2年保育|メリットと習い事などを含めた過ごし方、3年保育との違い(2017/03/08)
子どもを幼稚園に入園させたいと考えているとき、3年保育か2年保育という選択肢があります。最近は、年少組から入園する3年保育が主流となっていますが、年中組みからの入園である2年保育とはどういったものなのでしょう。どちらか悩んでいる親御さんのために、ここではその過ごし方や3年保育との比較をご紹介します。
目次
1、「2年保育」とは
4歳児、いわゆる「年中組」から幼稚園に入園し2年間の通園をすることを「2年保育」といいます。最近は入園スタイルを選べる幼稚園が増加し、「子どもとゆっくりかかわる時間を大切にしたい」「子どもが早生まれなので、3年保育ではちょっと心配」という親の考えから2年保育を選ぶケースも増えてきているようです。では、2年保育を選択したときのメリットやデメリット、さらに3年保育との違いはどういったものなのでしょう。
1-1、2年保育と3年保育の違い
まず考えられるのは、費用の違いです。園によって異なりますが、通園費用は年間でかなりかかることが考えられます。単純に、2年保育の場合は、家庭で保育する1年分の通園費用がかからずに済みますね。また、親としていちばん気になるのが3年保育を受けた子どもとの「成長の差」です。2年保育だと成長が遅い、社会性に欠けるなどといった考えかたも広がっていますが、卒園式の日にどの卒園児をみても、2年保育と3年保育の大きな差は目立ってみえません。3年保育で既に園生活に慣れている親や子どもの中へ溶け込むことは、親も子も不安ではありますが、過程はともかく、卒園までには個々に成長し立派に巣立っていくことには間違いありません。
1-2、2年保育のメリット
3年保育の子どもと比較すると少し気にかかることはあるものの、2年保育を選択した親の声には、もちろん「2年保育にしてよかった」と思うこともたくさんあるようです。まず、子どもとの時間が増えること。3歳にしかない子どもの成長過程を親は間近で感じることができ、また親子の絆をじっくり深める時間も増えます。さらに、3年保育で入園した場合は通園時に親と離れることに不安を感じ、離れにくい子どもが多いですが、2年保育の場合はある程度子どもが自立しているため、親とスムーズに離れられたというケースが多いようです。また、前にも述べたように、1年分の通園費用の負担が軽減されるということも、大きなメリットといえるでしょう。
1-3、2年保育の「通園しない」1年の過ごし方
では、2年保育に入園するまでの1年間、子どもとはどのように日々を過ごしていけばよいのでしょう。いままでいっしょに公園や地区センターで遊んでいた同年代の友達が3年保育に入園してしまい、日中遊べる友達が一気に減ってしまったということもあるはずです。しかし、3歳の子どもには、入園していなくても周囲の友達とのかかわりや社会性は大事にしたいもの。そのようなときは、幼稚園の園庭開放や自治会の未就園児コミュニティに積極的に参加してみましょう。多くの場合が定期的に予定しているはずなので、同年代の友達といっしょに過ごすよい機会になります。未就園児の親とのコミュニケーションもとれるので、子育ての情報交換の場にもなりますね。2年保育だからといって、無理に幼稚園で行うようなことを家庭ですることはありません。オリジナルな子育てでよいのです。子どもが楽しく過ごすこと、また、自分でできることに積極的にチャレンジすることを大切に過ごしましょう。
2、2年保育の幼稚園受験
付属幼稚園、受験幼稚園はもちろんですが、最近は認定こども園や地域の幼稚園でも「受験」が必要になるケースが多くなっています。園によって異なりますが、2年保育の募集人数枠が狭いこともあるため、入園を予定している場合は早めの確認と事前の準備が必要になります。どのようなことを心がけておけばよいのでしょう。
2-1、付属幼稚園や受験幼稚園の受験準備
付属幼稚園や受験幼稚園は、将来の中学・高校受験をスムーズに進められるようにしたい、または園の教育方針に共感している親が子どもの入園を考えていることが多いようです。そして、入園には試験を通過することが必要になります。
試験内容は園によってさまざまですが、注目されるいくつかの共通点があります。まず一つは「集団行動」ができるかどうか。数人のグループで遊ぶ中、集団意識を持ちながら行動できるかを観察します。子どもの協調性や社会性、道徳などが問われる場面です。二つ目は個別の試験です。数や言葉の理解、質問に対しての受け答えはできるかなどの確認を行います。三つ目は親子での面接や課題です。親子の関係や家庭環境など、主に親の様子に重点を置く試験となります。
