自衛隊看護師|自衛隊の看護学校とその倍率、仕事内容と給料は?(2017/04/29)
みなさんも災害派遣や海外支援など、自衛隊看護師の活躍を目にしたことが一度はあるでしょう。国家公務員で待遇が良いというイメージを持ち、実際に自衛隊看護師を目指している人も少なくありません。
では実際に、自衛隊看護師になるためにはどうしたらよいのでしょう。
ここでは自衛隊看護師になるための方法や自衛隊看護師の業務内容について解説しています。自衛隊看護師を目指そうと思っている方やこれから看護師を目指そうと考えている方は是非参考にしてみてください。
1、自衛隊看護師とは
自衛隊看護師とは自衛隊中央病院や自衛隊地区病院、部隊等で看護業務に携わる看護師のことを言います。
一般での募集は応募資格として、看護師免許の他に保健師または助産師免許が必要で、年齢制限も設けられており36歳未満でなければ応募することができません。
2、自衛隊看護師になるには
自衛隊看護師になるには、自衛隊に入隊し教育を受ける方法と看護師免許を取得してから自衛隊に入隊する方法があり、自衛隊の看護教育には、准看護学生課程と防衛大医科大学校 看護学科学生があります。
2-1、自衛隊の看護学校
2)准看護学生課程
まずは一般隊員として自衛隊に入隊し、教育や訓練を受けます。教育修了後、准看護課程を受験し、合格すると准看護学生となります。2年間の准看護師課程を過ごし、准看護師資格試験を受験します。准看護師課程で優秀な成績を残した場合は、救急救命士課程(1年)に進むことができ、国家試験に合格すると救急救命士免許を取得することができます。
2)防衛大医科大学校 看護学科
高校卒業後、防衛大医科大学校 看護学科を受験します。
防衛大医科大学校には、保健師·看護師である幹部自衛官を養成する看護学科(自衛官コース)と、防衛大医科大学病院で勤務する保健師·看護師を養成する看護学科(技官コース)があります。いずれも、修業年数は4年で保健師および看護師資格の取得を目指した学業に励むことになりますが、自衛官コースには訓練があります。
防衛大医科大学校 看護学科では入学金·授業料が無料で、毎月給料または手当が支給されます。また国家試験の合格率は100%で、卒業後は特別国家公務員としての身分が保障されています。
ただし、両コースとも卒業後6年未満で離職する場合は、卒業までに要した費用を返還しなければいけません。
2-2、自衛隊看護学校の倍率
防衛大医科大学校 看護学科は非常に人気が高く、例年、高倍率となっています。実際の入試結果は以下の通りです。
3、自衛隊看護師の仕事内容
自衛隊看護師の仕事は、基本的に一般の看護師とほぼ同じです。患者の多くは防衛省の職員とその家族で、病院勤務以外に舞台での勤務、災害派遣や国際緊急援助活動、国際平和維持活動があります。
■部隊勤務
各部隊の衛生体の一員として勤務し、主に訓練中の負傷者への処置等を行います。
■災害派遣
災害が起きた際に避難所を回り、処置をしたり避難所で生活している被災者の健康管理を行います。巡回診療などの医療活動のほかに、被災者の心のケアも自衛隊看護師の重要な役割となります。
■国際緊急援助支援
海外で災害等が発生した場合に医療チームとして派遣され、被災国への医療援助などを行います。
■国際平和維持活動
国際テロや地域紛争などの問題解決のため紛争地での診療補助などを行います。医療の提供を通した国際問題の解決への貢献が望まれます。
4、自衛隊看護師の給料
自衛隊看護師の給料は階級によって変わります。階級は看護師としての経験や年齢によって決まります。
実際の給料は、一般のナースと大差はなく、入隊当初の年収は300~350万程度、平均は400~450万程度となっています。ただし、年齢とともに確実に昇給するため、勤務年収によっては年収が500万を超える場合もあります。
また、一般の看護師と比較して、各種手当が充実しているため、これを含めると好待遇と言えるでしょう。
まとめ
自衛隊看護師は災害派遣や海外での支援業務など、特殊な業務を与えられることがありますが、基本的には一般の看護師と業務に大きな違いはありません。看護師として活躍するフィールドが異なっても、看護の基本は変わりませんので、日々の学習を忘れずに、患者の立場にたった看護が提供を心がけていきましょう。
東京都在住、正看護師。自身が幼少期にアトピー体質だったこともあり、看護学生の頃から皮膚科への就職を熱願。看護学校を経て、看護師国家資格取得後に都内の皮膚科クリニックへ就職。ネット上に間違った情報が散見することに疑問を感じ、現在は同クリニックで働きながら、正しい情報を広めるべく、ライターとしても活動している。
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