抗酸化剤

抗酸化剤とは

生体が受ける酸化ストレスを無害化するものを抗酸化剤と呼んでいます。人体は呼吸などにより常に酸素を身体の中に取り入れています。その酸素が活性酸素となり害のあるものへと変換されてしまいます。活性酸素から身を守る機能は元々備わってはいますが、完全にその害から守れているわけではありません。抗酸化剤は身体を守るだけでなく、食品などにも使用されています。飲料水に良く添加されているビタミンCがその例です。食品の鮮度を維持するのです。

抗酸化剤の種類

抗酸化剤にはいくつもの種類が存在します。種類によって使われる目的が異なります。L-アスコルビン酸:いわゆるビタミンCです。ビタミンCは水溶性のビタミンなので水に良く溶ける性質を持っています。そのため清涼飲料水やパンなどに添加されます。強い還元作用を持ち、食品の変色や味の劣化を防止します。エリソルビン酸:強い還元作用を持ち、使用される食品に特に制限はありません。しかし、抗酸化剤以外の使い方は禁止されています。カテキン:お茶の葉っぱに豊富に含まれている成分です。清涼飲料水やお菓子などに使用されています。ビタミンEやクエン酸などと同時に使うことによって、より高い抗酸化力を発揮するという特徴があります。ジブチルヒドロキシトルエン:ほとんどがクエン酸やアスコルビン酸と一緒に使われます。脂溶性であるため清涼飲料水の抗酸化剤には適しません。油脂やバター、チューイングガムなどに使用されます。他の抗酸化剤と比べると安定性が高いという特徴があります。トコフェロール:ビタミンEのことです。抗酸化作用に優れていることからビタミンCと共に美容関連の商品にも良く添加されています。脂溶性のビタミンであるため油脂やバターなどに使用されています。ブチルヒドロキシアニソール:浸透性に優れており、油脂やバター、冷凍の魚介食品などに使用されます。

運動と酸化物質の関係

運動を良くする人は老けやすいという言葉を聞いたことがないでしょうか。これは運動をすると体内での酸素の消費量が通常時の10倍ほどにも上昇し酸化物質が体内で増加するためだと考えられています。体内で生じたフリーラジカルが組織の回復を阻害するため疲労にも繋がります。習慣的に運動をする人は体内で酸化物質に対する防御機能が発達するため、酸化物質によるダメージよりも運動による健康増進効果の方が高いと言われています。

疾患と酸化物質の関係

抗酸化物質の一つであるビタミンEは心疾患リスクを低下させるという研究データがあります。よって酸化物質がある疾患の原因、もしくはそれを助長させる可能性があると考えられています。また酸化物質によるダメージを特に受けやすい脳の損傷を防ぐためにプロポフォールなどの薬剤が使用されています。脳血管障害の後遺症を使われるのです。プロポフォールは元々、全身麻酔の導入や維持に使用される薬剤ですが、このように脳を保護する目的でも使用されています。副作用として呼吸抑制などがあるため扱いには十分な注意が必要です。