いずれにしても、事前に志望園の試験内容をチェックしておくことは必要不可欠です。付属幼稚園や受験幼稚園の受験を考えている場合は、日常の生活の中でメリハリのある生活を心がけることが大切になります。さらに、数や言葉、そして集団意識を高めるために幼稚教室に通う親子も多いようです。
2-2、地域の幼稚園の受験準備
地域の幼稚園でも、入園前に簡単な試験を行うケースがあります。名門幼稚園のように徹底したものではありませんがどのような試験を行うのかを確認しておきましょう。情報を得やすい環境として、志望園のプレ幼稚園や園庭開放などに参加することがおすすめです。子ども自身が園の環境に慣れるうえ、入園を希望している親子が多く集まっているので情報交換の場にもなります。園の先生ともかかわりがもてるのも、入園準備の大きな機会かもしれませんね。入園方法は園によって違いはあるものの、早めの準備や情報収集を心がけましょう。
3、何歳からやるべき?2年保育の子どものこと
2年保育、いわゆる年中組の子どもは、実際どういった生活を送り、どのような活動をしているのでしょう。これから入園する期待と不安でいっぱいのプレ2年保育の親御さんは、園での生活・活動内容のことを入園前に知っておきたいのではないでしょうか。ここで少し確認しておきましょう。
3-1、2年保育の習い事
幼稚園では、保育時間外に園の施設を利用した習い事に参加することができるところもあります。リトミックやピアノ、体操教室や英語教育などそのジャンルは園によってさまざまあります。3年保育で入園した園児の多くは、もうすでにそのいずれかを習っているかもしれません。もちろん、2年保育で入園した場合でも、習い事に参加することは可能ですが、まずは園の生活に慣れることを優先してあげてください。その後、園の生活が身についてきたら、子どもの希望を聞きながら、楽しく続けられる習い事にチャレンジしてみましょう。「習い事は早いほうがよい」という話はよく聞きますが、それによって子どもの負担になってしまうと話は別です。何歳からということにとらわれず、その子に寄り添った判断をしてあげましょう。
3-2、2年保育での園生活
年中組になると、園での生活や活動は活発なものになっていきます。3年保育では生活習慣の自立が大きな目的になりますが、それが達成される2年保育では新たにさまざまなチャレンジや知識を身につけていきます。園によって力を入れる点は違いますが、マーチングや運動、お泊まり保育や課外活動など、子どもが活躍する機会がどんどん広がっていく時期なのです。2年保育で新入園児として入園する場合、3年保育の子どもと比べて生活習慣の獲得や園生活の流れに慣れることに遅れが出てしまうことは仕方のないこと。しかし、それに気負わず親子で積極的に取り組んでいくことで、自然と子どもはその流れに入っていくことができてしまうので大きな心配はいりません。
4.後悔しないために。2年保育に決める親が考えておくべきこと
世間では3年保育が主流になっている中、家庭の事情や考え方によって2年保育を選択する場合どのようなことを頭に入れておくべきなのでしょう。
まず、2年保育での入園は、主流となっている3年保育に比べて入園枠が少ないということを知っておきましょう。園の方針や規模によって異なりますが、場合によっては2年保育での入園を受け入れていないところもあるようです。入園しようと思っていた園に入れなかったため1年保育になってしまったという例も少なくないようなので、今後入園しようと考えている園をあらかじめいくつか調べておきましょう。
また、「2年保育だから成長が遅れる」「2年保育だから甘やかされている」などといった話をよく耳にしますが、そのようなことはありません。2年保育でも生活習慣がしっかり自立している子はいますし、逆に3年保育で1年園生活を送っていても、まだ慣れずに朝泣く子はいます。育つ環境や子どもの性格、特徴によって成長のカラーは千差万別であたりまえ。問題なのは、入園前や入園後に、親がどのように子どもをサポートしてあげられるかなのです。園生活を送っていても、子どもが壁にぶつかったとき園に任せっきりなのではなく、親が積極的に子育てに参加する気持ちを持つことは大切です。ですから2年保育でも同様に、入園しなかった1年間を充実して過ごせるように家庭ならではのあたたかさでサポートしていきましょう。
まとめ
園児募集や新年度を迎える時期になると、「入園」に対してさまざまな悩みを抱える親がいるかと思います。しかし、子どもはどのような環境に立っても驚くほどの適応をみせるものです。「どこの園にするか」「何歳で入園させるか」などを考えすぎず、いま何をしてあげることが最善なのかをよく見極めて選択しましょう。
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