処方箋

処方箋とは

以前は「箋」の漢字が常用漢字ではなかったため、「処方せん」と書かれることもあります。またドイツ語でRezeptと書くことからレセプトとも呼ばれます。医師が患者さんの治療に必要な薬剤やその服用方法などを記載した文書のことです。薬剤師はこの処方箋に従って調剤を行います。医療用医薬品はこの処方箋がないと手に入れることができません。処方箋の発行は医師、歯科医師、獣医師が行うことができます。処方箋に記載しなければならない項目は医師法によって定められています。以下の綱目は必ず記載しなければなりません。①患者の氏名②年齢③薬名④分量⑤用法用量⑥発行の年月日⑦使用期間及び病院もしくは診療所の名称及び所在地又は医師の住所⑧記名押印又は署名

処方箋の書き方

薬名の記載をする時は、剤型や規格が分かるように記載します。商品名、一般名どちらで記載しても構いません。分量は、内服薬は1日量、頓服薬は1回量、外用薬のように1日量や1回量を記載できないものに関しては投与総量を記載します。用法には寝る前、発熱時などいつ使えば良いか、どれくらいの量をどこに使ったら良いのかなどを記載します。用量には投与日数を記載します。薬剤の種類によって用量に処方日数の制限が定められているものもあります。規定の麻薬、向精神薬、新規薬品のうち薬価基準に収載された月の初日から1年を経過していないものは14日分までしか処方できません。ただし、特殊な事情がある場合は30日分を限度として処方が可能です。

処方箋の期限について

処方箋には期限があり、発行された日を含む4日間が期限となります。この日を1日でも過ぎれば処方箋は無効となり調剤をしてもらえなくなります。処方箋は患者さんが医師の診察を受けたその時点での症状に合わせて処方したものです。処方されてから日数が経つと症状が変わる恐れもあります。そのため、4日間という期限が設けられています。患者さんの今の状態に適した薬を提供するためにも期限はとても大事なものです。しかし、連休が続いたり、お仕事の都合で中々薬局に行けなかったりなどでどうしても、処方箋の期限内に来局することが不可能な場合もあります。基本的には再び病院に足を運んで処方箋を発行してもらうのが原則です。しかし、薬局内の薬剤師も臨機応変に対応してくれることが多く、医師に処方箋の期限の延長ができないか問い合わせて調剤ができるようにしてくれる場合もあります。ただ、期限内に薬を受け取ることが基本となります。

処方箋の枚数と薬剤師の人員

1日の処方箋の枚数40枚ごとに薬剤師を一人配置する必要があります。ただし、例外として耳鼻科、眼科、歯科の処方箋は2/3枚として数えるので処方箋60枚につき薬剤師1人が配置されます。昨年の処方箋の枚数を基準として配置数が決まるので今年の1日の処方箋枚数が平均100枚と、かなり量が多くても薬剤師の人数は1人で良いことになるのです。きつきつの状態ですと薬剤師1人あたりの作業量が多くなり調剤過誤にも繋がるので余裕のある人員確保が望まれます。