副作用

副作用とは?

副作用と聞くと、好ましくない作用をイメージする人が多いのではないでしょうか?これは正確には有害反応と呼ばれ、副作用とは言わないのです。一方で副作用は、厳密には「主作用ではない作用」「主作用には関連のない薬理作用」という意味であり、必ずしも好ましくない作用ではありません。しかし、一般的には副作用と有害反応は同じ意味として扱われており、主作用ではない作用であっても、実際に患者さんにとって不都合でない場合は副作用と呼ばないことが多いのが現状です。

副作用の分類

副作用が出現した時、その原因を探ることはとても重要です。副作用を薬理学的な原因から分類した時、大きく3つに分かれます。1つ目は、薬物動態の変化による副作用です。薬物動態学では、薬物の体内動態を吸収・分布・代謝・排泄の4段階から考えますが、例えば薬物代謝酵素が遺伝的に低下したり欠損したりすると、薬物の代謝が低下し血中濃度が上がることで、副作用が起こりやすくなります。2つ目は、体質による副作用です。不耐症や特異体質、過敏症などが挙げられますが、これらは一般的に用量に依存せずに起こります。アレルギーは有名ですね。3つ目は、相互作用による副作用です。これは薬物同士だけでなく、薬物と飲食物間でも起こりうるので注意が必要です。代表的な薬物-飲食物間相互作用は、CYP3A4で代謝される薬物とグレープフルーツジュースです。グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリン類はCYP3A4阻害作用を有するため、CYP3A4で代謝される薬物と併用すると、薬物の吸収が増加して血中濃度が上がり、副作用が起こりやすくなります。このように、副作用が生じる原因はたくさん考えられますが、添付文書やインタビューフォームを参考にしながら副作用につながる危険因子を把握しておくことが必要です。

指導上の注意

副作用が生じたとしても、そのまま飲み続けたり自己判断で勝手に中止したりしてしまう患者さんも少なくありません。このような行為は非常に危険です。例えばステロイドを服用している患者さんが、自己判断で服用をやめてしまうと、全身倦怠感や食欲低下などのステロイド離脱症状が起こる危険性があります。最悪の場合、副腎不全に陥り生命に関わる重篤な状態になることもあるのです。このような事態にならないために、薬の専門家である薬剤師が患者さんにしっかり説明する必要があります。最も大切なことは、副作用が生じた時は絶対に自己判断で服用をやめず、必ず医師や薬剤師に連絡するよう指導することです。よって、受診した医療機関や薬を受け取った薬局の電話番号を教えておくとよいです。