってくるのか、また給料面はどうなっているのかなど、園長先生についてこれから詳しくまとめていきます。是非参考にしてみてください。
1、園長の仕事内容
園長の仕事内容はどのようなものなのかまとめていきます。園長の仕事は保育士のように子どもたちの保育に専念する以外にも様々なことが求められてきます。責任者としての保護者や地域への対応や、保育者をまとめるリーダーシップ、園長としての専門性も兼ね備えていることが必要となってきます。まずは園長の責務と専門性についてまとめられたこちらの本が参考になるので紹介します。
出典:園長の責務と専門性の研究(小林育子、民秋言、阿部和子|萌文書林|2012年6月)
保育の質の向上をテーマに、施設長の責務として、園長は専門性を高めること、自園の課題への共通理解を深め、職員の研修や自己研鑽に助言することなどが求められています。本書の中ではこういった園長の責務について明確するとともに、保育リーダーとしての専門性が保持・強化されるように園長の専門性を分析・検討して、徹底解説してまとめられています。
そして園の責任者としてリーダーシップを発揮するために大切な姿勢を、ベネッセによる保育者の力を引き出す園長のリーダーシップの特集記事よりまとめていきます。園長のリーダーシップというと特別な資質が必要かに思えますが決してそういうわけではありません。リーダーシップといってもカリスマ性のように優れた人柄が求められるわけではなく、それよりも保育士1人1人の意見に耳を傾け、どのような思いで保育を行っているのかを把握して、考えを否定せずまずはおおらかに受け止めるような姿勢が園長のリーダーシップとして求められます。
また、保育士のことを信頼し、共に学び合う環境づくりを築いていくことも大切です。休憩のような短時間でも日常会話を交えながら話し合える時間を設けるようにしていくと、お互いの意見を交換出来るベースが出来上がっていきます。そして、最終的な責任は自分が取るという姿勢をリーダーとして明確にしておくと、保育士は園長を信頼し安心感を持って活き活きと保育に取り組んでいくことが出来るといいます。是非、これらのことを参考に園長の責任者としてのリーダーシップについて考えてみてください。
2、保育園園長の仕事内容
続いて、保育園園長の仕事内容はどういったものなのかすきっぷ保育園のホームページを参考に見ていきましょう。ホームページでは保育園園長の仕事を、既存園、新規開園予定の認可保育園の運営業務としています。
こちらを詳しく解説していくと、まずは施設の運営が挙げられます。建物の管理から子どもたちの安全を守るなど保育を適切な環境で行うように管理する責任者ということになります。そして、保育を行っていく保育士の採用や育成を担当していきます。保育園の方針を共有して一貫した保育を園長をはじめとした保育士全員で行っていく必要があります。
続いて乳幼児の保育業務です。園長は一番の責任者という立場にはなりますが、子どもたちと直接触れ合って子どもたちの様子を把握したり、現場の状況を自分の目でしっかりと確認しなければなりません。他にも保護者対応や行事の進行、見学会や入園式など園長が主導して進めていく事柄も多数挙げられます。
3、幼稚園園長の仕事内容
次に、幼稚園園長の仕事内容をEduTownあしたねを参考に見ていきましょう。幼稚園園長は園児たち保護者、園児を教える幼稚園教諭などのまとめ役となります。ですがそれだけでなく、役所や地域社会との関係を築いていくことも幼稚園をスムーズに経営、管理していく為に非常に重要な事柄となります。こうした一連の流れを俯瞰しながら、園児のことを第一優先にしつつ、全ての状況によりよい対応をしていくのが幼稚園教諭の仕事とまとめられています。業務は園児たちと直接触れ合うことから、保護者たちとのコミュ二ケーション、役所への書類提出など多岐に渡りますが、ここまでの流れは保育園園長とほとんど同じと言えます。
では、保育園園長と幼稚園園長の違いは何かというのを、Conobieのページを参考にまとめていきます。行っていく業務に大差こそありませんが保育園と幼稚園は保育を行う目的が異なっています。
