自分も周りもどんどん良くなる「ありがとう」の魔法(2015/11/11)
目次
1.「ありがとう」って言っていますか?
日頃当たり前すぎてあまり意識はしていないかもしれない「ありがとう」という言葉、今日何回言ったのか、数えてみたことがありますか?
何回言われたのか、数えてみたことがありますか?
カウントしてみると意外と少ないとか、あれこんなに言われてたのか、とか、色んな発見があると思います。
言われると嬉しいけどなかなか言葉にできていなかったりする「ありがとう」
今回は「ありがとう」の持つ力とその使い方について考えてみたいと思います。
2.「すみません」って言っていませんか?
仕事中や日常的な大人同士の会話の中で、「ありがとう」の代わりに「すみません」ってついつい言っていませんか?
例えば、自分の請け負っている仕事を手伝ってもらったとき、自分のシフトを何かの理由で代わってもらったとき、誰かに何かしてもらって助かったときに「すみません」という言葉で相手に気持ちを伝えようとしてしまうこと、ありませんか?
相手に迷惑をかけてしまったような気持ちになってつい使ってしまう「すみません」という言葉。いろんなニュアンスを含むとても便利な言葉なのでつい使いたくなってしまいませんか?でもこの言葉を使うことに慣れてしまうと「ありがとう」と言うべきところでついつい「すみません」が出て来てしまったりします。
「ありがとう」の代わりに「すみません」が出てきてしまうことで、どんな影響が出てきてしまうのでしょうか。
3.「すみません」と「ありがとう」の違い
3-1 相手のマイナスを意識した言葉「すみません」
「すみません」という言葉は本来は謝罪、感謝、依頼などの意味を持つ言葉だと言われています。英語では I’m sorry. Thank you. Excuse me. と明確に分かれているこの3つのニュアンスが、日本語では「すみません」一つで済んでしまう、とても便利な言葉として使われて来ました。
しかし、現代では「すみません」という言葉には3つの意味合いのうち最初の1つ、謝罪の意味で使われるケースが多くなっています。
相手に危害を加えたり、明らかな損失を与えたり、気分を害してしまうような、こちらに多大な非がある場合は丁寧な謝罪をする必要があります。しかし、職場や関係者との間で何かを助けてもらったりするような場合、「すみません」という謝罪のニュアンスを大きく含む言葉を頻繁に使用することは注意が必要です。
謝罪は「私はあなたが被ったマイナスを意識しています」というメッセージを相手に伝える表現です。つまり「すみません」と言われた人は発言した人から何かを奪われた、何か損をさせられた、というような、自分が何かを失ってしまったようなネガティブな印象を与えられることにも繋がってしまいます。
また、人によっては何度も謝られることで自分が相手をいじめているようなイメージを抱いてしまうこともあります。必要以上にへりくだられることで不快に感じるというケースもあります。
そして口にする方も「相手に迷惑をかけてしまった」というマイナスの感情を抱いてしまいがちで、その負の感情から「繰り返さないようにしよう」と考えてしまいやすくなります。
3-2 自分のプラスを意識した言葉「ありがとう」
これに対して「ありがとう」という言葉は自分が助けられたこと、頂いたこと、相手のおかげで自分が良い方向へいけたことを意識していることを相手に伝えるポジティブな印象を持ちます。
そして言われた側も「自分が相手に良いものを与えた」というプラスの感情を受け取りやすくなり、同じ事がもしもう一度起こっても心地よく受け入れやすくなります。
4.職場での「ありがとう」
4-1.やむを得ない事態での「すみません」の影響
「急な私用でシフトを代わってもらいたい」「仕事を手伝って欲しい」「引き受けたけど自分には難しいから周囲に相談したい」
業務の中で起こりうる色々な困った事態、自分が注意していれば防げる種類のものではなく仕方なく起こってしまうことも多いそんな状況で周りを頼ったとき、助けてもらえたとき、「すみません」「すみません」を謝罪をし、頭を下げてしまうことで職場にどんな影響を与えるでしょうか。
上記のような「すみません」の持つ影響力、多用することで職場の中では「これは再発してはいけないこと」という意識が自然と蔓延してしまうかもしれません。そしてお互いに「このことで人を頼るのは良くないのではないか…」と暗黙の了解のように感じてしまう、そう流れていってしまってはお互いに気持ちよく協力し合いながら業務をこなしていくことが難しくなってしまいます。
4-2 空気を変える「ありがとう」の力
そんなときについ「すみません」と言いたくなる気持ちを抑えて「ありがとう」と言ってみてはどうでしょうか。
「お世話になりました、ありがとう」「助けてくれてありがとう」と謝罪ではなく感謝の気持ちをダイレクトに伝えることで相手にプラスの感情を与え、自分もまたマイナスの感情を抱え込まずに済みます。
そして、そうやって「ありがとう」の言葉が回っていく職場ではお互いがお互いのマイナスの要素を上手に補い合うことができ、働きやすい職場へと空気がだんだんと変わっていきます。
5.子ども達にも「ありがとう」
「ありがとう」という言葉を使うことが日常的になってくることで子どもに対しても自然と「ありがとう」という言葉を口にする頻度が上がっていきます。
「ありがとう」は相手を認める言葉。相手の存在を尊重し、行動を評価する言葉です。
自分の行ないに対して大人から「ありがとう」をもらえた子ども達は自分が認められた、ほめられた、と感じます。そのプラスの栄養は、自分のことを好きだと思える力「自尊感情」を育んでいくための大事な要素となり子ども達を伸ばす手助けをしてくれます。
そしてその栄養を与えられた子ども達は自分以外の人にも「ありがとう」の栄養を与えることができるという、良い人間関係を築くための大事な1つのスキルを身につけることに繋がっていきます。
6.おわりに
日常的に何気なく使っている「すみません」「ありがとう」という言葉。
「使ってみよう」とちょっと意識するだけで周りの人との人間関係が少しずつ変わっていき、自分の環境がだんだんと良くなっていく、「ありがとう」はそんな魔法の言葉です。
「すみません」と言いたくなったときにその気持ちをぐっとこらえて「ありがとう」と言ってみてください。きっと、少しずつ良いことが身の回りで起こっていくはずです。
4児の母。育児や教育、PTA関連など子どもを取り巻く様々な問題や家族のありかたについてTwitterやブログで発信している。共著に『#アホ男子母死亡かるた』
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