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子持ちナースと子どものいないナースは不平等である(2015/08/24)

公開日: : 最終更新日:2020/06/05 看護師 お役立ち 東京都 

 

看護師の不平等

ナースという職業は、女性が多いのが特徴です。男性看護師も増えてきたとはいえ、まだまだ女性が半数以上を占める職場がほとんどでしょう。

 

そんな環境で感じるのが、子どものいないナースと育児中の子持ちナースの不平等さ。仕方ないとわかってはいても、不平等さを感じずにいられません。

 

女性の働き方が今後の課題

女性の働き方は、頻繁にクローズアップされます。女性の社会進出に伴って、結婚や出産に伴う働き方の選択が大きな課題となっているからです。

 

男女平等が叫ばれるようになったとはいえ、まだまだ社会全体を見れば男性中心です。そして、出産をするのが女性である以上、女性が社会で働き続ける上で、そのあり方というものは課題となってきます。

 

子どものいないナースにかかる負担

ナースの世界は、女性の働き方への理解がある場所。

 

しかし、昔から女性中心であったナースの世界では、女性のライフステージの変化に対する理解や受け入れ体制は整っている方でしょう。ライフスタイルに合わせて雇用形態を変えることはよくありますし、院内に24時間保育体制を整えて、ワーキングママ達をバックアップする体制を取っている職場も多くあります。

 

男性中心で動いてきた他の業界に比べて、女性の働きやすさはずば抜けていると言っても過言ではないかもしれません。

 

消えない職場内の不満

けれど、それでも職場での不満はなくなることはありません。女性だからといって全員が結婚・出産を経験するわけではないし、完全に理解することは不可能です。

 

とくに、子どものいるナースとそうでないナースの間で距離が生じやすくなってしまいます。

 

育児中のナースは、時短制度を使ったり、子どもの急病で休むことが多くなったりすることで、仕事に対してフルコミットすることが難しくなります。有休もどんどん消化していきます。その分、子どものいないナースが残業したり、院内の委員会を兼務したりと、どんどん負担が増えてきます。

 

シフト表を見て育児中のスタッフが多いと、「あぁ、突然休まれたら困るから、絶対休めないな…」と思って、体調不良でも無理をして出勤するようなことも。有休だって、気を使って取りにくくなります。

 

こういったことは一般企業でも起こりうることでしょう。しかし、女性ばかりの職場であるがゆえに、一般企業と比べて育児中のスタッフの比率が高くなってしまうこともあります。そうなると、育児中スタッフとそうでないスタッフの負担がどんどん広がってしまい、同時に不満もたまっていくのです。

 

育児に関するスタッフの不満の大きさでは、実はナース業界は一番なのかもしれません。

 

育児中スタッフの態度が原因?

もちろん、育児中のスタッフだって、そのようなことになっているのは理解している人がほとんど。休まなければならなくなったときに申し訳なく思っていたり、限られた時間でも出来る限りの事はやろうと精一杯働いています。

 

けれど、時折、「子どもがいるんだから休んで当然」という態度でいる人もしばしば。

 

「子どもが体調を崩すのは仕方ないんだから、休んで当たり前」

「子どものいない人が、子どもがいる人と同じ日数有休を取るのは無理でしょ」

「子どもの迎えがあるから、仕事の残りは任せて帰ります」

 

子どもの体調不良が仕方ないことも、保育園に迎えに行かなくてはならないこともわかります。出来る人たちでカバーしなければならないこともわかります。

 

けれど、子どもがいないスタッフだってプライベートはある。有休だって取りたいときもあるし、残業しないで帰りたいときもあります。

 

そんなときに、子どもが原因で休んだり早く帰宅したりするスタッフが、そんな態度で接してきたら…働くママの状況を理解しようとしても理解したくなくなってしまいます。

 

スタッフ間の不平等をなくすには

こういう職場の不平等は、往々にして「子どもがいない人の不理解」として片付けられがちです。けれど、それだけではないのが事実。理解しようとしても、上記のような状況があれば、納得できなくなってしまうものです。

 

だからこそ、一番に必要なのは「互いの思いやりの態度」。そんなのあって当然と思われるかもしれませんが、案外、置き去りになりがちです。

 

子どものいないナースは、育児中のスタッフを思いやる。休んだり早退したりすることも多くて、肩身狭い思いをしているかもしれないね、と。

子どものいるナースは、子どものいないナースを思いやる。いつも仕事を任せてしまってごめんね、と。出勤できるときは、精一杯やるからね、と。

 

そんなふうに思いやれれば、少しは不満が小さくなるかもしれません。

 

 

そして、職場全体でも配慮が必要でしょう。育児中のスタッフの比率が高くなりすぎないように人員配置を調整するとか、休みの取り方に関して工夫をするとか。病後児保育やシッター制度を使いやすくなるよう、工夫してみるのもいいのかもしれません。

 

まとめ

ナースの世界は、まだまだ女性が多い職場。同じ女性同士で不満がたまらないように、スタッフ同士、あるいは職場全体で声を掛け合っていきたいものです。

 

不満の蓄積は、職場全体の雰囲気の悪化にもつながります。女性が中心となってきた業界だからこそ、女性が働きやすい職場を維持するために、すべての職場に率先して改善をするようお願いしたいとです。

青井ミマコ 看護師

福岡生まれの東京都在住の正看護師。看護学校を卒業後、大学病院に就職、ICU、オペ室、循環器を経験し、美容クリニックを経て、現在はブロガーとして活躍。

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