基礎代謝量

基礎代謝量とは

基礎代謝量は、安静時に消費されるエネルギーの量を指します。安静時でも心臓は動き、呼吸も続いていますね。そのように生きていくために必要なエネルギー量が基礎代謝量です。基礎代謝量の単位は、1日あたりのエネルギー量で表すため[kcal/日]となっており、男性の場合は15-17歳でピークを、女性の場合は12-14歳でピークを迎え、以降は下降していきます。成人男性の基礎代謝量は約1500kcal、成人女性では約1200kcalとなります。また、基礎代謝量は基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)と参照体重(kg体重)を掛け合わせることで算出できます。基礎代謝基準値とは、体重1kgあたりの基礎代謝量の基準値のことです。その値は1-2歳でピークを迎え、それからは下降して行きます。

推定エネルギー必要量

基礎代謝量は安静時の1日消費エネルギー量であると説明しましたが、実際は何か活動している人がほとんどですね。そんな場合の消費エネルギーはどうやって求めればよいのでしょうか?それは、推定エネルギー必要量を求めることで分かります。この値は、基礎代謝量に身体活動レベルをかけることで算出できます。身体活動レベルは、1日の活動内容によってレベルⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つのレベルに分類されます。レベルⅠは、1日の大半が座位状態で移動も少ない場合、レベルⅡは座位状態が中心だが、家事や通勤などの軽い運動習慣がある場合、レベルⅢは立位状態が多いあるいは活発な運動習慣がある場合となります。そして、それぞれ1.5、1.75、2.0の指数があり、これと基礎代謝量を掛け合わせることで推定エネルギー必要量が分かります。推定エネルギー必要量を知ることは、自分のカロリー収支を数値で管理するために必要な事項です。

日本人の食事摂取基準

厚生労働省では、5年に1度「日本人の食事摂取基準」というものを発表しています。2010年版までは、推定エネルギー必要量は、食事摂取の基準項目として重要視されていました。しかし、基礎代謝は年齢差、性差、筋肉量の差など、変動要因が多様に存在し、身体活動レベルも3つにのみ分類するのは信頼性に欠けるとの問題が浮上しました。これにより、2015年版からは推定エネルギー必要量は基準項目から外され、新たにBMIを採用することになりました。BMIは単に体重を身長の二乗で割るだけで算出できるため、容易に計算できますし、一般的にも浸透している値ですね。ですので、食事・運動療法が治療に大きく貢献する糖尿病や脂質異常症、高血圧患者に対しては、単なる服薬指導だけにとどまらず、自分のBMIを知ってもらうことで食事・運動療法への意欲を高めてあげましょう。