保育園の隣に住んで、発狂レベルの騒音を体験して思ったこと(2015/11/05)
今、保育園・幼稚園の設置は騒音被害が予想されるため近隣住民の賛成が得られずに、どこに建てるかということが問題になっています。
その対策として、民家側に窓を取り付けないようにしたり中庭を地下に設置したり、保育園・幼稚園側が近隣住民の窓に防音窓を設置する料金の負担をしたりする所もあるのだとか。
この社会問題には、実際に住んでみないと分からない問題点があり、保育園・幼稚園側が近隣を気遣うということができたら状況が改善されるのではないかと思うのです。
目次
実際に住んだことがあるからこそ分かる近隣住民の気持ち
実際に保育園・幼稚園の隣に住んでみないと分からない騒音問題があります。そんな、実際に住んだことがあるからこそ分かる騒音問題を私の体験をお話しします。
後悔しても時すでに遅し
実際に、少し前まで私のアパートは幼稚園のすぐ隣にありました。
もうそれは、気が狂いそうなほどの騒音を発する場所でしかないのです。
幼稚園の方が先に建っていたので、後から引っ越して来た癖に文句言うなと言われそうですが毎日ドンチャンドンチャンと聞こえてくる楽器と奇声は苦痛以外の何物でもありませんでした。
なるべく家賃を安く済ませたいなと思っていた時に見つけたこの物件は内装も素敵で、すぐに気に入りました。ところが、担当の人がこう言うのです。
「2000円プラスになっちゃいますが、東側の部屋にして頂いたら幼稚園と反対側ですよ?結構騒音が聞こえてきますよ?」
何も知らないあの時の私はこう答えて契約してしまいました。
「仕事で昼間は家にいませんし、子供の遊ぶ音くらい騒音のうちに入りませんよ。大丈夫大丈夫。」
あの日にタイムスリップできるなら、あの時の私の安易な考えを必死で止めてあげたい。
不幸の始まりは突然始まった
そして不幸なことに私の仕事のシフトが、平日休みの土日出勤になってしまったのです。せっかくの休みにドンチャンドンチャン…気が狂いそうとはこのことを言うのか!というレベル。
休みの日ぐらい寝坊したいですよね?できませんよ。
幼稚園は8時から窓を開けての子供用ミュージックの放送が始まり、続いて子供たちの声で
「キャー!」「ウアーー!」
奇声と共に鳴き声が響き渡り、もう起きるしかない。
それはもう窓を閉めていても届くボリュームでした。
お昼を過ぎれば今度は子供たちの大合からのお遊戯の練習に使うミュージックが響き渡る。
問題だったのは決して音だけではありません。大音量による振動も私の気を狂わせるものでした。
閉園の時間になりやっとこの爆音がら解放されると思いきや、今度はママたちのコーラスの練習が夜遅くまで行われます。もう、勘弁してくれという感じです。
休みの日の夕飯ぐらい家でのんびりリラックスして食べたいじゃないですか。そんな事が叶うはずもなく、「やっだ~!」「あはは~!」「らららら~」というママ達の大きな話し声にこっちもゲンナリ。
引っ越せばいいったてタダじゃない!
どうにもならないとは承知のうえで不動産屋に相談しました。返ってきた言葉は、
「引っ越ししていただくしかないですね。」
ですよね~。という事で4カ月目に引っ越しをすることにしました。
結局またアパートを借りるとなれば、敷金は多少返っては来たものの、敷金・礼金・引っ越し代と30万以上はかかりましたね。お金を心配するよりも、とにかくこの気が狂いそうな環境から抜け出したいという気持ちが勝っていました。
このような経験をしたことがあるので保育園や幼稚園からの騒音被害に悩む気持ちは痛いほど良く分かります。
「あんたも昔は子供だったんだから」とか「そういう意見が少子化を招くんだ」という人がいるかもしれません。でもそれは、この気が狂いそうなほどの騒音の中で生活したことがないから言えるセリフだと思います。
園の隣に住むときの条件
確かに子育てをする施設は大事ですし、皆小さいころはお世話になっていた場所だから大人になった今は協力的になるべきなのは分かります。
しかし、爆音での子供向けミュージックや楽器の音が毎日続くのですよ。朝から晩までです。
そんなところでまともに暮らせる人がいるとは考えられません。
もし暮らせる人がいるとしたら、
・園と家との間にそれなりの距離がある。
・園側の配慮でボリュームを騒音にならない程度に調節してくれる。
・園との間に良い信頼関係が築けている。
といったことがすべて揃っているからではないでしょうか。
こんな社会問題は日本だけ?
今は国際結婚をしたので海外に在住していますが、園から大音量の音楽や楽器の音を聞いたことはありませんし、問題になっているとは聞いたことがありません。ふと疑問に思い夫に聞いてみたら、お遊戯や合唱などはしていたとのこと。
では何故、騒音が聞こえてこないのでしょうか。
それは壁の作りの違いが関係しているようです。どこの建物も、寒さに対応した作りなので壁は70センチ以上の厚さですし窓ガラスは二重になっているのです。
日本の建物は、隣に住んでいる人の生活音が聞こえるほどの壁の薄さですよね。
全ての家の壁の作りが防音になっている為、多少の音楽や子供たちの叫び声もダイレクトに家の中まで入ってこないという訳なのです。
つまりこの問題の根源は、日本の建物の壁や構造にあるのではないかと思います。
工事費が高いから現実的じゃない?ここまで社会問題になっているのですから、市や国が負担しても良いとは思いませんか。あるいは、工場などに騒音の規制があるように園にも騒音の規制を適用すべきだと思います。
気遣いの「心」があるだけでストレスは減る
確かに、子供がのびのびと成長できる環境は大事です。しかし、あの大音量のミュージックやママさんのコーラスは本当に子育てに必要だと言えるのでしょうか。
子供が子供がと言って優先されるがゆえに、周りの大人たちの生活環境からくる体調不良についてはどうでもいいというのは間違っていると思います。
音を発している側は、その騒音がどのくらいなのかどれだけストレスなのかは分かりにくいものです。苦情を言ってきた人を邪険にする前に、実際に住んでみたらいいのです。
どれだけ日常生活に支障をきたすのか、身をもって知ることができるでしょう。
今の時点では市や近所国が対策の為に資金提供してくれるわけでもないですし近隣住民の窓を全て防音になどしたら莫大な金額になってしまいますよね。
では何ができるのか。
運動会などで、いつもよりミュージックを流す予定であれば近隣の住民にお知らせをしたり、近隣住民がいつでも意見したりできるよう、窓口となる電話番号を知らせておくことは決して難しい事ではないですよね。
このような、周りを気遣う「心」があればこれほど社会問題に発展することはないのではないでしょうか。
まとめ
子供たちの通う保育園や幼稚園が開設できないというのは、これからの少子化の問題と向き合う上で無視できない状況だと言えます。しかし、先に建てた方が優先されるとか子供が優先だとかを主張するのではなく、近隣住民と園とがどこまで気遣いができて譲り合えるのかを考えることが1番の解決策になるのではないでしょうか。
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