専門薬剤師

専門薬剤師とは

専門薬剤師とは高い専門性と知識、実績を認定された薬剤師のことです。現在がん専門薬剤師、精神科専門薬剤師、HIV感染症専門薬剤師、妊婦・授乳婦専門薬剤師、感染制御専門薬剤師の5つの専門薬剤師が存在します。専門薬剤師を認定する機関は数十団体ありますが、どの認定団体に認定されても専門知識に大きな差はないと言われています。医薬分業や医学、薬学の進歩により、更に高度で専門性の高い知識が要求されている現在、医療チームの一員として活躍していくためにも専門薬剤師を取得する人が増えています。

専門薬剤師はどのようにして誕生したか

チーム医療が進んでいく中、治療にあたるスタッフにはそれぞれ専門性が求められるようになっていきました。勿論、薬剤師も例外ではありません。薬局にこもらずに直接、医師と治療について相談できる機会も増えています。また、医療の進歩により、薬物治療は更に複雑化してきています。このような現場で求められる知識を持っている薬剤師が必要となってきた、というのが背景にあります。元々は各分野における知識を持っている者を認定薬剤師としていましたが、更にその中から実績のある者、学会発表などの経験がある者を抜擢したのが専門薬剤師なのです。

専門薬剤師になるには

まず認定薬剤師を取得するのが初めの一歩となります。認定薬剤師になるには以下のような条件が必要となります。①薬剤師免許を持っており、優れた見識を持っていること。②薬剤師としての実務経験を5年以上経験しており、日本病院薬剤師会或いは日本薬剤師会の会員でなおかつ別に定められた学会の会員であること。③薬剤師認定制度認証機構などにより認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、もしくは日本臨床薬理学会認定薬剤師であること。④所定の単位を取得していること。⑤貢献した症例を20例以上報告できること。などが条件となります。これらをクリアして認定薬剤師になることでようやく専門薬剤師への道が開けます。更に以下の条件をクリアすることが専門薬剤師になるために必要となります。①学会・研究会、日本薬剤師会学術大会などで申請する専門領域に関する学会発表が3回以上あり、国際的な学術論文が2編以上ある物。②病院長などの推薦があること。③日本病院薬剤師会が行う専門薬剤師認定試験に合格していること。などが必要となります。高い専門性が求められるため、長い月日と経験が必要となり、専門薬剤師になるまでの道のりは決して楽ではありません。

専門薬剤師のメリット

なろうと思った人が誰でもなれるわけではない専門薬剤師ですが、医療チームの一員として高い志をもつ薬剤師にはとても憧れの資格でもあります。自己研鑽にも繋がりますし、優れた医療提供することにも繋がります。また、専門知識のあるスペシャリストとして現場で活躍することができます。様々な薬に関する知識を持つジェネラリストも求められていますが、より高度な技術と知識を持った薬剤師が医療現場には不可欠です。