献血センターで働く看護師の給料や仕事内容など8つのメリット(2017/10/19)
看護師の職場の1つに献血センターがあります。献血センターで働きたいと思っているあなたのために仕事内容や給料、メリットなどをまとめました。献血センターで働こうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
看護師の病院別の月給・賞与・年収がわかる|みんなの給料・年収
目次
1、献血看護師とは
献血看護師とは、献血センターで働く看護師のことです。日本での献血事業はすべて日本赤十字社が行っています。日本赤十字社は、全国に54の血液センターと188の付属施設(献血センター)、1つの本社直轄施設で献血事業を運営しています。献血センターは日本赤十字社が運営している施設ですので、献血センターで働く常勤の看護師は日本赤十字社の社員となります。
献血看護師の職場は献血センターだけではありません。献血をする場所は献血センターだけでなく、献血バスもありますよね。そのため、献血センターに就職すると普段は献血センターで働いていても、献血バスが出る日は献血バスに乗ってイベント会場へ出向き、そこで献血の仕事をすることになります。
2、献血看護師の仕事内容
献血看護師の主な仕事内容を説明する前にまずは献血の手順を説明していきます。献血センターに来た人は、すぐに献血ができるわけではありません。安全な血液を安全に採血できるように、手順を踏んで採血されます。
①受付
②問診 ③検査 ④採血 ⑤休憩 |
この5つの手順で献血は行われます。この5つの中で、看護師が直接かかわるのは検査と採血です。
検査では、看護師は少量の採血を行って、血液型の事前判定とHb濃度が採血基準を満たしているかをチェックします。その後、献血の採血を行いますが献血には全血献血と成分献血があります。どちらも、採血のために針を刺しますが、成分献血の場合は、さらに機械の操作も行います。
献血に使用する注射針は、血液を良好な状態で採血するために病院で使用するものよりも太く17Gを使用します。
また、せっかく献血に来てくれた人に何度も注射針の刺しなおしをすることはできないので、献血看護師は採血に関して正確な看護技術を身につけておかなくてはいけません。献血センターの採血業務以外に、献血した血液を管理するためのパソコン操作や器材管理なども行います。
もう1つ重要な仕事は、緊急時の対応です。献血中や献血後に貧血の症状が出たり、気分が悪くなったりする人がいます。献血センターの看護師は、このような症状が出た人の対応を素早く行うだけでなく、献血者の様子を観察し早めに対処するようにします。
3、献血看護師の給料
献血看護師は日勤のみの仕事ですので、給料はそれほど高くありません。経験年数によっても異なりますが、諸手当を入れて、月収25万円前後になることが多いです。バイトの場合は、時給1400円前後ですね。
横浜の献血センターの求人情報に載っている給料をご紹介します。
月給:246,800円前後 (※平日16日+休日5日とすると) 月平均21.6日勤務 |
月給はそれほど高くないものの、常勤採用の場合は日本赤十字社の社員になりますので、ボーナスはしっかりもらえます。日本赤十字社のボーナスの支給実績は4ヶ月分前後です。
そのため、年収は380~400万円が目安になるでしょう。ほかの職場と給料を比べてみたい人は、「看護師の病院別の月給・賞与・年収がわかる|みんなの給料・年収」を参考にしてください。
4、献血センターで働く看護師の8つのメリット
献血センターで働く看護師のメリットを8つご紹介します。献血センターで働くと、たくさんのメリットがあるのです。
4-1、日勤のみで働ける
献血センターは日勤帯のみ開いています。夜は献血をしませんので、献血センターで働くと夜勤なしの日勤のみで働くことができます。勤務時間は、8時30分~17時のようなところが多いです。日勤のみで働けるので、育児中の子持ち看護師も仕事と子育てを両立しながら働くことができるのです。
4-2、残業少なめ
献血センターは受付終了時間が決まっていますので、基本的に残業はありません。そのため、定時退勤できることが多いです。
献血バスは人が多く集まるイベントに行くことが多く、献血希望者が押し寄せたり、設備の撤去などがありますので、献血バス担当の日は残業しなければいけないこともあります。それでも、急性期病棟のように毎日長時間の残業があるわけではありませんので、働きやすい職場であることは間違いありません。
4-3、休日が多い
献血センターの年間休日は120日程度ありますので、一般的な看護師の職場に比べて、休日が多いことがメリットです。
献血センターは土日関係なく開いていますので、土日も働かなければいけませんが、それでも、毎週土日は絶対に働かなければいけないというわけではなく土日の半分程度は休みになります。そのため献血センターはオンオフを切り替えて、リフレッシュしながら働くことができる職場なのです。
4-4、重症患者がいなく精神的に楽
献血センターは、献血できる健康状態の人しか訪れません。献血中に貧血症状を起こす人はいますが、それでも命にかかわるようなことはほとんどないのです。
献血のための穿刺を失敗できないというプレッシャーは病院よりもありますが、重症患者の看護をするプレッシャーはありませんので、急性期の緊張感が苦手な人にとっては精神的にゆとりを持って働くことができます。
4-5、日本赤十字社なので安定性が高い
献血センターの看護師は、日本赤十字社の社員になりますので、安定性は抜群です。各種手当や福利厚生などは整っていますし、「万が一倒産したらどうしよう?」という心配もほぼありません。献血センターで働くと、公務員として働くのと同程度の安定性を得ることができるのです。
4-6、教育制度が整っている
献血センターは、教育制度が整っているというメリットもあります。献血センターは、看護師の仕事の手順はすべてマニュアルで決められています。安全な血液を確保するためには、マニュアルに則って採血をしなければいけないのです。
そして、安全な血液を確保するためのもう1つの対策として、看護師の教育制度が整備されていることがあります。プリセプター制度を充実させるなど、マンツーマンで指導してもらえるので、初めて献血センターで働く人も、安心して仕事をすることができます。
また、学会認定・自己血輸血看護師などスキルアップできる環境も整えられています。
4-7、日本の医療を支えているというやりがいを感じる
献血事業は、日本の医療を支えている事業です。献血事業がなければ、輸血はできません。献血事業があるから、たくさんの患者の命を救うことができるのです。
献血センターは日本の医療を支えている存在と言えるでしょう。献血センターで働くと、日本の医療を支えている、たくさんの患者を助けているというやりがいを感じながら働けるのです。
4-8、常勤でもバイトでもどちらでも働ける
献血センターの求人は、常勤の求人もありますが、バイトの求人もたくさんあります。そのため、常勤でもバイトでもどちらでも働くことができます。「最初から常勤は不安」とか「献血センターの仕事が自分に合っているかわからない」という人は、まずはバイトから始めてみると良いかもしれません。
献血センターのバイトの求人は、非常勤(パート・アルバイト)から探してみてください。
まとめ
献血センターで働く看護師の仕事内容や給料、メリットなどをまとめました。献血センターで働いてみたい人は、献血ルームの求人を探してみましょう。
東京都在住、正看護師。自身が幼少期にアトピー体質だったこともあり、看護学生の頃から皮膚科への就職を熱願。看護学校を経て、看護師国家資格取得後に都内の皮膚科クリニックへ就職。ネット上に間違った情報が散見することに疑問を感じ、現在は同クリニックで働きながら、正しい情報を広めるべく、ライターとしても活動している。
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