認定薬剤師

認定薬剤師(にんていやくざいし)とは

認定薬剤師とは、薬学部を擁する大学や研修機関など認証を受けた団体が実施する研修を受け、高度な知識を有するとして認定された薬剤師です。薬剤師は、薬剤師倫理規定などにも定められるように、生涯にわたり高い知識と技能の水準を維持するよう、研鑽を積まなければなりません。日進月歩する現代の医療と薬学を学びつづけることで、己を高め、また互いを高めあい、より医療を進歩させることを目的として設けられたのが、この認定薬剤師という制度なのです。そして現在、20以上の大学や研修機関が認証団体として様々な研修を行っています。原則として受講によって得た単位は互換性がありますが、研修の内容や認定の目的・条件などは認証機関により性格が異なります。どのような薬剤師を目指すかによって認定を受ける認証機関を選択するのも一つの方法でしょう。

認定薬剤師になるためのプロセス

認定薬剤師になるためには、言うまでもありませんがまず薬剤師免許を取得する必要があります。すでに薬剤師免許を持っている場合は、単位シールを貼るための研修手帳を入手しましょう。卒業大学が認証機関であれば卒業と同時に配布される場合もありますが、そうでない場合は各認証機関から購入します。おおよそ500~1500円程度です。手帳を手に入れたら、いよいよ研修の受講を開始しましょう。認定を新規に申請する場合、最初の受講年から数えて4年以内に40単位以上を取得する必要があります。また期限は4年となっていますが、毎年5単位以上の取得が必要ですので、間をあけず、継続的に受講するようにしましょう。研修以外にも、論文投稿や学会発表によって単位を取得することができます。規定の単位数に達したら、履歴書や薬剤師免許証の写しなどの書類とともに認定薬剤師制度委員会に申請します。委員会で行われる認定評価、更新評価により、適当と認められれば生涯学習認定薬剤師証が発行され、晴れて認定薬剤師となります。しかし、認定薬剤師制度の目的は生涯研鑽ですので、一度認定されれば良いというわけではありません。認定後、3年毎に更新申請を行わなければなりません。更新のためには、3年間で30単位以上取得する必要があります。

薬剤師に関わる認定制度

生涯研鑽を推進するための認定薬剤師制度ですが、薬剤師に関わる認定制度は認定薬剤師以外にも様々なものがあります。例えば、がん専門薬剤師や精神科専門薬剤師、妊婦授乳婦専門薬剤師などの専門薬剤師は、その疾病や対象となる患者の治療について極めて高度な知識を持ち、処方提案や薬物管理などによってチーム医療を支えています。また、スポーツファーマシストは予期せぬドーピングからスポーツ選手を守り、サプリメントアドバイザーはより身近な存在として地域の方々の健康を守っています。高度な先進医療から、セルフメディケーションまで多岐にわたる薬学領域では、更なる薬剤師の研鑽が期待されるため、新たな認定制度も生まれることでしょう。薬剤師免許の取得は更なる専門家へのスタート地点にすぎないといっても過言ではないのです。