保育士の勉強方法|独学での勉強時間・期間、本やアプリなど紹介(2017/05/02)
保育所の需要が急激に広がっていくと共に、保育士資格をもつ人材を求める声も高まっています。そのような中、保育士資格を取得しようとしている人も増えてきているようです。保育士資格の取得を目指し、一体どのような勉強をどのように進めていけばよいのかをまとめてみました。(※実際の保育士試験については「保育士試験|筆記試験・実技試験の内容・科目と申し込み手続きの概要」でまとめています。併せてご覧ください。)
目次
1、保育士になるための勉強
「全国保育士養成協議会」によると、保育士資格を取得するためには、2通りの方法があります。一つは、厚生労働大臣の「指定保育士養成施設」を卒業すること、もう一つは保育士試験に合格することです。どちらも容易なことではありませんが、短期間で資格を取得したい人は、「保育士試験」を受験する方法を選ぶケースが多いようです。しかし、試験の合格者は毎回受験者のうちの20%前後と狭き門。確実に保育士資格を得るためには、自分に合った勉強スタイルを考えていくことが近道になります。ここでは、後者の「保育士試験」に合格する勉強方法をいくつか覗いてみたいと思います。
1-1、保育士資格を得るまでの勉強時間
保育士養成施設と保育士試験、どちらでも保育士資格の取得は可能ですが大きく異なるのが必要な時間です。保育士養成校は、卒業に必要なカリキュラムをこなさなければならないため、受講やテスト勉強、実習などでどうしても勉強時間が多くなってしまいます。それに比べ、保育士試験はその人の勉強スタイルで試験対策を進めていくことになるので、必要となる勉強時間はその人次第ということです。
1-2、短期間での合格も可能である
保育士試験を目指す勉強方法は、さまざまあります。独学で挑む人はもちろん、通信講座や試験対策講座などのカリキュラムを利用する人もいます。勉強期間は講座やカリキュラムによって異なります。「生涯学習のユーキャン」での保育士講座の場合、一年を通して2回の試験を受け、保育士資格を取得するスケジュールが立てられています。「共働き夫婦のブログ」という保育士試験の合格経験がある主婦のブログを覗くと、私は、育休中に独学で3カ月間勉強して、平成27年保育士試験に一発合格しました。とあり、たった3ヶ月間の独学で一発合格を成し遂げたという強者もいました。ではどのような勉強をしていけば、短期間での合格が目指せるのでしょう。
2、保育士になるための勉強方法・コツ
保育士試験を目指して勉強をする場合、計画性をもって取り組むことが重要になります。受験者の中には、3~6ヶ月という短期で合格を果たす人がいれば、3年掛かってしまう人もいます。ここでは、効率的に試験の勉強を進めていくための方法やコツをチェックしておきましょう。
2-1、保育士になるための勉強 ~順番~
保育士試験のための勉強をするにあたり、どのような順番や流れで進めていけばいいのか漠然としている人も多いのではないでしょうか。保育士試験の科目は、見ると専門的なものばかりになっています。まずはポイントを掴んでいくためにも、深く考えずに全科目の教科書やテキストを一気に読み流していきましょう。保育士試験の勉強をサポートしているサイト「保育士試験合格クイズ」では、合格経験者の勉強プランを例にあげ、5ヶ月間の勉強期間、どのような順序で勉強したのかを具体的に綴っています。初めの2ヶ月:テキストを読んで全体像をつかむ(インプット)残りの3ヶ月:問題集で練習(アウトプット)する。これが試験勉強を成功へと導くポイントです。設定する勉強期間は人によって異なるものの、初めはテキストを一通り読んでいくことで、勉強内容を把握していき、ポイントをつかむことができてきたら、実践的な問題や過去問をどんどん解いていく流れです。試験形態はマークシート方式なので、例年の問題内容を確認しておけば、出題傾向やポイントも自然に身についていきます。
2-2、保育士になるための勉強 ~アプリ~
試験勉強の方法は好みによってさまざまですが、最近はいつどこでも簡単に勉強できるスマートフォンやタブレットのアプリを利用した勉強方法も広く活用されているようです。ここでは、すぐに勉強に活用できるおすすめのアプリをいくつかご紹介しましょう。
まずは、科目別に得点力アップを目指せる問題集アプリ「保育士科目別問題集」です。全160問という問題数を誇り、あらゆる角度からの出題に備えることができます。また、詳しい解説もそれぞれの問題についてくるので、間違いもその場で解決することができ、まさに試験勉強に活かせるアプリの一つです。
もう一つは「保育士分野別問題集」。このシリーズは、筆記試験の科目別で過去問がアプリになっているので、自分の苦手な科目に集中アプローチができます。また、クイズのような一問一答形式なので、ゲーム感覚で楽しく勉強を進めることができるのもうれしいところ。通勤通学の時間を活用して、アプリ勉強してみましょう。
2-3、保育士になるための勉強 ~テキスト~
保育士資格を取得するためには、幅広い専門的な分野を学ばなければなりません。保育士養成施設では、それぞれの科目の講義で教科書が利用されています。しかし、保育士試験の勉強をする場合、教科書での勉強はポイントを絞りにくく、膨大な量の教科書を読まなければならなくなります。効率的な試験勉強をするためにも、相棒となる使いやすい勉強本やテキストを見つけることが大切になります。
出典元:いちばんわかりやすい保育士合格テキスト〈’17年版 上巻〉 (コンデックス情報研究所|成美堂出版)
こちらは最新の試験をもとに出題傾向をリサーチしているので、今すぐ役に立つテキストとして人気です。絶対に押さえておくべきポイントを逃さず、赤シートで確認できるようにもなっているため、効率良く勉強を進めたい人におすすめです。
出典元:保育士試験完全予想模試〈’17年版〉 (コンデックス情報研究所|成美堂出版)
模擬試験のシュミレーションできるようになっているので、試験直前まで活躍してくれます。この他にも、試験勉強に活かせる勉強本やテキストが幅広く販売されています。店頭でパラパラと内容を確認し、自分に合う形式のものを探してみましょう。
2-4、保育士になるための勉強内容
保育士資格を取得するためには、実際どのような勉強をすることになるのでしょうか。厚生労働省の「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」によると、保育士養成施設では、必修科目が十数科目であるのに対し、保育士試験で実施される筆記試験の科目は8科目になります。その科目内容は、保育原理、教育原理及び社会的養護、児童家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論の8つです。最新の出題範囲は「全国保育士養成協議会」のホームページにて確認できるので、勉強するまえにまずは目を通しておきましょう。
2-5、保育士になるために「勉強ノート」は不要?
