スクリーニング

スクリーニングとは

ふるい分けをすることをスクリーニングと言います。医療業界で言うスクリーニングは主に患者さんが特定の疾患に罹患しているかを検査によって調べる行為を指す場合が多いです。陽性か陰性かを調べる際に判定誤差が出てしまうこともあるため、必ずしも結果が正しいとは限りませんが、疾患リスクを知るためには有効な手段です。疾患をきちんと検出できる感度の高さと、陽性と陰性を正確に判定できる特異度の高さが求められています。スクリーニングをする際はこの感度と特異性の高さについてあらかじめ確認しておくことが重要です。

スクリーニングの種類

新生児マススクリーニングとは生後1週間~4週間までの新生児を対象とした検査で、先天的な疾患がないかを調べるために全ての新生児に対して行われます。対象となる疾患はガラクトース血症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、フェニルケトン尿症、クレチン症、先天性副腎過形成症の6つです。検査により先天性の疾病があると分かった場合は速やかに専門の小児科医のいる医療機関へ紹介されます。がんスクリーニングは胃がん、肺がん、大腸がんなど複数の種類のスクリーニングがあります。胃がんではバリウムや内視鏡を使った検査が行われます。内視鏡の方が胃の内部まで確認できるのでがんの発見率は上がります。肺がんでは胸部X線検査や喀痰細胞診が行われます。大腸がんでは便潜血検査や内視鏡検査が行われます。いずれのスクリーニングでも何か異常が見つかれば更に検査を進めていきます。

スクリーニングのメリットとデメリット

スクリーニングはがんを発症する恐れがあるかないかを調べるものです。がんになる可能性があるという結果が出たとしてもかならずしも発症するわけではありません。本当は陰性なのに誤って陽性となってしまったり、またその逆のことが起こったりする可能性もあり正確性に欠けている部分もあります。がんになるかもしれないと言われて良い気分になる人はいません。誤った結果により精神的なダメージを与えてしまうこともあります。このようなことを避け、より正確な結果を得るためにはがん検診を受けることを推奨されています。

薬剤師が関わるスクリーニング

新薬を開発する際に治験を行いますが、この時に被験者が治験に適しているかどうか事前にスクリーニングを行うことがあります。この結果を元に薬剤師と医師で被験者が治験に参加可能であるかなどを判断します。スクリーニングは数段階にかけて行われます。他に、製薬企業が新薬を開発する上で、目的とする特定の化学物質を探し出していくこともスクリーニングと言われています。また厚生労働省が行っている医薬品の再審査や再評価もスクリーニングと呼ばれる業務の一つです。この制度は医療用医薬品の有効性や安全性、副作用などを確認し、より良い医薬品を育薬していくために欠かせないものです。数々のスクリーニングがありますが、どれも人の命に関わる大事なものです。