なぜ看護師は責任をとるのか?責任感の無駄使いをオフにする3つ方法(2015/10/06)
こんにちは。ココロ社です。今回は看護師さん向けのサイト向けの記事なので、責任感について書きたいと思います。
目次
「責任感」はいいこととは限らない
「責任感がある」というのは、中高生のころから、すばらしい人間の代名詞のように語られてきました。しかし、よく考えてみると、「すばらしい」というのは、先生や上司にとって「すばらしい」のであって、本人やその家族にとっては、かえって「最低」と思われてしまうことも少なくありません。たとえば自分の担当でない仕事まで手を伸ばした結果、帰りが遅くなってしまい、家族から非難を受けたり……という悲劇はあらゆるところで生まれています。
看護師など、特に責任の重い職場では、「人数が少なく、責任も重いので、転職しようと思ってもなかなか転職できない」という悩みが発生しがちで、いまの職場での待遇がよくないのに転職活動すらままならない、というか、今の職場での待遇が悪すぎて、転職の道を閉ざされている方もいらっしゃると思います。
上司の責任を代わりに取る必要はない
では、あなたが、「人数が少なくてわたしが抜けたら大変」という職場にいたとして、責任をとるのは「わたし」でしょうか。いえ、そもそも人員設定を少なく設定し、法的な問題もなく退職する人が円滑に退職できなくなるような体制を作った上司に責任があります。つまり、上司が責任をもって対処しなかったために、部下がその尻拭いをさせられてしまうことになっているだけなのです。
「責任」をとった結果、より事態が悪化することもある
また、そこで無理をして現場が責任をとって「やめない」という選択肢を採ったらどうなるかというと、このままの体制で存続できるので、苦しい状態が続いてしまうのです。つまり、「責任感のある行動」をしたために、他の人たちをも不幸にしてしまったということになります。
「いま辞めたら他の人の迷惑になる」という場合、「いま辞めないでいると、もっと他の人の迷惑になる」あるいは「いま辞めないでいると、誰かが辞めたとき、自分が困ってしまう」ということになりかねません。
責任感の無駄遣いをやめる方法
このように、「責任」という言葉に囚われてしまうと、不自由な生き方しかできなくなってしまいますし、人を不幸にすることにもなりかねません。ここからは、責任感を無駄遣いしない方法について考えてみましょう。
責任感は幼いころからの刷りこみのようなものなので、そこから自由になるためには大変な努力を必要とします。少なくとも「責任感とか考えていてもしょうがない」と頭の中で思っている程度なら、たちまち責任感ワールドに引きこまれてしまって元の黙阿弥です。意識的に「責任感から自由になる方法」を実行していくことをお勧めします。
責任を取って損をした事例を数えてみる
責任を取ることは無条件によいことだと考えられがちですが、その陰でどれだけ多くの犠牲が払われているかについて考えてみると、無条件によいことともいえないことがわかります。たとえば休んでもさほど咎められなかったときに無理に仕事をしてしまったこと、他の人の尻拭いをしたらかえって自分が悪者にされてしまったことなど、責任を取ることで損をしたことを思い出し、馬鹿馬鹿しい気持ちになってきたら、冷静さを取り戻しているということでしょう。
他人の無責任さについて考えてみる
責任感の強い人は意外に視野が狭く、「これくらいが責任感としては平均値である」というのをあまり考えて行動していません。責任感のありすぎる人間になってしまうと損ですから、せめて「平均的な責任感くらいでいこう」と考えて、他の人がどの程度責任を取っているか意識して観察してみてください。意外に休むと大変なタイミングで休んでいるな、などの感想を持つと思います。常に「自分が思う責任」を客観的に見るようにしていけば、バランスが取れるはずです。
「責任」に優先順位をつける
たとえば自分が何のために仕事をしているのかを考えてみます。お客様の笑顔のためと答える人もいるかもしれませんが、家族を泣かせてまでお客さまの笑顔のためにがんばろうとは思わないと思います。責任というのはあくまで相対的なもので、「家族を幸せにする」という責任から逃れているという言い方もできます。必ずしも、狭い職場での責任を取るという行為がすばらしいこととはいえないのだ、ということを念頭に置いて、「責任」の優先順位に従って行動すべきでしょう。
以上、「責任」を無駄に背負わないすすめについてお話しさせていただきました。冷静に考えて、二度と顔を合わせることのない職場の人に対して、無駄に「責任」を負って、一生つきあわなくてはならない家族や、自分自身の人生を犠牲にすることのないようにしてきたいものですね。
大阪生まれ。サラリーマン業の傍らでブログ『ココロ社』を運営。
考法講座』『忍耐力養成ドリル』『モテる小説』など。
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