医薬用医薬品添付文書

医療用医薬品添付文書とは?

よく一般に「添付文書」と呼ばれているものの正式名称がこの「医療用医薬品添付文書」です。医療用医薬品添付文書に記載しなければならない項目は薬事法によって規定されています。製薬企業が作成し、医薬品の販売包装単位ごとに添付されることが義務付けられています。また虚偽、誤解を招く情報を掲載した際には薬事法で罰せられることが定められている公的な文書です。警告、禁忌、副作用、用法・用量、薬効薬理、体内薬物動態、使用上の注意などが記載されています。医療用医薬品添付文書は一律でA4サイズと規定されており、枚数は最大で4枚までになっています。医薬品添付文書に記載しきれない情報は、インタビューフォームなどの別の文書を用いて補完することもあります。緊急性のある情報は緊急安全性情報(イエローレター)、安全性速報(ブルーレター)として情報が共有されます。添付文書の情報は封入されている紙媒体だけでなく「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」「一般財団法人日本医薬情報センター」のホームページでも閲覧することができます。

添付文書はどうやって読むのか

様々な情報が載っている添付文書ですが、読み方を把握すれば欲しい情報をより早く得ることが出来ます。緊急性、重要性の高い情報ほど上の方に掲載されています。警告、禁忌、原則禁忌の項目は必ず一番上段に掲載されます。最も重要度の高い警告の記載がある場合は添付文書の右上に赤く印が印字されており一目で警告の記載があるかどうかが分かるようになっています。確認する頻度の高い併用禁忌や原則併用禁忌の項目は使用上の注意の欄の相互作用の項目に含まれています。

添付文書でたりない情報を補完するには

添付文書では不足している情報を補完する文書にはいくつか種類があるので代表的なものを紹介します。「緊急安全性情報」厚生労働省の指示により製薬企業が配布する文書のことです。厚生労働省の指示から4週間以内に当該医薬品を使用している医療機関、医療関係者に原則として直接配布し内容の説明を行う必要があります。「イエローペーパー」「ドクターレター」とも呼ばれます。医薬品安全対策情報は英語でDrug Safety Updateと記すことからDSUと略されます。医薬品添付文書に記載されている使用上の注意が改訂された際にその情報を掲載し、日本製薬団体連合会が各医療機関に郵送します。「インタビューフォーム」略してIFとも呼ばれます。ページ数の限られている医療用医薬品添付文書では不十分な情報を補うために発行されます。製薬企業が作成、配布を行います。製剤の安定性、注射剤の溶解後の安定性、使用上の注意の設定理由、毒性など医療用医薬品添付文書にはない細かい情報が載っています。