幼稚園の主たる目的は「教育」です。小学校に通う前の子どもが教育を受けるところという位置づけになります。つまり幼稚園は子どもの将来を見据えて教育を行う施設ということになります。それに対して保育園は、仕事や病気、介護などの理由で保護者が家庭で充分に保育が出来ない場合に保護者に代わって保育を行う施設という位置づけになります。そういった主目的が異なることから日々の活動や、行事の進行など保育園園長と幼稚園園長では内容が異なってくるところがあります。ですが、最近では幼稚園でも預かり保育などの子育ての支援事業を充実させているところも増えてくるなど2つの園の役割が近づきつつあるのも事実です。
出典:イラストで読む! 幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育・保育要領はやわかりBOOK(無藤隆、汐見稔幸|学陽書房|2017年8月)
こうした時代背景の流れから2017年3月に、今までないほどの大きな改訂が幼稚園教育要領でも保育所保育指針でも行われました。何がどのように変わり、改定後どんな保育を目指していけばいいのかなどがこちらの本1冊でまとめられているので、大変参考になります。
4、園長の給料・年収
では園長の給料・年収についてまとめていきます。まずは、e-Startの賃金構造基本統計調査を参考に通常の保育士の給料・年収について見ていきましょう。保育士の平均月給は22万円弱となっています。他に年間賞与などの別給与額の平均が60万円程という数字も出ています。なので年収で計算すると、324万円程が保育士の平均年収となることが分かりました。保育士はベテランの保育士となっても余り昇給することは期待出来ず、勤続20年とかのベテラン保育士の方でも同程度の年収だということも珍しくないそうです。
先ほどの通常の保育士の給料・年収と比べて、園長の平均年収は約780万円となるようです。数字だけで見ると保育士の倍以上の年収となるので、額面で見るとやはり園長の仕事はとても魅力的です。ただ、園長の仕事内容でも触れてきたように、園長に求められる仕事や責任は多くなります。最低でも10年以上の保育士経験が求められる上に、経営や事務に関する深い知識やスキルも必要となってくるので、給与だけを求めて園長を目指してもその道は険しいものとなってしまうでしょう。
5、保育園園長の給料・年収
では、それぞれの園長の平均収入が分かったところで、続いて実際の求人情報から最新の保育園園長の給料・年収を見ていきましょう。勤務地が東京都、千葉県、神奈川県などの関東圏で求人されている情報を参考にすると月給33万円からの募集となっていました。ただ、募集を行っている保育園によっては、保育士資格の有無によって給料が3万円程違いが出てくるなど資格を所有していることが大きなポイントとなってくる求人もありました。他にも保育士資格を所有していて入社すると祝い金が出るところもあるので、求人情報を見比べてみるといいでしょう。
6、幼稚園園長の給料・年収
続いて、同じように幼稚園園長の給料・年収を見ていきましょう。神奈川県内の幼稚園園長の求人情報を参考に見てみると、幼稚園園長の給料は60万円と設定されていました。年収は1000万円と掲載されています。ただこちらの幼稚園の求人の場合は、幼稚園教諭免許および小学校教諭免許を所有していることと、幼稚園園長の経験があることが条件となっています。しかし、言い換えれば資格を所有して経験さえ積んでいけば、ここまでの収入を受け取ることが期待出来るということです。自分の希望条件に合った求人情報を見つけられるように、備えて資格を取得しておくなど事前に行動しておくとスムーズに運んでいけそうです。
まとめ
園長先生になるにはどうしたらいいのかについてまとめてきました。また保育園園長と幼稚園園長に分けてそれぞれの仕事内容と給料面についても紹介致しました。保育園園長と幼稚園園長では、保育に欠ける子どもを預かって代わりに保育する施設と小学校入学前に教育を受ける施設という、そもそもの置かれている状況から異なってくるので、仕事内容も給料面も差が出てきます。自分に向いているのはどちらなのかじっくりと考えて、求人情報などを見つけていくといいでしょう。
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