保育士試験に短期間の勉強で一発合格した「共働き夫婦のブログ」を覗くと
ダメな勉強法の典型は、インプットばかりしていてアウトプットをしないことである。たとえば、テキストを暗記するために、テキストの内容をノートにキレイにまとめる。絶対やってはいけない。時間の無駄だ
とあり、ノートをとること自体効率的ではないことを忠告しています。たしかに、保育士養成施設での勉強ペースであればきちんとノートにまとめることに問題はありません。しかし、短期集中しなければならない保育士試験の勉強では、ポイントとなる内容をどんどん頭に入れるとともに、問題を解くことで引き出していく練習をすることが重要になります。前にも述べたように、「インプット」と「アウトプット」をくり返すことが合格につながる効率的な勉強方法になるのです。
3、保育士になるために通信講座を活用する
保育士資格を得るための独学をサポートする通信講座がいくつかあります。自身で勉強を進めていく自信がない人は、計画的に勉強を進めてくれるこれらを活用してもよいでしょう。ここで、いくつかの通信講座をご紹介します。
3-1、生涯学習のユーキャン
通信教育の代表的存在である「ユーキャン」にも、保育士資格の通信講座があります。オリジナルの教材を使い、計画的に試験に向けた勉強を進めることができます。添削サポートもついているので、自分に不足している部分が客観的に理解できるのもうれしい点ですね。また、実技試験のために「対策動画」も用意されているので、確実に合格を目指すための準備が整うシステムになっています。価格は税込59,000円。資格をとるために選択肢の一つとして考えておきましょう。
3-2、ヒューマンアカデミー
最短6ヶ月で保育士試験の合格を目指す「ヒューマンアカデミー」での通信講座。自慢は、とにかく勉強に活かせる教材です。講義DVDをはじめ、それと連動したCDも付いているので、いつどこでも聞いて勉強することが可能です。さらに、実践的なテキストで必勝策を具体的に教えてくれます。価格は税込46,000円。確実な合格を目指すためなら高くないかもしれませんね。
勉強方法の一つとして、通信講座を活用することももちろん一つの手段です。効率の良い勉強をしたいなら、プロが監修するこれらの通信講座に力を借りましょう。
4、保育士になるための勉強会
短大、専門学校よりも短期間に低価格で資格を取得したい。そのような場合は、個別に開講されている講座や勉強会に参加してみませんか?独学では気づけないポイントや、試験に合格する術を具体的に知るきっかけになるかもしれません。
4-1、キャリア・ステーションストア
保育士試験対策の希望の専門講座を申し込むだけで参加することができる「キャリア・ステーションストア」。ホームページで、ネットショッピングのように講座を購入していくので、独学との連携に活用してもよいですね。また、教材の購入も可能。選び抜かれた使いやすい教材が揃っているので、自分で選ぶのが困難な人は、こちらから購入してもよいでしょう。講座を購入するためには、会員登録が必要なので、検討してみましょう。
4-2、エンゼルカレッジ
保育士試験の合格を目指す人のためのオンラインサイト「エンゼルカレッジ」でも、自宅で簡単に授業を受けるサポートをしてくれます。入会、年会費を支払えば、教材や問題集をダウンロードし勉強に活かすことができます。ブログやメルマガと連動し、勉強の進行をサポートしてくれるので、わかりやすく計画的に頭を整理します。また、一緒に勉強している仲間の掲示板も設置されているので、勉強方法や試験対策のノウハウを共有できるのもメリット。独学で心細くなったときは、こちらもチェックしてみてはいかがですか?
まとめ
保育士資格を得るための道筋は人によって違うものの、勉強が必要であることに違いはありません。いかに効率的で試験に実践できる勉強をするかが、保育士試験の合格にもつながっていきます。自分に合った勉強法を見つけ、保育士資格の取得を目指していきましょう。
参考文献
指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長|2015)
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