ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品とは

別名、後発医薬品とも呼ばれています。先発医薬品の特許は出願した日から20年で満了となります。特許が切れた後、別の製薬会社が先発医薬品と同じ有効成分を含んだ医薬品を製造したもののことを指します。医薬品の「一般名」を英語で「generic name」と記載するため、そう呼ばれるようになりました。GE薬という呼び方もあります。特許期間中は他の製薬会社が同じ製品を製造販売することはできません。しかし特許期間が終われば、厚生労働大臣の許可を得ることで他の製薬会社も製造販売が可能になります。アメリカのような医療費の高い国では高い浸透率を誇っていますが日本では健康保険制度のおかげで医療費の負担が少なく済むため普及にはまだまだ時間がかかると言われています。

メリットとデメリット

一つの薬を新しく作るためには莫大な年月と費用がかかります。開発には10年~15年、長い場合だと20年近くかかることもあります。費用は数百億円にも上ります。ジェネリック医薬はこの開発までの期間や費用が少なくて済むため、トータルでかなりの経費削減ができます。そのため薬価を先発医薬品よりも低く設定することができるのです。日本の医療費は1年で約40兆円です。そのうち約20%は薬剤費と言われていますが、特許の切れた医薬品をすべてジェネリック医薬品に変更することで年間の医療費を約1.5兆円も抑えることができます。このようなメリットが多くありますがデメリットも勿論、存在します。ジェネリック医薬品は確かに先発医薬品と同じ有効成分を使用してはいますが、製剤過程での添加物までまったく同じというわけではありません。添加物が変わると溶出速度などに変化が起きます。薬の溶けやすさは、効き目の速さにも関係するため薬を飲んでも中々効果が出ないという状況も起こり得ます。また、新たに使用された添加物に対してアレルギー反応を起こす可能性もあります。実際に副作用が起きた例もあります。先発医薬品と必ずしも同じ効果が期待できるという訳ではないので、患者さんの病態が現在の投薬で安定している場合は、安易なジェネリック医薬品への変更が推奨されない場合もあります。

申請に必要な試験

先発医薬品は開発にも長い時間がかかりますが、承認申請にもかなりの量の資料を提出する必要があります。安全性や毒性、薬理作用や臨床試験結果などについて20以上もの資料が必要です。それに対してジェネリック医薬品では安定性試験と生物学的同等性試験などの基準に合格していれば製造承認がおります。血中濃度の推移が先発医薬品と同等であれば生物学的に同等であると考えられているためです。有効性や安全性については既に先発医薬品のデータがあるので必要となりません。また、全ての毒性試験が免除されます。しかし、このことに対して問題視する声も少なくありません。しかし先発医薬品と同じように様々な試験が必要となると費用が嵩み、薬価の高騰にも繋がってしまいます。本当に安全で有効性があるのかを調べるために、どこまで試験をするべきかが課題となっています。